ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「疾き雲のごとく」 伊東潤

2024年03月22日 17時34分25秒 | 作家 あ行
疾き雲のごとく (角川文庫) 2024.3
伊東 潤 (著)

坂東の獅子・北条早雲の猛き生き様ここにあり!
時代は血なまぐさい戦乱の世に突入した。将軍家に連なる名門・今川家は、家督争いによって二つに分裂する。一方、この内紛に目をつけた隣国の上杉定正は、名将・太田道灌を送り込むことで介入を目論んだ。道中、道灌は宿泊した寺院で、「宗瑞」を名乗る眼光鋭い青年僧と邂逅する。二人の運命的な出会いが、歴史を動かそうとしていた……。周囲の人々の眼を通して戦国の風雲児・北条早雲の生涯を描いた、疾風怒濤の歴史小説。



早雲のかかわった人物と事象を短編で描き、早雲の人となりを描いた短編集。長編の方が好き。6点。

「僕のなかの壊れていない部分」 白石一文

2024年03月22日 17時28分04秒 | 作家 さ行
僕のなかの壊れていない部分  文春文庫 2024.3
白石 一文 (著)

美しい恋人・枝里子をサプライズで京都に誘った。それは、
昔の男が住む京都で枝里子の反応を見ようという悪意だった――。
東大卒出版社勤務、驚異的な記憶力を持つ「僕」は、同時に
3人の女性と関係を持ちながら、誰とも深いつながりを
結ぼうとしない。その「理屈っぽく嫌味な」言動の奥にあるのは、
絶望なのか渇望なのか。彼の特異な過去を知った枝里子は。
「自分の人生にとって本質的なことからは決して逃れられない」



きっと、読む人を選ぶ。でも傑作。8点。

「黎明に起つ」 伊東 潤

2024年03月11日 19時47分11秒 | 作家 あ行
黎明に起つ (講談社文庫) 2024.3.9読了。
伊東 潤 (著)

11年ものあいだ、京を荒廃させた応仁の乱。関東の地に新天地を求めた伊勢新九郎は、伊豆での激戦に身を投じることとなった。民を生かす世を希求する新九郎は守旧勢力を駆逐できるのか。若き日の挫折から覇権を打ち立てるまでの東国の雄・北条早雲を描く疾風怒濤の戦国小説。



6点。

「いくつになっても 江戸の粋」 アンソロジー/細谷正充・編

2024年03月06日 19時20分41秒 | 作家 あ行
いくつになっても 江戸の粋 (光文社文庫) 2024.3.6読了。
細谷正充 (編)

現代よりだいぶ早くに隠居し、余生を生きた江戸の人々。
悠々と生きる者、ひと癖ある知恵者、嫌われ者、虐げられた者。
己の場で、江戸のお年寄りたちが魅せる命と心の輝き。
そして次の世代に伝えてゆく、自らの意気と生き様とは。
名手たちによる短編3編と、書下ろし短編3編を収録。
笑えて、泣けて。年を取るのも悪くないと思えてくる、傑作ばかりの時代小説アンソロジー。
【収録作品一覧】
三筋界隈 青山文平
つはものの女 永井紗耶子
いくばくも 泉 ゆたか (書下ろし)
ひと夏  志川節子 (書下ろし)
ほおずき長屋のお豪 坂井希久子 (書下ろし)
五郎治殿御始末  浅田次郎
編・解説 細谷正充



浅田さんお目当てで読みましたが、まあ、期待したほどでは。5点。