ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「イヤミス短篇集」 真梨幸子 読了!

2019年09月19日 19時23分11秒 | 作家 ま行
イヤミス短篇集 (講談社文庫) 2019.9.18読了。
真梨 幸子 (著)

小学生の頃のクラスメイトからかかってきた一本の電話。「覚えている?会おうって約束したこと」。その声から蘇る、憧れだった美少女の顔。それはノストラダムスが人類滅亡を予言した一九九九年七月の出来事だった(「一九九九年の同窓会」より)。他人の不幸は蜜の味。甘い六篇が詰まった著者初の短篇集。

<収録作>
「一九九九年の同窓会」……ノストラダムスの大予言の世紀末にかかってきた一本の電話。
「いつまでも、仲良く。」……ダイエットに成功して生まれ変わった私が戻る場所は。
「シークレットロマンス」……どこの会社にも知られざる、そして秘められた恋がある。
「初恋」……居酒屋にあった「ルサンチマンノート」。そこで懐かしい名前を見つけた。
「小田原市ランタン町の惨劇」……遊びだけのはずだった女。だけど気になる最後のメール。
「ネイルアート」……入り込んでしまったネットの匿名掲示板。名無しの女はだいたい怖い。



いや~、どの短編もよく出来ていて、グロく、そしてエロく、いい塩梅にイヤーな気分にさせてくれる。安定の面白さ。…6点。ここにもまたゴールデンアップル出てきた(笑)


「本格王2019」 飴村行 他 読了!

2019年09月05日 17時44分10秒 | 作家 あ行
本格王2019 (講談社文庫) 2019.9.2読了。
本格ミステリ作家クラブ (編集), 飴村 行 (著), 長岡 弘樹 (著), 友井 羊 (著), 戸田 義長 (著), & 2 その他

謎解きの王は本格ミステリだ!作家・評論家が選ぶ今年の王が一冊に。本格ミステリ作家クラブが選ぶ年間短編傑作選が装いも新たにリニューアル!
「ゴルゴダ」飴村行
「逆縁の午後」長岡弘樹
「枇杷の種」友井羊
「願い笹」戸田義長
「ちびまんとジャンボ」白井智之
「探偵台本」大山誠一郎



本格ミステリーの醍醐味はあっ!と言わせる結末だと思う。ならば、結末が一回の長編よりも、作品の数だけ結末がある短編がいいに決まってる。と思ったけど、あっ!と言わせる結末すらない作品もちらほら。そんなら面白い長編の方がいいかも。やっぱ短編集だと玉石混交って事だね。…5点。「ゴルゴダ」飴村行は面白かった!

「信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス」 宇月原晴明 読了!

2019年09月02日 14時26分09秒 | 作家 あ行
信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス (新潮文庫) 2019.8.30読了。
宇月原 晴明 (著)

1930年、ベルリン滞在中のアントナン・アルトーの前に現れた日本人青年は、ローマ皇帝ヘリオガバルスと信長の意外なつながりを彼に説いた。ふたりはともに暗黒の太陽神の申し子である。そして口伝によれば、信長は両性具有であった、と……。ナチ台頭期のベルリンと戦国時代の日本を舞台に、伝承に語られた信長の謎が次々と解き明かされて行く。第11回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。



バール信仰繋がりで、地理も時空も超え、ヘリオガバルス、織田信長、ナチスドイツの台頭にまで関連づけてしまう発想は大変面白いが、やはり大風呂敷すぎて、読んでいて納得がいかない部分が出てきてしまう。ファンタジーとして読むにも、すんなりとは読めない難解な歴史的、宗教的解釈や解説が引っかかり、(ファンタジーとしての)面白さを削いでしまう。自分的にはどっちつかずに感じた。(それでも面白く読めましたけど、今回は自分でハードルを上げすぎた感じか)…6点。