ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「だれかの木琴」 井上荒野

2022年06月03日 15時19分41秒 | 作家 あ行
だれかの木琴 (幻冬舎文庫) 2022.6.3読了。
井上荒野 (著)

主婦・小夜子が美容師・海斗から受け取った、一本の営業メール。それを開いた瞬間から、小夜子は自分でも理解できない感情に突き動かされ、海斗への執着をエスカレートさせる。明らかに常軌を逸していく妻を、夫の光太郎は正視できない。やがて、小夜子のグロテスクな行動は、娘や海斗の恋人も巻き込んでゆく。息苦しいまでに痛切な長篇小説。



この主人公たち気に入らない。夫婦の倦怠期をストーカーらしき行為で穴埋めするみたいな、犯罪を犯すわけでもなく、夫婦喧嘩するでもなく、誰でもいいような顔もよく覚えていないような美容師に執着しているようなストーカーのまねごとをして、夫の気を引こうとする。夫は夫で何でもかんでも見なかったこと、なかったことにして、女を外で買ってその残像で次回の妻とのセックスを乗り越えようと考えているような奴だし。家にその美容師と彼女に怒鳴り込まれて、一応、その美容師へのストーカー行為は止まったみたいだけど、最初からこの美容師のことなんかどうでもいいんだからそりゃーそうだよね。おかげでこの美容師は彼女と別れたみたいだけど、いい迷惑だ。で、今度は性懲りもなく夫の同僚にストーカーのまねごとを始めたみたいですよ。ほんと暇で金に困っていないっていうのも困ったもんなんだね。まあ、いずれにせよ退屈せず最後まで読めたし、小説としては不快だったけど何も残らないようなものよりは良かったんだろうね。なんか腹立つなぁ。6点


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