ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「真夜中のマーチ」奥田 英朗 読了。

2011年11月25日 19時38分10秒 | 作家 あ行
「真夜中のマーチ」奥田 英朗 (集英社文庫) 2011.11.25読了。

自称青年実業家のヨコケンこと横山健司は、仕込んだパーティーで三田総一郎と出会う。財閥の御曹司かと思いきや、単なる商社のダメ社員だったミタゾウとヨコケンは、わけありの現金強奪をもくろむが、謎の美女クロチェに邪魔されてしまう。それぞれの思惑を抱えて手を組んだ3人は、美術詐欺のアガリ、10億円をターゲットに完全犯罪を目指す!が…!?直木賞作家が放つ、痛快クライム・ノベルの傑作。

まただよ、また。こんな小説も書けるんだ。よな。やっぱり。しかし、この作家は人物造形がホント上手い。「最悪」「邪魔」系とはまったく違う、クライム・ノベル。しかも最高に面白かった。

9点(10点満点)

「ララピポ」 奥田 英朗 読了。

2011年11月17日 23時54分30秒 | 作家 あ行
「ララピポ」 (幻冬舎文庫) 奥田 英朗 2011.11.17


みんな、しあわせなのだろうか。「考えるだけ無駄か。どの道人生は続いていくのだ。明日も、あさっても」。対人恐怖症のフリーライター、NOと言えないカラオケボックス店員、AV・風俗専門のスカウトマン、デブ専裏DVD女優のテープリライター他、格差社会をも笑い飛ばす六人の、どうにもならない日常を活写する群像長篇。下流文学の白眉。


こんな小説も書くんですねぇ。なんか不思議な感じの連作でした。でも、ただのエロ小説じゃないですよ。やっぱありますよ、深いところに…。でもやっぱ、深いところには何もないのかな? キャラ的には特に第6話の玉木小百合がいい。


7点(10点満点)

「今夜、すベてのバーで」 中島 らも 読了

2011年11月15日 16時12分24秒 | 作家 な行
「今夜、すベてのバーで」 (講談社文庫) 中島 らも 2011.11.15読了

完全無欠のアル中患者として緊急入院するハメになった主人公の小島容。全身ボロボロの禁断症状の彼方にほの見える“健全な生活”。親友の妹さやかの往復パンチ的叱咤激励の闘病生活に次々に起こる珍妙な人間たちの珍事件……。面白くて、止まらない、そしてちょっとほろ苦い、話題沸騰、文壇騒然の長編小説。
第13回吉川英治文学新人賞受賞

この小説に酩酊した! おもしろくって、ほろ苦い。

8点(10点満点)

「マドンナ」  奥田 英朗

2011年11月14日 14時52分02秒 | 作家 あ行
「マドンナ」 奥田 英朗(講談社文庫)2011.11.11読了

ああ、なんてかわいいオジサン達なんだろう42歳課長、部下に密かにときめく。46歳課長、息子がダンサー宣言。44歳課長、営業から総務へ異動。課長さん達の日常。そこにある愛しき物語5編を収録!

秀逸な短編集。大笑いもしないし、泣きもしないけど、ほのぼのと面白かった。

6点(10点満点)どうしても短編だと辛くなってしまう。

「最悪」  奥田 英朗 2011.11.10読了

2011年11月10日 14時33分55秒 | 作家 あ行
最悪 (講談社文庫) 奥田 英朗

不況にあえぐ鉄工所社長の川谷は、近隣との軋轢や、取引先の無理な頼みに頭を抱えていた。銀行員のみどりは、家庭の問題やセクハラに悩んでいた。和也は、トルエンを巡ってヤクザに弱みを握られた。無縁だった三人の人生が交差した時、運命は加速度をつけて転がり始める。比類なき犯罪小説。

なんか650ページもあった。そんでも足りないくらいおもしろい。もっともっと読んでいたかった。

9点(10点満点)

邪魔(上・下)  奥田 英朗 2011.11.3読了

2011年11月10日 14時31分28秒 | 作家 あ行
邪魔(上) (講談社文庫) 奥田 英朗

(上)巻あらすじ 及川恭子、34歳。サラリーマンの夫、子供二人と東京郊外の建売り住宅に住む。スーパーのパート歴一年。平凡だが幸福な生活が、夫の勤務先の放火事件を機に足元から揺らぎ始める。恭子の心に夫への疑惑が兆し、不信は波紋のように広がる。日常に潜む悪夢、やりきれない思いを疾走するドラマに織りこんだ傑作。

(下)巻あらすじ 九野薫、36歳。本庁勤務を経て、現在警部補として、所轄勤務。7年前に最愛の妻を事故でなくして以来、義母を心の支えとしている。不眠。同僚・花村の素行調査を担当し、逆恨みされる。放火事件では、経理課長・及川に疑念を抱く。わずかな契機で変貌していく人間たちを絶妙の筆致で描きあげる犯罪小説の白眉。


奥田さん、おもしれぇ。あと足りないのは、感動の涙だけか…。9点(10点満点)