「ピンクの研究」
Directed by Paul McGuigan
Written by Steven Moffat
ブリクストン。
ローリストンガーデンズに着いたふたりは現場に向かって歩いています。
SH「間違いはあったか?」
そう言いながらシャーロックはコートの襟を立てます。
JW「ハリーと僕はうまくいってないし会ってもいない。
クララとハリーは3か月前に別れ、彼らは離婚する。そしてハリーは酒飲みだ。」
SH「完璧じゃないか。まさか全部当たるとは思っていなかった。」
JW「ハリーはハリエットの愛称なんだ。」
その瞬間シャーロックは立ち止まります。
SH「ハリーは君の姉か。」
JW「それより、具体的に僕は何をしなければならないんだ?」
SH「姉なのか!」
JW「いや、マジで。僕はここで何を?」
SH「いつも何か間違えるんだ。」 ← 聞いてねー。
現場でドノヴァンが待ち構えていました。
SD「ハロー、フリーク。」
SH「レストレード警部に会いにきた。」
SD「なぜ?」
そう言われたシャーロックはドノヴァンと向き合います。
SH「招待されたんだ。」
SD「なぜ?」
SH「現場を調べて欲しいからだと思うけど。」
SD「それで、私が何を考えてるかわかってるわよね?」
SH「相変わらずだな、サリー。」
シャーロックはテープをくぐると臭いを嗅ぎながら言います。
僕は君が昨夜家に帰らなかったことも知ってるんだ。」
SD「何を・・・この人は誰?」
近づいてきたジョンにドノヴァンが聞きます。
SH「僕の同僚、ドクター・ワトソンだ。ドクター・ワトソン、サリー・ドノヴァン巡査部長だ。」
SD「同僚?どうやって同僚なんてゲットしたの?」
そしてジョンに、「彼に家まで追いかけられたんじゃないの?」と言います。
JW「僕はここで待ってた方が良さそうだ・・・」
シャーロックはすぐに「No.」と言ってジョンのためにテープを上げます。
ドノヴァンはあきれたように無線で「フリークがビルに入ります。」と伝えます。
建物の入り口でアンダーソンが近づいてきました。
SH「アンダーソン。また一緒だな。」
PA「犯罪現場なんだから汚染しないでくれよ。わかったか?」
SH「もちろんだ。ところで君の奥さんはしばらく家を空けてるんだな。」
PA「おっと、自分が推理したなんて言うなよ。誰かに聞いたんだろう。」
SH「君のデオドラントが僕に話してくれたよ。」
PA「デオドラント?」
SH「男性用だな。」
PA「もちろん男性用だよ。僕は男性用をつけるんだよ。」
SH「ドノヴァン巡査部長も男性用だ。」
そう言われたアンダーソンはドノヴァンの方に振り向きます。
SH「多分それの匂いだよ。入ってもいいかな?」
PA「おい、お前は一体何を言いたいんだ・・・」
SH「他意なんか無いさ。サリーがちょっとおしゃべりをするためにやってきて一晩泊まったってだけだろう。」
シャーロックは入口に向かって歩き出しドノヴァンの横を通り過ぎると、
振り向きざまに「膝の状態から彼女は床の掃除をしたようだな。」と皮肉な笑顔をします。
奥の部屋に入るとレストレードが作業服を着ていました。
シャーロックは作業服を指して「君はこれを着るんだ。」とジョンに言います。
レストレードはジョンを見てシャーロックに聞きます。
GL「誰だ?」
SH「僕の同行者だ。」
GL「いや、だから誰なんだ?」
SH「同行者だって言っただろう。」
ジョンはラテックスの手袋だけ手にしているシャーロックに「君は着ないのか?」と聞きますが、
無言でジョンの顔を見るシャーロックでした。
SH「現場はどこだ?」
GL「上の階だ。」
階段を上りながらレストレードが「2分やるよ。」とシャーロックに言います。
SH「長くなるかも。」
GL「クレジットカードによると彼女の名前はジェニファー・ウィルソン。
詳しい繋がりを調べるためにここにきた。そんなに時間は経っていない。子供たちが彼女を見つけた。」
3階の部屋にピンクのコートとハイヒールの女性がうつ伏せに倒れていました。
ジョンは少し痛ましい顔をしています。
シャーロックは死体に集中します。
↑これこれー!この画像がどの場面かわからなかったのですがコメントで教えていただいたんです。
わずかの沈黙のあと突然シャーロックが「うるさい。」と言うのでレストレードが
?な顔で「何もしゃべってないぞ。」と言いますが、「考えてるだろう。それが気に障る。」とシャーロック。
思わずジョンと顔を見合わせるレストレードでした。
シャーロックは2、3歩前に進み、床に書かれた文字とEでとまってる女性の手を見ます。
left handed
(左利き)
RACHE
German (n.) revenge
