ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「ガダラの豚」  中島 らも 読了!

2011年07月28日 20時42分32秒 | 作家 な行
「ガダラの豚」 (集英社文庫1・2・3巻)中島 らも 2011.7.27読了。


●勝手に採点 9点(10点満点です) 


●おおざっぱなあらすじ

1巻:呪術医研究で業績のある民族学学者、大生部多一郎はテレビの人気タレント教授。8年前に東アフリカで長女の志織を亡くして以来、アル中に。妻の逸美は神経を病み、新興宗教にのめり込む。大生部は奇術師のミラクルと共に逸美の奪還を企てる。

2巻:大生部一家はテレビの取材で再びアフリカへ。助手の道満、エスパーの清川、長男納、ほかスタッフ6名。一行は目的地の村、クミナタトゥに到着。大呪術師バキリの面会に成功し、そして最大の禁忌を犯す。危機一髪ケニアを脱出するが。

3巻:6人もの犠牲者を出し、娘を取り戻し日本に帰国するが、志織を奪いに呪術師バキリは東京に来ていた。番組関係者の周辺で次々奇怪な事件が起き、元・プロデューサーの馬飼は大生部一家と大呪術師バキリが対決する生番組を企画。
超能力・占い・宗教。現代の闇を抉る物語。まじりけなしの大エンターテイメント。日本推理作家協会賞受賞作


●ひとこと感想

◎あー、おもしろかった! なんかインディ・ジョーンズみたいな小説だった(謎)。なんか読み終わっちゃうとなーんも残んないけどね…。

超大スケールのエンタテインメント小説。おもしろい小説の要素がぎっしり詰まってますよ。ハラハラドキドキ、そしてワクワク。笑って、泣いて。登場する人物がどれも魅力的だし。宗教的・民俗学的ウンチクもバッチリ。だし…。あと、なんか必要かな…。 とにかくリアルで広大な冒険の世界がこの本に詰まっているんですよ。一読の価値アリアリ、長いけどね。

「空港にて」 村上龍 読了!

2011年07月22日 12時57分42秒 | 作家 ま行
「空港にて」村上龍 (文春文庫)2011.7.21読了。


●勝手に採点 5点(10点満点です) 


●おおざっぱなあらすじ

コンビニ、居酒屋、公園、カラオケルーム、披露宴会場、クリスマス、駅前、空港で、時間を凝縮させた手法で、他人と共有できない個人の希望を描いた短編集。


●ひとこと感想

△まあ、つまらなくはないんだけど短編だしな(なんだその言い草)

なんであれ村上龍らしい短編集。
ほんの少しの時間と何気ない一コマを、微に入り細に入り、細々と書き込んでいく。そして、なんか何気ない日常ではなくなっていくんだよな。個人的にはコンビニが好きかな。

「蝉しぐれ」 藤沢周平 読了!

2011年07月21日 14時17分04秒 | 作家 は行
「蝉しぐれ」藤沢周平 (文春文庫)2011.7.19読了。


●勝手に採点 9点(10点満点です)この小説に10点をつけないのは、もう個人の嗜好の問題ですから…。溺愛本(いつも手元にないと生活に支障が…)になれば10点つけます。←過去10点つけたことなし。


●おおざっぱなあらすじ

清流と木立に囲まれた海坂藩、城下組屋敷を舞台に、主人公文四郎の淡い恋、友情、悲運と忍苦。ひとりの少年藩士の成長を描く。


●ひとこと感想

◎いつまでも、読み終わりたくなかった
まずは、読後すこし、悲しいような爽快感にじんわりと浸った。
時代小説としても、青春小説としても、恋愛小説としても、どう読んでもすばらしい出来。傑作というのだろうな。
それはそうと時代小説を読むとつくづくと感じることだが当時の男子は、これ程凛々しく、ひたむきで、大人びていたのだなあ…と(まあ、小説の中の話ではあるが)。
逆境にあろうとも、弱音をはかず、志高く生きようとする。今を生きる男子もそうあってほしい。

「靖国への帰還」 内田 康夫 読了!

2011年07月14日 00時24分04秒 | 作家 あ行
靖国への帰還 (講談社ノベルス) 内田 康夫 2011.7.13読了。


●勝手に採点(10点満点) 6点


●超おおざっぱなあらすじ

昭和20年5月、武者中尉は夜間戦闘機「月光」に乗り込み、B29と交戦、負傷し厚木基地に帰還するはずが…。現代の厚木基地にタイムスリップしてしまった。


●読後の簡単な感想

靖国問題を扱っている。

でも、ぜんぜん退屈にもならず、ストーリーに引き込まれた。

「覚悟」と「責任」。

また出てきたよ。今の日本にかけているもの。

いつまでたっても「靖国問題」で右往左往する日本の政治家らに、 他国の顔色ばかり気にしていないで、まずは、戦死者に敬意を表すべきだと思うぞ。

「死んだら靖国で会おう」、国を守るため死んでいった兵士の心の拠りどころだった靖国神社。覚悟は決めていたとしても誰しも死にたくはないものだ。だからこそ、その死によって自分たちが生かされていることに、日ごろから感謝すべきではないだろうか。

靖国神社に行こうが行かなかろうが、それはどうでもよいことだと思う。

この本を読んでそう思った。

最初と最後のタイムスリップが、ちょっと都合よすぎる。先が読めちゃうしね。

「インザ・ミソスープ」 村上龍  読了!

2011年07月12日 16時56分05秒 | 作家 ま行
「インザ・ミソスープ」村上龍 (幻冬舎文庫)2011.7.12読了。


●勝手に採点 7点(10点満点です) 


●おおざっぱなあらすじ

夜の風俗ガイドのケンジ。アテンドを依頼してきたアメリカ人フランク。歌舞伎町を舞台に、ケンジの目の前でフランクが凄惨な殺戮を繰り広げる。食事中注意。俺メシ食いながら読んじゃったけど…。


●ひとこと感想

おもしろかった、とりあえず読んでおけ!
フランクのどうしようもない怪物ぶりと、甘くやさしい国ニッポンが対照的に描かれている。日本はやっぱり、いい国だなあと思うと同時に、この美しく腑抜けた国をどうやって守っていったらいいのか途方にくれる(俺なんかが考えたってどうしようもないかもしれないけど…)。

「半島を出よ」 村上龍 読了!

2011年07月08日 13時24分07秒 | 作家 ま行
「半島を出よ」(上・下)村上龍 (幻冬舎文庫)2011.7.7読了。


●勝手に採点 8点(10点満点です) 


●おおざっぱなあらすじ

たった9人の北朝鮮特殊部隊に福岡ドームを占拠され、その2時間後にさらに500名の特殊部隊が来襲、福岡市中心部を占拠。日本政府は無策にも福岡を封鎖。責任のなすりあい以外何もできず。そんな政府を尻目に立ち上がったのは社会からはみ出してしまった若者たちだった。どんな状況でも誰も責任を取らない国、それがニッポン!だぁ


●ひとこと感想

特に上巻のなんやかんやと直接ストーリーに関係ない資料(?)の多さに閉口。思わずナナメ読みす。そんで、そんで下巻に入り、引きずり込まれた。

北朝鮮の侵略軍に立ち向かう社会からはみ出してしまった若者たち。
なぜか意外と純真で誠実な北朝鮮侵略軍の人たち。
手に汗握る戦闘シーンとビルの爆破のクライマックス。
そして、ちょっとご都合主義的ではあるが、美しいラストシーン。
面白かったし、色々と考えさせられる小説だった。
読み終えてからの余韻が長く残った。