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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

裏切りのサーカス その4

2013-07-12 11:02:33 | 裏切りのサーカス
原題:Tinker Tailor Soldier Spy

その3の続きです。

それにしてもこの邦題「裏切りのサーカス」はもうちょっとどうにかならなかったんでしょうか。
スパイ映画だとは思わないですよ、何も知らないと。
私もベネディクトが出てなければ観なかったし、まさかこんなに面白いとは思わなかったのでそれを考えると、
何かもったいない気がします。


以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。

過去に戻り再びクリスマスパーティです。
このシーンが頻繁に出てくるのは、今回の事件に関わっている人たちが揃っている事、
この頃から既に悲劇が始まっている事なども含めてたくさんの思いが詰まっているからなんでしょうね。
なのでクリスマスパーティシーンは見てると本当にせつないです。
もう2度と集まる事のないメンバーが楽しそうに笑っているんだもん。コニーさんの気持ちがわかるわ。

レーニンのお面をかぶったサンタクロースが現れてみんなでソ連の国家を歌い始めます。
スパイするにはその国の事をしらなければいけないしロシア語堪能な人たちだからみんな普通に歌ってます。
アンがいないことに気づいたスマイリー、探しているとビル・ヘイドンとのキスシーン?
(そこまではっきり映っていないのですが)を目撃してしまいます。



現在。
スマイリーとギラム君が退職したウェスタビーを訪れます。
彼はジム・プリドーが撃たれた夜、コントロールの命令で当直していました。
ウェスタビーの回想
「エリスと名乗る英国情報部員が撃たれた」との連絡を受けコントロールに報告するウェスタビー。
しかしコントロールは呆然とした様子で何の指示ももらえなかったのでスマイリーに電話します。

妻のアンが電話に出て、スマイリーは今ベルリンだと告げました。

しばらくするとビル・ヘイドンが現れて現場を指揮をします。
ハンガリー大使館に電話をして「(愛する)ジムに何かあったら許さないぞ」と脅したりしていますが、
普段ちゃらちゃらしているイメージのヘイドンだったのでちょっと新鮮(笑)
考えてみればサーカス幹部の方はみなさんエリートなうえ、無能ではなれないので当たり前なんでしょうけど。

怒った顔もかわいいです。コリン・ファース。
「英国王のスピーチ」なんて、転がっちゃうくらいかわいいですよ(求む、同志!)

なぜビル・ヘイドンはジムが撃たれたのを知ったのか?もしかしたら彼がもぐら?と怪しむギラム君に
「彼は私の家にいたのだ」とスマイリーが言います。

スマイリーがベルリンから自宅に戻るとテーブルに絵がおいてあり奥にビル・ヘイドンがいました。
靴も履きかけで見るからにやってました(笑)な感じで
「絵を持ってきたんだ。アンが気に入ってね。彼女はまだ寝てるみたいだから待ってるんだ」


再び現在。
いよいよスマイリーがジム・プリドーを訪ねます。
ジムは静かにブタペストで起こったことを話し始めます。
KGBに捕まった事。そこで拷問された事。カーラが出てきて拷問が本格化した事、そしてイリーナが目の前で撃ち殺された事。
「もぐら」の事だけは話すまいと頑張っていたジムですが、最後はすべてをKGBに話します。
その後、イギリスに戻されたジムはエスタヘイスに車と1000ポンド与えられ、
「ティンカー・ソルジャー、テイラーの暗号も全て忘れろ」と言われたと話します。

なぜエスタヘイスは暗号名の事を知っていたのか。

スマイリーのシンキングタイム。
「モスクワセンターは大笑い」「モスクワからの情報はでっちあげ」
など今までの情報を繰り返しテープで聞きながらスマイリーはもぐらは誰なのか考えます。

なぜエスタヘイスはコントロールがつけた暗号名を知っていたのか。
ジム・プリドーは知っている情報全てをKGBに話したと言っていたのでカーラももちろん暗号名を知っています。
怪しいのはエスタヘイス?でもスネ夫だし(笑)

そして何かをつかんだ様子のスマイリーです。

とある屋根裏のような場所で外務英連邦大臣とレイコンに会います。
「あなたがコントロールを追い出してカーラを引き寄せてしまったんだ」大臣に詰め寄るスマイリー。
「私はどうすれば?」と弱気の大臣に「もぐらが欲しいものを我々は持っています」
リッキー・ターを囮にもぐらをあぶりだすことにしました。


「俺がパリに行くかわりに必ずイリーナを救い出せ。」
「努力するよ、リッキー」スマイリーはそう言いますが、既にジムから殺されたことを聞いていたはずなんですよね。
ここで真実を言ってしまうとリッキーが傷つく・・・と言うよりは協力してくれなくなると踏んで黙ってたんでしょうね。
さすが百戦錬磨の諜報部員です。


エスタヘイスが暢気に本部からエレベーターで下ってますが扉が開くとギラム君が待っていました。

スマイリーはエスタヘイスを飛行場まで連れていきます。
「忠誠心の話をしよう」と切り出し、「お前は隠れ家でソ連大使に情報を渡していただろう」と言いますが、
つまり「君はスパイ行為をしただろう」と脅してるんですね。