(ドイツ語 復讐)
ドイツ語が浮かびますが頭を振り考えを変えます。
Rachel
(レイチェル)
そして死体の前に座りコートをなぞります。
wet
(濡れてる)
コートのポケットに入っている傘を出します。
dry
(乾いている)
襟の内側を触ります。
wet
(濡れてる)
拡大鏡を出し、ブレスレットなど身につけたジュエリーを観察。
ブレスレット
clean
(きれい)
イヤリング
clean
(きれい)
ネックレス
clean
(きれい)
指輪
dirty
(汚れている)
married
(既婚)
unhappily married
(不幸な結婚)
unhappily married 10+ years
(不幸な結婚 10年以上)
指輪を外しさらに詳しく観察。
dirty
(汚れている)
the inside registers as
clean
(内側はきれい)
regularly removed
(定期的に外す)
serial adulterer
(浮気の常習者)
ここでにやりと笑うシャーロック。
「何かわかったか?」とレストレード。
シャーロックは立ち上がり手袋を外すと「あまり無いな。」といいます。
その時、アンダーソンが口を挟みます。
PA「彼女はドイツ人だよ。Racheはドイツ語で復讐。我々に何かを伝えようと・・・・」
シャーロックはすぐにアンダーソンに近寄るとドアを閉めながら
「意見をありがとう。」
そしてモバイルを操作し英国の天気を調べながらレストレードの質問に答えます。
UK Weather
Maps(地図)
Local(ローカル)
Warnings(強風)
Next 24 hrs(24時間後)
7 day forecast(7日の予報)
GL「で、彼女はドイツ人なのか?」
SH「もちろん、違う。だが、彼女は郊外から出てきている。ロンドンには1泊する予定でいた。
カーディフに戻る前に。ここまでは明白だ。」
JW「え?明白?」
GL「だが、あのメッセージは?」
SH「Dr.ワトソン、君はどう思う?」
JW「メッセージの事か?」
SH「死体だよ。君は医療従事者だ。」
GL「待てよ、我々のチームがすぐそこに待機してるんだ。」
SH「そいつらとはうまくいかない。」
GL「俺は規則を無視してお前をここで自由にさせているんだぞ。」
SH「ああ、僕が必要だからね。」
GL「そう、情けないことにな。」
ふたりのやりとりを見ているだけのジョンでしたが、
「Dr.ワトソン。」とシャーロックに言われ、困ったようにレストレードの顔を見ます。
「ああ、そいつの言う通りに。好きにやってくれ。」
レストレードはそう言うと部屋の外に出てアンダーソンに指示を出します。
「アンダーソン。2分間は誰も入れないでくれ。」
そしてふたりは死体の前に座ります。
SH「さて。」
JW「僕は何をすればいいんだ。」
SH「僕の推理に手を貸してくれ。」
JW「僕は君の家賃の支払いを助けるんだろ。」
SH「ああ、だがこれはもっと楽しいぞ。」
JW「楽しい?女性が倒れて死んでるんだぞ。」
SH「正しい分析だが、君にはもっと深く切り込んでほしい。」
レストレードが戻ってきました。
ジョンが検死を開始しするとシャーロックは黙ってそれを見守ります。
JW「わかった・・・・おそらく窒息死。気絶により吐いたものが詰まったんだ。
アルコールの臭いはしない。薬物による発作かもしれない。」
SH「君はそれが何を意味するか知っている。君は新聞を読んだだろう。」
JW「え、彼女が自殺者のひとりなのか?4人目・・・?」
その時レストレードが「シャーロック、2分経ったぞ。わかったことを教えてくれ。」と声を強めます。
シャーロックは立ち上がると推理したことを話し始めます。
SH「被害者は30代後半の女性。
彼女の服装から専門家。驚くほどピンクの色調からメディアに関連していると推測する。
ロンドンに一泊するつもりで今日カーディフから出てきた。
彼女のスーツケースの大きさから明らかだ。」
GL「スーツケース?」
SH「そう、スーツケースだ。彼女は少なくても結婚して10年になるが幸せではなかった。
彼女は愛人を次々に作ったが彼らは彼女が結婚している事を知らなかった。」
GL「おい、もしでっち上げてるんだったら・・・」
SH「彼女の結婚指輪。少なくとも10年は経っている。
他のジュエリーは定期的に磨いているのに結婚指輪は磨いていない。結婚の状態を表している。
指輪の内側が外側より輝いているのは定期的に外しているからだ。
指から外すことで磨かれる。仕事のためではない。彼女の爪を見ろ。勤めている手ではない。
何のためというよりはむしろ誰のために外しているのか?
