ドンドンこにしの備忘録

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「上杉謙信」 吉川英治

2021年12月23日 16時02分09秒 | 作家 や行
上杉謙信 (吉川英治歴史時代文庫) 2021.12.18読了。

謙信を語るとき、好敵手・信玄を無視することはできない。精捍孤高の武将謙信と千軍万馬の手だれの武将信玄。川中島の決戦で戦国最強の甲軍と龍攘虎搏の激闘を演じ得る越軍も、いささかもこれに劣るものではない。その統率者・謙信と彼の行動半径は――?英雄の心事は英雄のみが知る。作者が得意とする小説体の武将列伝の1つであり、その清冽な響きは、千曲・犀川の川音にも似ている。



第四次川中島をメインに武田信玄との戦いを双方の視点から描いている。なんといっても謙信の人物像が魅力的。まさしくカッコイイのだ。有名な話ではあるが塩を武田に送るくだりはめまいすら覚える。美しい文体と華麗な構成は今読んでも色あせない。今回、青空文庫版にて読ませていただいたが、こんないいものが、無料で読める時代が来るとは、なんとも驚きだ。7点。


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