ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「ブラック・ティー」 山本文緒 再度読了!

2013年11月29日 00時54分07秒 | 作家 や行
「ブラック・ティー」 (角川文庫) 山本文緒(著) 2013.11.22再度読了 。

約束を破ったり、借りた物を返し忘れたり、誰でも思い当たる軽犯罪。そんな罪にかき立てられる自分への不安、他人への不信。ヒトのいじらしさ、可愛らしさを鮮やかに浮き彫りにした、心洗われる物語。


古本屋で、そういえばこの本読んでたよなとか、どんな内容だっけとパラパラとページをめくり、ちょっと表題作の「ブラック・ティー」を数ページ読んだら、とまらなくなり、そのまま(105円といえども)購入せず、図書館に行って借りる。
ブラック・ティーというのが、お茶の種類じゃないのがミソ。しゃれたタイトルだよね。
「ブラック・ティー」と「水商売」がおもしろい。…6点。

「斎藤家の核弾頭」 篠田 節子 読了!

2013年11月11日 17時56分30秒 | 作家 さ行
「斎藤家の核弾頭」 (新潮文庫) 篠田 節子 (著) 2013.11.9読了 。


われわれは、日本に宣戦布告する!!そもそも「特A級市民」というエリート中のエリートだった私が、なぜ政府より、理不尽な転居命令を受け続けなければならないんだ!もうこうなったら…。ついに爆発してしまった斎藤総一郎、心の叫び。2075年、「国家主義カースト制度」により、高度に管理された、ニッポン。住民たちと核爆弾を作りあげ、祖国と対決する斎藤家の明日は、何処に。


2075年の東京。「国家主義カースト制」で国民がランクづけされ管理されている。SFなんだろうけど、国民総ナンバー制度(確かそんな名前じゃなかったかも)や、個人情報保護法や、わけのわからん法律がどんどん悪法化すれば、こうなるんじゃないかと…。
斎藤家が国から理不尽な対応をされ、やがて国に裏切られていたことを知り、国に対して反旗を翻す。
しかし、総一郎氏、国に裏切られても、なかなかそれを認めようとしない。気づいていても認められない、今となっては何にも役に立たない「特A級市民」というエリートのプライドが悲しい。
しかし、斎藤家と原発を載せて漂流する小島はこれからどうなってしまうんだろう?気になるなぁ。…6点。

「スターバト・マーテル」 篠田 節子 読了!

2013年11月06日 14時06分17秒 | 作家 さ行
「スターバト・マーテル」 (光文社文庫) 篠田 節子 (著) 2013.11.2読了 。


乳癌を機に生と死を見つめるようになった彩子。中学時代の同級生・光洋と30年ぶりに再会した彩子は、心の奥底にしまっていた哀しくほろ苦い「過去」を思い出す…。40代女性の“静かな哀しみ”を丁寧に描いた表題作のほか、海外での友人の結婚式の騒動を描いた痛快コメディー作品「エメラルドアイランド」も収録。芸術選奨文部科学大臣賞受賞作品が待望の文庫化。



「スターバドト・マーテル」と「エメラルド・アイランド」の中篇2作からなる。
中篇2作だからというのじゃないだろうが、どちらの作品も、中途半端な感じかな。
「スターバドト・マーテル」は途中まで、ちょっと後ろ向きな、というか、達観してるというか。そんな主人公を描いた大人のがっつかないラブストーリーなんだろうかと思っていたら、途中からなんだか変な話に発展し、荒唐無稽なお話になっちまった。ラストまでの展開も途中で読めちゃったし。
最後まで、淡々としたラブストーリーにしといたほうが良かったんじゃないでしょうか?
「エメラルド・アイランド」はドタバタな軽妙なテンポで読まされただけで、なんかこんなことって実際にはないよなとか醒めた自分が感情移入するのを程よく抑えて、ただ読み終わっただけという感じ。なんかこなかったなぁ。…5点。

「神鳥イビス」 篠田 節子 読了!

2013年11月01日 15時16分00秒 | 作家 さ行
「神鳥イビス」 (集英社文庫) 篠田 節子 (著) 2013.10.28読了 。


夭逝した明治の日本画家・河野珠枝の「朱鷺飛来図」。死の直前に描かれたこの幻想画の、妖しい魅力に魅せられた女性イラストレーターとバイオレンス作家の男女コンビ。画に隠された謎を探りだそうと珠枝の足跡を追って佐渡から奥多摩へ。そして、ふたりが山中で遭遇したのは時空を超えた異形の恐怖世界だった。異色のホラー長編小説。



イラストレーターとバイオレンス作家のコンビが、「朱鷺飛来図」の謎を追う話。前半は、面白おかしく、読めたが、なんかパッとせず、途中でページが進まなくなる。
んが、そこはさすが篠田さん。
奥多摩山中での時空を超えた冒険はノンストップ状態の一気読み。
いや、焦らされただけだったんですね。ぼく。
怖さと共に、種自体を絶滅に追いやられた朱鷺の悲しさが心にしみる
そんなことはできないだろうが、「朱鷺飛来図」を実際に見てみたい。と思った。…7点。