明らかに愛人はひとりではない。一定期間を超えて独身を装う事はしないから愛人を次々に作る。
簡単な事だ。」
シャーロックの推理に思わずジョンが絶賛。
JW「ブリリアント!」
シャーロックがジョンの顔をちらっと見ると「ごめん。」と謝ります。
GL「カーディフ?」
SH「明らかだ、そうだろう?」
JW「僕には明らかではないよ。」
SH「まったく、君たちのおかしい小さな頭の中はどんな様子なんだろうか?
かなり退屈には違いないな。」
SH「彼女のコートはわずかに湿っている。
彼女は数時間前まで土砂降りの雨の中にいたからだ。ロンドンはその時間に雨は降っていない。
コートの襟の内側も湿っている。向かい風とは逆向きに立っていたからだ。
左のポケットに傘が入っていたが乾いている。
使用していないのは風が吹いていたなんてものではなく強風、風が強すぎて傘がさせなかったんだ。
彼女が一泊するつもりだったのはスーツケースを見れば明らかで、
多少離れた場所から来た事は間違いないが、まだ乾いてない事から移動は2~3時間以内だろう。
旅行時間の半径の範囲内で土砂降りの雨と強風だったのはどこか?」
シャーロックは先ほど調べていた天気の画面を見せながら
「カーディフだ。」
と言います。
「ファンタスティック!」
ジョンの更なる絶賛に「声に出してるぞ。」とシャーロックは言いますが、
「ごめん、うるさいね。」とジョンが謝ると「いや・・・いいんだ。」とツンデレなシャーロックです。
GL「なぜスーツケースにこだわってるんだ?」
SH「そう、それはどこにある?」
と、くるくるまわるシャーロック。
SH「彼女は電話かシステム手帳を持っていたはずだ。レイチェルが誰なのか調べてくれ。」
GL「彼女はレイチェルと書いたのか?」
SH「いや、彼女はドイツ語で怒りのメッセージを残したんだ。← おいおい(笑)
もちろん彼女はレイチェルと書いたに他ならない。問題はなぜ彼女は死に際にこれを書いたのか。」
GL「なぜ彼女がスーツケースを持ってたと?」
SH「右脚の後ろ。小さい泥はねがふくらはぎとかかとにあるが左脚にはない。
彼女は車輪のついたスーツケースを右手で引いていた。
そうでなければこんな風に泥はねはつかない。よごれの範囲から小さめのケースだ。
服装にこだわる女性からすればこのサイズは一泊しかできないので彼女は一晩の滞在予定だったことがわかる。
で、それはどこにある?どこにおいた?」
GL「ケースはなかったぞ。」
レストレードの言葉にシャーロックはゆっくりと振り向きます。
SH「何て言った?」
GL「ケースはなかった。スーツケースなんてものはどこにもなかったぞ。」
それを聞いたシャーロックは部屋の外に出ながら叫びます。
SH「スーツケースだ!誰かスーツケースを見なかったか?ここにスーツケースがあっただろう?」
GL「シャーロック、ケースはないんだ。」
SH「だが、彼らは自分で毒を飲んだ。自分で錠剤を飲み込んだんだ。
明確に示されているんだ、いくら君たちでもこれを見逃すはずがない。」
シャーロックは階段を降りはじめます。
GL「そうだな、うん、ありがとう。で・・・?」
レストレードは階段の下にいるシャーロックに向かって声を張り上げます。
SH「彼ら全員は殺されたんだ。方法はわからない。だが自殺ではない。殺人だよ、連続殺人。」
そして楽しそうに再び階段を降りはじめます。
SH「僕たちで連続殺人犯を見つけよう。これだよ。こういうのを楽しみに待ってたんだ。」
GL「何を言ってるんだ。」
SH「スーツケース!さあ、スーツケースはどこにある?彼女が食べたか?
