スパニッシュ・オデッセイ

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スペイン語との出会い(6) ラ・クカラーチャ

2011-12-22 16:17:57 | スペイン語
  パンチョといえば、メキシコでは英雄の「パンチョ・ビリャ(Pancho Villa)」がいる。ただ、メキシコでは愛称のパンチョではなく本名の「フランシスコ・ビリャ」(Francisco Villa)と呼ばれている。チワワを本拠地として、メキシコ革命に参加したビリャの軍団は「División del Norte(ディビシオン・デル・ノルテ、北部軍団)」と呼ばれ、メキシコシティの通りにその名を残している。北部軍団はぼろぼろの軍服に身を包み、ゴキブリ軍団とよばれていた。彼らが歌っていたのが、あの「ラ・クカラーチャ(La cucaracha)」で、原詩の最後は次のようになっている。
La cucaracha, la cucaracha,
Ya no puede caminar;
Porque no tiene, porque le falta
Marijuana que fumar
英語の直訳は
Cockroach, Cockroach
Cannot walk anymore
Because she doesn’t have, because she lacks
Marijuana to smoke
(注:cucarachaは女性名詞なので、代名詞はella(英語ではshe)になる。このころの兵士はだいたい男なので、sheではかなり違和感があるのだが。)
日本語訳:
「ゴキブリ、ゴキブリは
もう歩けない
なぜなら、マリフアナが切れてしまったから」
 という危ない歌詞である。さすがに子供向けの歌番組ではこんな歌詞は許されないので、無難な歌詞がつけられている。スペイン語の詩でも、子供向けには最後の1行は“las patitas de atrás”(ラス・パティータス・デ・アトラス、「後ろ足」)と代えられている。子供のころ聞いた時には、スペイン語の歌詞があることもパンチョ・ビリャのことも全く知らなかった。この歌を初めて聞いて、30年後にチワワ市のパンチョ・ビリャ博物館を訪問することになろうとは。ついでに、犬のチワワの原産地であるが、チワワ市ではチワワ犬は見かけなかった。家の中で飼われているのかもしれないが。
 ところで、コスタリカのゴキブリはのろい。簡単に踏んづけたり、たたいたりすることができる。それに比べて、日本のゴキブリの素早いこと。
 話変わって、最近、「クロコーチ」というドラマが始まったようだが、かつて、某国際団体のトップの方がやはり「クロコーチ」というお名前だった。どうもこれは英語話者には cockroach(ゴキブリ)に聞こえるようで、Mr. Cockroach というニックネームを献上されていた。スペイン語話者はスペイン語に訳して、Sr. Cucaracha (セニョール・クカラーチャ)と呼んでいたのは言うまでもない。


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