スパニッシュ・オデッセイ

スペイン語のトリビア
コスタリカ、メキシコ、ペルーのエピソード
パプア・ニューギニア、シンガポールのエピソード等

怪魚 Peje Nicolás(ペヘ・ニコラス)

2021-02-11 11:51:25 | トリビア
 メキシコ時代の友人が書いた作品をご紹介します。さまざまな資料を基に再構築した武蔵です。是非ご一読ください。『巌流島の決闘』はあっと驚く結末です。
   
 コスタリカの伝説に少しだけ紹介されていたのは怪魚“Peje Nicolás” である。
 peje は「魚」という意味だが、一般的に「魚」は pez (ペス)である。ただし、これは自然の状態の魚で、釣り上げられて、食卓に上れば pescado となる。
 英語の fish は関連語である。英語では fish がそのまま動詞にもなるが、スペイン語では動詞は pescar になる。その過去分詞「釣られたもの」pescado がそのまま名詞にもなっている。ちなみに、「漁師」は pescador で、そのイタリア語形がパスタ好きにはお馴染みの pescatore である。
 西洋占星術では「うお座」は英語では Pesces というが、スペイン語では pez の複数形 peces がそのまま星座名にもなる。
 peje という語はメキシコで初めて知った。ミチョアカン州に湖があるが、そこで取れる小魚の名前が pejerrey (ペヘレイ)で、小学館『西和中辞典』には「南米原産。トウゴロウイワシ科に属する魚の総称」とある。から揚げにして食べると美味で、イワシというよりワカサギに近い。
 さて、“Peje Nicolás” だが、『西和中辞典』には記載されていなかった。ネットで調べてみたら、 pez Nicolás でヒットした。
 “Amino”というサイトによると、母と息子の近親相姦によってできた化け物という話があるが、近親相姦の危険を察知した母親が息子をどうこうしたというバージョンもあるらしい。
 画像を以下に紹介する。実在の魚もいるようである。
  
 
  
 
 コスタリカの伝説では次のように述べられている。

 ニコヤ湾の漁師にはよく知られている。サン・イシドロ(San Isidro)山脈の霧深い支脈のビリージャ(Virilla)の東に棲息しているが、悪魔の命令が下ると、海へ下っていき、巨大なイルカに変身して、カヌーを難破させる。悪魔の命令を立派にやり遂げると、オロミナ(グッピーの一種)になって、川を上り、元の山に帰っていく。そして、また悪魔の命令を待つのだ。
よろしくね
↓↓↓
スペイン語 ブログランキングへ

スペイン語とともに考える英語のラテン語彙の世界 (開拓社言語・文化選書)