他の誰かがスーツケースを持って行った。
彼女を車に乗せてきたはずだから車の中に置き忘れたかもしれない。」
JW「ホテルにチェックインできるんだから、そこに置いてきたんじゃないのか。」
SH「いや、彼女はホテルには行ってない。髪を見ろ。彼女は口紅と靴の色を合わせている。
彼女の髪はまだ整ってないからホテルには行ってない。」
そこまで言うとシャーロックは何かに気づいたように、
「Oh!」
「Oh!」
と繰り返します。
JW「シャーロック?」←初めて呼んだ?
GL「何だっていうんだ?」
SH「連続殺人犯は常に慎重なんだ。君たちは犯人が間違いを犯すのを待たなければならない。」
GL「待てるわけないだろう!」
SH「待つのは終わりだ。彼女をしっかりと見るんだ!ヒューストンだよ、犯人がミスをしたんだ。
カーディフと連絡をとれ。ジェニファー・ウィルソンの家族や友人を調べろ。レイチェルを見つけるんだ!」
シャーロックは興奮しながら階段を駆け下りていきます。
GL「言われるまでもないさ。ところでミスって何だよ?」
レストレードの質問に、
「PINK!」
と叫ぶシャーロックでした。
レイチェルのくだりは「緋色の研究」が元ネタですね。
BBC版はこれを逆の結果にしています。
「意味?分からんのか。その意味は、これを書いた奴が、女性名のレイチェル(Rachel)と書くつもりだったという事だ。
しかし、この男、いや女かもしれんが、は書き終わる前に邪魔された。覚えておくといい。
この事件が解決された時、レイチェルという名前の女性が事件に関係していた事が分かるだろう。
お笑いになるのは大いに結構だ、シャーロックホームズさん。
あなたは非常に頭が切れるかもしれない。しかし所詮、経験を積んだ猟犬には敵わない」
中略
「この男が殺害されたとすれば、どういう方法で?」レストレードが訊いた。
「毒だ」シャーロックホームズはぶっきらぼうに言った。そしてつかつかと歩いて行った。
「もう一つ、レストレード」彼は戸口で振り返って、付け加えた。
「『Rache』はドイツ語で『復讐』だ。レイチェル嬢を探して時間を無駄にしないようにな」
泥はねの部分は「まだらの紐」だったような。記憶が・・・
依頼人の女性をプロファイルするときですがこの場面はバスカヴィルでも登場しています。
先日、ちょっとせつないファンアートを見つけてしまいました。シャーロック・・・(涙)
それにしてもどうやったらこんなステキなものが作れるんでしょうね。
続きます。
Directed by Paul McGuigan
Written by Steven Moffat
ブリクストン。
ローリストンガーデンズに着いたふたりは現場に向かって歩いています。
SH「間違いはあったか?」
そう言いながらシャーロックはコートの襟を立てます。
JW「ハリーと僕はうまくいってないし会ってもいない。
クララとハリーは3か月前に別れ、彼らは離婚する。そしてハリーは酒飲みだ。」
SH「完璧じゃないか。まさか全部当たるとは思っていなかった。」
JW「ハリーはハリエットの愛称なんだ。」
その瞬間シャーロックは立ち止まります。
SH「ハリーは君の姉か。」
JW「それより、具体的に僕は何をしなければならないんだ?」
SH「姉なのか!」
JW「いや、マジで。僕はここで何を?」
SH「いつも何か間違えるんだ。」 ← 聞いてねー。
現場でドノヴァンが待ち構えていました。
SD「ハロー、フリーク。」
SH「レストレード警部に会いにきた。」
SD「なぜ?」
そう言われたシャーロックはドノヴァンと向き合います。
SH「招待されたんだ。」
SD「なぜ?」
SH「現場を調べて欲しいからだと思うけど。」
SD「それで、私が何を考えてるかわかってるわよね?」
SH「相変わらずだな、サリー。」
シャーロックはテープをくぐると臭いを嗅ぎながら言います。
僕は君が昨夜家に帰らなかったことも知ってるんだ。」
SD「何を・・・この人は誰?」
