ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「陽炎ノ辻 ─ 居眠り磐音江戸双紙 1」 佐伯 泰英読了!

2017年01月30日 18時23分09秒 | 作家 さ行
陽炎ノ辻 ─ 居眠り磐音江戸双紙 1 (双葉文庫) 2017.1.29読了。
佐伯 泰英著

直心影流の達人、坂崎磐音。藩内騒動がもとで自藩を離れ、江戸深川六間堀で浪々の日々を送る。ある日、磐音はふとした縁で両替商の用心棒を引き受けるが、幕府の屋台骨を揺るがす大陰謀に巻き込まれてしまう。些事にこだわらず春風のように穏やかな磐音が颯爽と悪を斬る、著者渾身の痛快時代小説!


NHKの連続ドラマを3シーズン観て、SPドラマも全部観たので、あとは原作と、読みだした次第。全巻読むと50数巻あるらしいのでどこまで読んでいけるのやら。
江戸の市井を描き、藤沢周平っぽくもあるが、とくに商人、江戸の経済の事がくわしく描かれていて、興味深い。おもしろく、読みやすい。…7点。

「日蝕えつきる」 花村萬月読了!

2017年01月24日 17時03分54秒 | 作家 は行
「日蝕えつきる」 単行本  2017.1.23読了。
花村 萬月 (著)

天明六年、来るべき皆既日蝕を背景に起きた、男と女の残酷物語。
暗黒の極限、無惨な生死を描いた、渾身の時代小説集。

女は軽井沢宿で飯盛女をしていたが、江戸に逃れて夜鷹となり、唐瘡に罹ってしまう(「千代」)。歌舞伎の戯者になることを希う男児は、京から下り、希望とは裏腹に江戸の陰間茶屋で育てられることに(「吉弥」)。濡れ衣の人殺しで入牢した男は覚悟の準備をしていたが、そこで地獄の光景を目にし、自らも責問を受ける(「次二」)他、鬼気迫る五つの暗黒物語。



いやー、黒い黒い、真っ黒の暗黒小説。あまりの陰惨さに具合が悪くなった。えげつなさ過ぎて、もはや生を断つことのみが安寧だと感じる。…6点。

「娘役」 中山 可穂読了!

2017年01月10日 15時40分12秒 | 作家 な行
「娘役」 単行本  2017.1.9読了。
中山 可穂 (著)

宝塚の娘役と、ひそかに彼女を見守り続ける宝塚ファンのヤクザの組長。決して交わるはずのない二人の人生が一瞬、静かに交差する――。
宝塚歌劇団雪組の若手娘役・野火ほたるは新人公演でヒロインに抜擢され、一期上の憧れの先輩・薔薇木涼とコンビを組むことになる。ほたるの娘役としての成長とバラキとのコンビ愛。そんな彼女をひそかに遠くから見守り続ける孤独なヤクザ・片桐との、それぞれの十年をドラマティックに描く。『男役』に続く、好評の宝塚シリーズ第二弾。



最近の中山さんの作品にしては、薄っぺらい。物語は単純。
しかし宝塚歌劇団が舞台の小説なんて中山さんの本じゃなければ読むこともなかったろう。宝塚歌劇団独特の事情なども書かれていて、その点では興味深かった。…5点