ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「路傍」 東山 彰良 読了!

2014年06月30日 14時30分43秒 | 作家 は行
俺、28歳。金もなけりゃ、女もいない。定職にも就いてない。同い年の喜彦とつるんでは行きつけのバーで酒を呑み、泥酔したサラリーマンから財布を奪ったりしてはソープランドへ直行する日々。輝いて見えるものなど何もなかった。人生はタクシーに乗っているようなもので、全然進まなくても金だけはかかってしまう。そんな俺たちに今日も金の臭いがするトラブルが転がり込む。第11回大藪春彦賞受賞作。



第11回大藪春彦賞受賞作ってことだけで読んだ。まあ、どうでもいいちゃぁどーでもいいお話。中身はないんだけど、最後まで飽きずに読めた。暇つぶしに読むんならこういうのもアリかな。で終わっちゃダメなんじゃないの大藪春彦賞受賞作なんだから。…6点。

「明日の記憶」 荻原 浩 読了!

2014年06月26日 22時45分04秒 | 作家 あ行
「明日の記憶」[光文社文庫] 荻原 浩 (著)  2014.6.20読了 。

広告代理店営業部長の佐伯は、齢五十にして若年性アルツハイマーと診断された。仕事では重要な案件を抱え、一人娘は結婚を間近に控えていた。銀婚式をすませた妻との穏やかな思い出さえも、病は残酷に奪い去っていく。けれども彼を取り巻くいくつもの深い愛は、失われゆく記憶を、はるか明日に甦らせるだろう!山本周五郎賞受賞の感動長編、待望の文庫化。
第18回(2005年) 山本周五郎賞受賞


進行する若年性アルツハイマーの怖さが、悲しさが、ひしひしと伝わってくる。まあ、実際に患った人が書いているわけではないので、想像の域を脱しはしないが。でも、この主人公は恵まれていると思ったね、あんなにいい奥さんがいて、支えてくれて。今流行の独居老人(中年)がこうなったらと思うと、切実に背筋が凍りつくね。独居でアルツハイマー。なにすっかわかんないもんね。それをところどころ憶えていたりしたら…。早く病が進行して何一つわからなくなりたいとさえ思うよきっと…8点。

「砂の王国」 荻原 浩 読了!

2014年06月17日 16時36分23秒 | 作家 あ行
「砂の王国」(上・下)[講談社文庫] 荻原 浩 (著)  2014.6.14読了 。

全財産は、3円。私はささいなきっかけで大手証券会社勤務からホームレスに転落した。寒さと飢えと人々からの侮蔑。段ボールハウスの設置場所を求め、極貧の日々の中で辿りついた公園で出会った占い師と美形のホームレスが、私に「新興宗教創設計画」を閃かせた。はじき出された社会の隅からの逆襲が始まる!


存在もあらすじも知ってはいたんですが、読みたかったものの、篠田節子さんの「仮想儀礼」のパ○リかいなとか思って敬遠してたんです。ストーリーはちょっと似てますが、やはり別物。さすがは荻原浩さん、やりますな。あまりにリアルなホームレスの描き方に、ほんとはこのひと前にやったことがあるんでは?と思ってしまう。まあ、アレなラストがアレですが、あのラストからして、続編を書かれるのではないかと勝手に期待しております。…7点。

「一匹羊」 山本 幸久 読了!

2014年06月10日 20時58分05秒 | 作家 や行
「一匹羊」[光文社文庫] 山本 幸久 (著)  2014.6.6読了 。

縫製工場で働く大神は、受注した制服のデザインを盗作ではないかと疑うが、指摘できずにいた。ある日、職場体験に来た中学生キクチと触れ合ううち、事なかれ主義になっていた自分に気づく。俺はいつからこうなった?自問する大神の中で、何かが少しずつ変わっていく…(「一匹羊」)。職場で、家庭で、小さな町で。新しい一歩を踏み出す人々を描く、傑作短編集。


「一匹羊」って本のタイトル、いいよねぇ~。
そんな中「狼なんてこわくない」が、いいかなぁ。…5点。(まあ、短編だし)


「飛水」 高樹 のぶ子 読了!

2014年06月10日 20時41分15秒 | 作家 た行
「飛水」[講談社文庫] 高樹 のぶ子 (著)  2014.6.1読了 。

家庭がありながら運命的な出会いをした女と男。一緒に暮らす約束をした翌日、災難事故で逝ってしまった男への思い。奇蹟の恋愛小説。
夫のいる身ながら、わたしは知り合いの葬儀で出逢った妻子ある男からの強引とも言える告白に心惹かれる。その不器用なほど真っ直ぐな人柄に、ますます思いは募っていくが…。一緒に暮らす約束までした二人の、長い時を経ての逢瀬には、ずっと胸に秘めていた痛切な思いがあった。深く心に響く恋愛小説。


なんか途中からあれあれおかしいぞっと。
ああ、そっか、そういうことだったのね。
途中不覚にも涙する。こういう、長い時間、その人をずーっと愛し続けるってことが奇跡だよな。おれ、弱いんだ結構こういう話に…7点。