近づいてきたジョンにドノヴァンが聞きます。
SH「僕の同僚、ドクター・ワトソンだ。ドクター・ワトソン、サリー・ドノヴァン巡査部長だ。」
SD「同僚?どうやって同僚なんてゲットしたの?」
そしてジョンに、「彼に家まで追いかけられたんじゃないの?」と言います。
JW「僕はここで待ってた方が良さそうだ・・・」
シャーロックはすぐに「No.」と言ってジョンのためにテープを上げます。
ドノヴァンはあきれたように無線で「フリークがビルに入ります。」と伝えます。
建物の入り口でアンダーソンが近づいてきました。
SH「アンダーソン。また一緒だな。」
PA「犯罪現場なんだから汚染しないでくれよ。わかったか?」
SH「もちろんだ。ところで君の奥さんはしばらく家を空けてるんだな。」
PA「おっと、自分が推理したなんて言うなよ。誰かに聞いたんだろう。」
SH「君のデオドラントが僕に話してくれたよ。」
PA「デオドラント?」
SH「男性用だな。」
PA「もちろん男性用だよ。僕は男性用をつけるんだよ。」
SH「ドノヴァン巡査部長も男性用だ。」
そう言われたアンダーソンはドノヴァンの方に振り向きます。
SH「多分それの匂いだよ。入ってもいいかな?」
PA「おい、お前は一体何を言いたいんだ・・・」
SH「他意なんか無いさ。サリーがちょっとおしゃべりをするためにやってきて一晩泊まったってだけだろう。」
シャーロックは入口に向かって歩き出しドノヴァンの横を通り過ぎると、
振り向きざまに「膝の状態から彼女は床の掃除をしたようだな。」と皮肉な笑顔をします。
奥の部屋に入るとレストレードが作業服を着ていました。
シャーロックは作業服を指して「君はこれを着るんだ。」とジョンに言います。
レストレードはジョンを見てシャーロックに聞きます。
GL「誰だ?」
SH「僕の同行者だ。」
GL「いや、だから誰なんだ?」
SH「同行者だって言っただろう。」
ジョンはラテックスの手袋だけ手にしているシャーロックに「君は着ないのか?」と聞きますが、
無言でジョンの顔を見るシャーロックでした。
SH「現場はどこだ?」
GL「上の階だ。」
階段を上りながらレストレードが「2分やるよ。」とシャーロックに言います。
SH「長くなるかも。」
GL「クレジットカードによると彼女の名前はジェニファー・ウィルソン。
詳しい繋がりを調べるためにここにきた。そんなに時間は経っていない。子供たちが彼女を見つけた。」
3階の部屋にピンクのコートとハイヒールの女性がうつ伏せに倒れていました。
ジョンは少し痛ましい顔をしています。
シャーロックは死体に集中します。
↑これこれー!この画像がどの場面かわからなかったのですがコメントで教えていただいたんです。
わずかの沈黙のあと突然シャーロックが「うるさい。」と言うのでレストレードが
?な顔で「何もしゃべってないぞ。」と言いますが、「考えてるだろう。それが気に障る。」とシャーロック。
思わずジョンと顔を見合わせるレストレードでした。
シャーロックは2、3歩前に進み、床に書かれた文字とEでとまってる女性の手を見ます。
left handed
(左利き)
RACHE
German (n.) revenge
(ドイツ語 復讐)
ドイツ語が浮かびますが頭を振り考えを変えます。
Rachel
(レイチェル)
そして死体の前に座りコートをなぞります。
wet
(濡れてる)
コートのポケットに入っている傘を出します。
dry
(乾いている)
襟の内側を触ります。
wet
(濡れてる)
拡大鏡を出し、ブレスレットなど身につけたジュエリーを観察。
ブレスレット
clean
(きれい)
イヤリング
clean
(きれい)
ネックレス
clean
(きれい)
指輪
dirty
(汚れている)
married
(既婚)
unhappily married
(不幸な結婚)
unhappily married 10+ years
