ドンドンこにしの備忘録

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「冬の光」篠田節子 読了!

2019年11月28日 15時01分36秒 | 作家 さ行
冬の光 (文春文庫) 2019.11.27読了。
篠田 節子 (著)

四国遍路を終えた帰路、冬の海に消えた父。高度成長期の企業戦士として、専業主婦の妻に守られた家庭人として、幸せなはずの人生だった。死の間際に想ったのは愛した女なのか、それとも―四国で父の足跡を辿った次女の碧は、ある事実を知る。家族、男女関係の先に横たわる人間存在の危うさを炙り出した傑作長編。




「幸せだと思っていた人生が幸せではなかったと気づいたとき」なんかこの小説を読んでとっさに思ったこと。。。

四国遍路を終え、東京に戻る途中に父が死んだ。なぜ死んだのか? 自殺なのか、事故なのか? 次女碧の視点で謎が解かれていくのだろうか? 
出だしはそんな感じ。

でも、篠田さんの小説がそんなウスッペラなミステリーなんかでおさまる訳がないことを、、、
主題は家族かな? でもなんだろそんなんじゃおさまらなくて、その他、壮大なテーマと難題を次々に突きつけられてウッってなる。読んでて苦しい場面も多々。どっぷりとこの小説に浸らせていただきました。
そしてなんか考えちゃたよ。しあわせってなんだ? 人生って? そもそも生きるって? 家族とは? 仕事とは? ほんといつも篠田さんの小説は読みながら、読み終わってから、考えさせられちゃうんだよね。ほんと読者冥利に尽きます。

自分は(ホントのラスト以外)面白かったけど要は主人公に感情移入できるかどうかだと思うんだよね。そこで、読む人によって評価が分かれると思うんだ。一番共感できるのが、私のような中年以上の男性なんだろうな。それでもラストがちょっと納得いかないなぁー(しつこい)。…7点。


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