ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「倒錯のロンド」 折原一読了!

2017年10月24日 20時16分51秒 | 作家 あ行
倒錯のロンド (講談社文庫) 2017.10.24読了。
折原 一 (著)

精魂こめて執筆し、受賞まちがいなしと自負した推理小説新人賞応募作が盗まれた。―その“原作者”と“盗作者”の、緊迫の駆け引き。巧妙極まりない仕掛けとリフレインする謎が解き明かされたときの衝撃の真相。鬼才島田荘司氏が「驚嘆すべき傑作」と賞替する、本格推理の新鋭による力作長編推理。



すらすら読めるし、面白かった。
ただ、オチが反則な気が、、、。
自分は叙述トリックが好きなんで、面白く読めました(オチ以外)。…6点。

「自薦 THE どんでん返し」 綾辻行人他読了!

2017年10月23日 17時16分04秒 | 作家 あ行
自薦 THE どんでん返し (双葉文庫) 2017.10.19読了。
綾辻 行人 (著), 有栖川 有栖 (著), 西澤 保彦 (著), 貫井 徳郎 (著), 法月 綸太郎 (著), 東川 篤哉 (著)

名だたる本格ミステリの書き手があなたを仰天させる! ミステリには不可欠のラストの驚き、どんでん返し。
6人の作家が自作から「これは」というどんでん返し作品を自ら選び、読者に届けます。どうぞみなさん、だまされてください。
十七歳年下の女性と結婚した助教授。妻が恐るべき運命を告白する…。ベストセラーを目指せと、編集長にたきつけられた作家はどこへ…。完璧なアリバイがあるのに、自分が犯人と供述する女子高生の目的は…。貸別荘で発見された五つの死体。全員死亡しているため、誰が犯人で誰が被害者なのか不明だ…。推理作家が、猟奇殺人の動機を解明すべく頼った人物とは…。独身の資産家を訪ねた甥。その甥には完全犯罪の計画があった…。六つのどんでん返しが、あなたを虜にする。


うーん、豪華なメンバーですね。
ただ、ぜんぜん、(最初の一編を除いて)どんでんがえしになってないんですが。どうしてかな?
ただの、アンソロジーだと、インパクトないから、「THE どんでん返し」とかつけたんだろうけど、ほんと、なんだって言うくらいどんでん返っていない。
まあ、普通の短編としてはそんなに悪くないけど、タイトルで煽られちゃってるんで大いに不満。…4点。

「ハサミ男」 殊能将之読了!

2017年10月13日 20時18分21秒 | 作家 さ行
ハサミ男 (講談社文庫) 2017.10.12読了。
殊能 将之 (著)

美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。三番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作。



残り100ページで、エーッってなって、違和感があったので、読み終わったあと、最初から検証のため読み直した。チッ、確かにそうは書いてないじゃん。うまく、ミスリードさせられてんじゃん。ただ、このどんでん返しを味わうために、500ページを読むのは長い。もう少しページを削いでくれたら良かったのに。あと真犯人の動機がよわいよなー。まあ、面白かったけども。…7点。

「セカンド・ラブ」 乾くるみ読了!

2017年10月08日 21時51分07秒 | 作家 あ行
セカンド・ラブ (文春文庫) 2017.10.8読了。
乾 くるみ (著)

里谷正明は会社の先輩から誘われたスキー旅行で、内田春香と知り合う。交際を始めた2人は2月のある日、身形(みなり)のいい紳士に強引に呼び止められる。紳士は春香を新宿のパブで働く「美奈子」だと断じた。後日、店を訪れた正明は、春香にそっくりな女、美奈子と出会い驚愕する。はたして、美奈子の正体は春香なのか? ベストセラー『イニシエーション・ラブ』に続く「驚愕の恋愛ミステリー」第2弾!


まあ、途中で、トリックは読めるけど、最終章で吃驚はした。
ただ、動機が、というかここまでする必要性がイマイチわからない。
『イニシエーション・ラブ』の方が上かな?うーーん、どっちかな?…5点。

「ゼロ・アワー」 中山可穂読了!

2017年10月05日 23時16分37秒 | 作家 な行
ゼロ・アワー 単行本 2017.10.4読了。
中山可穂 (著)

殺し屋に家族全員を殺され、ただ一人生き残った少女は復讐を誓う。その男にたどり着く手がかりはタンゴとシェイクスピア。東京とブエノスアイレスを舞台に、“ロミオ”と“ハムレット”の壮絶な闘いが幕を開ける。アルゼンチン軍事政権時代の暗黒の歴史を絡めた復讐劇はどこへ向かうのか?タンゴのリズムに乗せて破滅へとひた走る狂気のような疾走感、切なく痛ましい殺し屋としての宿命。美しく、激しく、圧倒的な切なさが胸を撃つ、著者新境地のノワール長篇。



ハードボイルドだ。心臓をつかまれるようなヒリヒリする恋愛小説(そんな恋愛小説は中山可穂しか書けないだろうけど)もいいけど、そういえば、この手の小説も文体からして、ぴったりだ。
スピード感があり、読む手が止まらなくて、もったいなくもあっという間に読み終えてしまった。
この小説に出てくる人間の孤独も冷徹さも、ストイックさも、猫も、シェイクスピアも、タンゴも、全部含めて中山可穂以外のなにものでもない。また、新刊が読めて良かった。…8点。