(不幸な結婚 10年以上)
指輪を外しさらに詳しく観察。
dirty
(汚れている)
the inside registers as
clean
(内側はきれい)
regularly removed
(定期的に外す)
serial adulterer
(浮気の常習者)
ここでにやりと笑うシャーロック。
「何かわかったか?」とレストレード。
シャーロックは立ち上がり手袋を外すと「あまり無いな。」といいます。
その時、アンダーソンが口を挟みます。
PA「彼女はドイツ人だよ。Racheはドイツ語で復讐。我々に何かを伝えようと・・・・」
シャーロックはすぐにアンダーソンに近寄るとドアを閉めながら
「意見をありがとう。」
そしてモバイルを操作し英国の天気を調べながらレストレードの質問に答えます。
UK Weather
Maps(地図)
Local(ローカル)
Warnings(強風)
Next 24 hrs(24時間後)
7 day forecast(7日の予報)
GL「で、彼女はドイツ人なのか?」
SH「もちろん、違う。だが、彼女は郊外から出てきている。ロンドンには1泊する予定でいた。
カーディフに戻る前に。ここまでは明白だ。」
JW「え?明白?」
GL「だが、あのメッセージは?」
SH「Dr.ワトソン、君はどう思う?」
JW「メッセージの事か?」
SH「死体だよ。君は医療従事者だ。」
GL「待てよ、我々のチームがすぐそこに待機してるんだ。」
SH「そいつらとはうまくいかない。」
GL「俺は規則を無視してお前をここで自由にさせているんだぞ。」
SH「ああ、僕が必要だからね。」
GL「そう、情けないことにな。」
ふたりのやりとりを見ているだけのジョンでしたが、
「Dr.ワトソン。」とシャーロックに言われ、困ったようにレストレードの顔を見ます。
「ああ、そいつの言う通りに。好きにやってくれ。」
レストレードはそう言うと部屋の外に出てアンダーソンに指示を出します。
「アンダーソン。2分間は誰も入れないでくれ。」
そしてふたりは死体の前に座ります。
SH「さて。」
JW「僕は何をすればいいんだ。」
SH「僕の推理に手を貸してくれ。」
JW「僕は君の家賃の支払いを助けるんだろ。」
SH「ああ、だがこれはもっと楽しいぞ。」
JW「楽しい?女性が倒れて死んでるんだぞ。」
SH「正しい分析だが、君にはもっと深く切り込んでほしい。」
レストレードが戻ってきました。
ジョンが検死を開始しするとシャーロックは黙ってそれを見守ります。
JW「わかった・・・・おそらく窒息死。気絶により吐いたものが詰まったんだ。
アルコールの臭いはしない。薬物による発作かもしれない。」
SH「君はそれが何を意味するか知っている。君は新聞を読んだだろう。」
JW「え、彼女が自殺者のひとりなのか?4人目・・・?」
その時レストレードが「シャーロック、2分経ったぞ。わかったことを教えてくれ。」と声を強めます。
シャーロックは立ち上がると推理したことを話し始めます。
SH「被害者は30代後半の女性。
彼女の服装から専門家。驚くほどピンクの色調からメディアに関連していると推測する。
ロンドンに一泊するつもりで今日カーディフから出てきた。
彼女のスーツケースの大きさから明らかだ。」
GL「スーツケース?」
SH「そう、スーツケースだ。彼女は少なくても結婚して10年になるが幸せではなかった。
彼女は愛人を次々に作ったが彼らは彼女が結婚している事を知らなかった。」
GL「おい、もしでっち上げてるんだったら・・・」
SH「彼女の結婚指輪。少なくとも10年は経っている。
他のジュエリーは定期的に磨いているのに結婚指輪は磨いていない。結婚の状態を表している。
指輪の内側が外側より輝いているのは定期的に外しているからだ。
指から外すことで磨かれる。仕事のためではない。彼女の爪を見ろ。勤めている手ではない。
何のためというよりはむしろ誰のために外しているのか?