そこへタイミングよく飛行機が降りてきます。

そして更にギラム君が荷物を入れる準備をしたり細かい演技をして、
エスタヘイスをどこかへ送還させるように見せかけ追い込みます。

エスタヘイスは陥落します。
「アレリンもヘイドンもみんなでやったんだ。それがウィッチクラフト作戦なんだ」と喋る喋る。
ティンカー、テイラー、ソルジャーの暗号はビル・ヘイドンから聞いたことも明かします。
そして、コントロールに取り上げられてきたのにすぐにアレリンに乗り換えたことを脅し「尽くす相手を間違えたな」と言い、
「送還しないでくれ」と泣き出します。

ここでスマイリーは本来の目的を果たします。
「隠れ家の住所を教えろ」

スマイリーたちは隠れ家に行きます。部屋には録音装置や隠しマイクなどがありました。
スマイリーはギラム君に隠しマイクのある部屋で詩を朗読させます。
ベネディクトは低音でいい声しているのでここはうっとり場面です(笑)
ちなみにこの詩は英国の詩人フェリシア・ヘマンズの「Casabianca」です。


パリのサーカス支部でリッキー・ターがサーカス本部に「サーカスの安全に関する情報を持っている」と電信させます。
メンデル元警部はサーカス本部の入口を見張っています。
電信を受けたティンカー、ソルジャー、テイラーら幹部が慌てて本部に集まります。
メンデルは全員揃った事を確認し、それをスマイリーに伝えます。
しばらくするとリッキー宛てにアレリンから電信が届きます。
「詳細説明を求める」との文面に「時間稼ぎしてきたぜ、最低だろ?」と言いながらも、
うまく食いついてくれたのでガッツポーズ。


スマイリーは隠れ家に潜んでいます。ギラム君は隠れ家の外で見張っています。
いよいよもぐらの正体が明かされる時がきました。スマイリーもポーチからピストルを出します。
もぐらはサーカスで打ちあわせた後リッキーの件で必ずポリヤコフに会うと確信しているからです。
ギラム君もピストルを構え警戒しています。

家の中から人の気配と声がします。
スマイリーは靴を脱ぎ、音を立てずにその部屋に向かって歩き出します。

しばらくしてギラム君が隠れ家の2階に上がり部屋の中に入ります。
そこにはピストルを構えたスマイリー。そして狙いを定めた先にはビル・ヘイドンがいました。


刑務所に収容されているヘイドンにスマイリーが会いに行きます。

なぜ2重スパイをしたのか。
「西側はとても醜くなった。なので東側に寝返ったんだ。審美的判断だ」
スマイリーは「なぜカーラは君をサーカスのチーフにしなかったのか」と聞きます。
「僕はカーラの雑用係ではない」とヘイドンが言った瞬間「では何なのだ?」と声を荒げます。
唯一スマイリーが大きな声を出す場面です。

この後スマイリーは「アンに伝えたいことはあるか?」と聞きますが、
アンとの事は自分の意志ではなくカーラがスマイリーを警戒してそのように仕組んだと明かします。
有能なスマイリーの唯一の弱点が妻だったと。
「ある時点まではそうだったよ」とスマイリーは静かに言います。


自身のトレーラーハウスでジムが回想します。クリスマスパーティです。
ビル・ヘイドンと視線を交わす二人。だけど今までとどこか違うヘイドンに違和感を持つような表情のジム。
ジムはこの時にもぐらは彼だと気づいたのかもしれません。現に彼はブタペストに向かう前日ビルに警告しに行っていました。




ジム・プリドーはライフルを持ち狙いを定めます。狙った先は外に出て金網越しに外を眺めているヘイドンでした。
ふと、ヘイドンがジム・プリドーの方を見ますが逃げるでもなくそのまま止まっています。
一瞬躊躇しますがそのまま引き金を引きヘイドンは倒れます。


私はなぜジム・プリドーがヘイドンを撃ったのかよくわからず、
「このふたり愛し合ってたし、ソ連に送還されるヘイドンの未来を思えば自分が殺してあげるしかない」
などと解釈してましたが、原作を元に解説してくださってるサイトを読んだら全然違ってました。
私の想像ってこの程度なんだなと落ち込みました(笑)

正しくは、ジム・プリドーがKGBに捕まっていたときに、
「ヘイドンの正体がサーカスにバレたときは始末しろ」という命令を受けていたようです。
それを条件にジムは英国に帰されたという事らしいです。帰さないと殺せないですもんね。
そうだったのか、なるほど!と納得しましたが、映画を観ただけじゃわかんないよーそんなの(泣)

サーカス本部に出勤するスマイリーとすれ違い思わず嬉しそうに笑うギラムくん。

スマイリーはサーカス本部に帰ってきました。しかもアレリンの後任としてサーカスチーフに着任しました。
ここまで命がけでスマイリーに尽くしてきたギラム君はそりゃー嬉しいでしょう。報われてよかったね(涙)


補足になりますが、
リッキー・ターはパリで雨に濡れてる姿を最後に出てきていません。

イリーナの消息を知ったのかどうかもわかりませんが、悲し気な姿だったので真実を知ったのかもしれません。

本当はもっとそれぞれの会話の中に深い意味が込められていると思いますが、私のレベルではこの程度です。
それでもこの映画の面白さが少しでも伝われば嬉しいです。

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