ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「うなぎ鬼」 高田 侑 読了!

2014年10月30日 14時40分13秒 | 作家 た行
「うなぎ鬼」[角川ホラー文庫] 高田 侑 (著)  2014.10.13読了 。

借金で首が回らなくなった勝は、強面を見込まれ、取り立て会社に身請けされる。社長の千脇は「殺しだけはさせない」と断言するが、どこか得体が知れない。ある日、勝は社長から黒牟という寂れた街の鰻の養殖場まで、60kg相当の荷を運べと指示される。中身は決して「知りたがるな、聞きたがるな」。つまり、それは一体―?忌まわしい疑念と恐怖。次第に勝の心は暴走を始め…。いまだかつてない暗黒の超弩級ホラー、登場。


怖いですよ。怖い。暗黒の世界と、日本の裏社会、やくざのシノギ、そこに+都市伝説(?)的な。…7点

「桃色浄土」 坂東 真砂子 読了!

2014年10月23日 15時01分38秒 | 作家 は行
「桃色浄土」[新潮文庫] 坂東 真砂子 (著)  2014.10.11読了 。

珊瑚の海の向こうには、愛する死者が生き返る伝説の国がある――。
高知の海辺の村に暮らす海女とイタリア人の禁じられた恋。自然の厳粛さと人間の愛憎を描く書下ろし長編伝奇ロマン!
青い空と海の境から突然、現れた白い異国船。平和な高知の月灘村は、その日から欲望にとり憑かれた。桃色に輝く珊瑚は、人の心をもてあそびながら櫻が浦をさまよっていく――。


実際読んでみると、カバーに書いてあるあらすじよりも遥かに奥が深く、深遠な物語だ。(あたりまえか)
大正中期の四国の漁村を背景に、因習、風土が壮大な世界観の中に描かれている。
どの登場人物も個性的で、この人たちがこれからどんな風に物語にかかわっていくのか、主人公達がどのような末路をたどるのか、ページを手繰る手が止められなかった。美しいのも、醜いのもやっぱり人の心ってもんなんですよね。ラストシーンも◎だったな。…8.5点


「ゆがんだ闇」 小池 真理子他 読了!

2014年10月17日 16時16分15秒 | 作家 か行
「ゆがんだ闇」[角川ホラー文庫] 小池 真理子 (著), 篠田 節子 (著), 鈴木 光司 (著), 瀬名 秀明 (著), 小林 泰三 (著), 坂東 真砂子 (著)  2014.10.3読了 。

脳細胞までも凍らす、恐怖の連続…ホラー・シーンに新たな局面を拓いた作家6人が、それぞれの“怖さ”を突きつめ、描きこんだホラー小説の競作。


贅沢な本だよね。好きな作家さんいっぱいだし。怖いのは小林さんのやつ(さすがです!)、好きなのは小池さんの。…7点

「二重螺旋の悪魔」 梅原 克文 読了!

2014年10月14日 13時27分55秒 | 作家 あ行
「二重螺旋の悪魔」(上下)[角川ホラー文庫] 梅原 克文 (著)  2014.9.28読了 。

遺伝子操作監視委員会に所属する深尾直樹は、ライフテック社で発生した事故調査のため、現地に急行した。直樹はそこで、かつての恋人・梶知美が実験区画P3に閉じ込められていることを知る。だが、すでに現場は夥しい血で染め上げられた惨劇の密閉空間に変質していた…。事故の真相に見え隠れするDNA塩基配列・イントロンに秘められた謎。その封印が解かれるとき、人類は未曾有の危機を迎える!恐怖とスリルの連続で読者を魅了する、極限のバイオ・ホラー。

二一世紀初頭。イントロンに封印された悪魔は解き放たれ、世界は焦土と化した。人類もまた、異形の物たちに対抗すべく最終軍を結成した。果たして、生き残るのはどちらか?人類の未来を賭け、悪魔の地下要塞に潜入した深尾直樹の運命は?そして、怪物たちは何故、遙か太古から人類のDNAに封じられていたのか?全ての謎がリンクしたとき、宇宙に秘められたる恐るべき真相が解き明かされる!斯界から大絶賛を浴びた壮大なバイオ・ホラー。





☆ネタバレしていますので、未読の方は読まないで(でも読んでもさっぱりわからないかもしれないし)

しかし、まあ、神も仏もあるものかって良く聞くけど、ここに出てくる神様なんか、いるんだけど、悪さばっかりしてるんだもんな。やっぱ、神様は何もしてくれないほうが、まだましだということがわかりました。(これがバイオホラー読んでの感想かいっ!)…7点

「汚れた檻」 高田 侑 読了!

2014年10月07日 17時09分50秒 | 作家 た行
「汚れた檻」[角川ホラー文庫] 高田 侑 (著)  2014.9.15読了 。

小さなプレス工場での単調な作業と上司の嫌がらせに鬱屈していた29歳の一郎は、偶然再会した友人・牛木の会社で、高級犬の販売を手伝うことに。だがやくざのような牛木の父、我が物顔で家にあがりこむ作業員たち―怪しいことだらけの状況に、一郎は不安をつのらせていく。噂では、牛木と親しくなった者は皆、死んだり家屋敷を取られたりの不幸に見舞われているらしい―。これは地獄の始まりなのか!?奈落のリアルホラー。 。


ホラーなんだろうか? なんか犯罪小説だよね、まあ怖いけどね。
結局、一番怖いのは、霊的なものより人だよね。いっちゃってる人はほんと何より怖い。
あとどうも主人公に感情移入できない。…6点

「おしまいの日」 新井 素子 読了!

2014年10月03日 22時34分11秒 | 作家 あ行
「おしまいの日」[中公文庫] 新井 素子 (著)  2014.9.11読了 。

三津子と忠春は結婚七年、夫婦仲よく、絵に描いたように幸せな生活を送っていた。ただ一つ、忠春が仕事で毎晩、深夜をまわるまで帰宅しないことを除けば―。忠春を案じるが故に、三津子は少しずつ正気の淵から滑り落ちてゆく。そしてとうとう「おしまいの日」がやってくるのだが…。新井素子の傑作サイコ・ホラー、待望の復刊。


なんか、怖くないよな、とか思っていたら、読み進めていくうちにじわじわと怖くなってきた。
確かに、この主人公は少しずつ、壊れていくんだけれど、夫もかなりおかしい。こんな生活していてなんも疑問を持たないなんて…。しいては日本の社会がおかしいのか? 自分も過労死予備軍だから、身につまされた。でも、オレは日本の社会も、今の会社もおかしいとちゃんと認識している。…6点