明らかに愛人はひとりではない。一定期間を超えて独身を装う事はしないから愛人を次々に作る。
簡単な事だ。」
シャーロックの推理に思わずジョンが絶賛。
JW「ブリリアント!」
シャーロックがジョンの顔をちらっと見ると「ごめん。」と謝ります。
GL「カーディフ?」
SH「明らかだ、そうだろう?」
JW「僕には明らかではないよ。」
SH「まったく、君たちのおかしい小さな頭の中はどんな様子なんだろうか?
かなり退屈には違いないな。」
SH「彼女のコートはわずかに湿っている。
彼女は数時間前まで土砂降りの雨の中にいたからだ。ロンドンはその時間に雨は降っていない。
コートの襟の内側も湿っている。向かい風とは逆向きに立っていたからだ。
左のポケットに傘が入っていたが乾いている。
使用していないのは風が吹いていたなんてものではなく強風、風が強すぎて傘がさせなかったんだ。
彼女が一泊するつもりだったのはスーツケースを見れば明らかで、
多少離れた場所から来た事は間違いないが、まだ乾いてない事から移動は2~3時間以内だろう。
旅行時間の半径の範囲内で土砂降りの雨と強風だったのはどこか?」
シャーロックは先ほど調べていた天気の画面を見せながら
「カーディフだ。」
と言います。
「ファンタスティック!」
ジョンの更なる絶賛に「声に出してるぞ。」とシャーロックは言いますが、
「ごめん、うるさいね。」とジョンが謝ると「いや・・・いいんだ。」とツンデレなシャーロックです。
GL「なぜスーツケースにこだわってるんだ?」
SH「そう、それはどこにある?」
と、くるくるまわるシャーロック。
SH「彼女は電話かシステム手帳を持っていたはずだ。レイチェルが誰なのか調べてくれ。」
GL「彼女はレイチェルと書いたのか?」
SH「いや、彼女はドイツ語で怒りのメッセージを残したんだ。← おいおい(笑)
もちろん彼女はレイチェルと書いたに他ならない。問題はなぜ彼女は死に際にこれを書いたのか。」
GL「なぜ彼女がスーツケースを持ってたと?」
SH「右脚の後ろ。小さい泥はねがふくらはぎとかかとにあるが左脚にはない。
彼女は車輪のついたスーツケースを右手で引いていた。
そうでなければこんな風に泥はねはつかない。よごれの範囲から小さめのケースだ。
服装にこだわる女性からすればこのサイズは一泊しかできないので彼女は一晩の滞在予定だったことがわかる。
で、それはどこにある?どこにおいた?」
GL「ケースはなかったぞ。」
レストレードの言葉にシャーロックはゆっくりと振り向きます。
SH「何て言った?」
GL「ケースはなかった。スーツケースなんてものはどこにもなかったぞ。」
それを聞いたシャーロックは部屋の外に出ながら叫びます。
SH「スーツケースだ!誰かスーツケースを見なかったか?ここにスーツケースがあっただろう?」
GL「シャーロック、ケースはないんだ。」
SH「だが、彼らは自分で毒を飲んだ。自分で錠剤を飲み込んだんだ。
明確に示されているんだ、いくら君たちでもこれを見逃すはずがない。」
シャーロックは階段を降りはじめます。
GL「そうだな、うん、ありがとう。で・・・?」
レストレードは階段の下にいるシャーロックに向かって声を張り上げます。
SH「彼ら全員は殺されたんだ。方法はわからない。だが自殺ではない。殺人だよ、連続殺人。」
そして楽しそうに再び階段を降りはじめます。
SH「僕たちで連続殺人犯を見つけよう。これだよ。こういうのを楽しみに待ってたんだ。」
GL「何を言ってるんだ。」
SH「スーツケース!さあ、スーツケースはどこにある?彼女が食べたか?
他の誰かがスーツケースを持って行った。
彼女を車に乗せてきたはずだから車の中に置き忘れたかもしれない。」
JW「ホテルにチェックインできるんだから、そこに置いてきたんじゃないのか。」
SH「いや、彼女はホテルには行ってない。髪を見ろ。彼女は口紅と靴の色を合わせている。
彼女の髪はまだ整ってないからホテルには行ってない。」
そこまで言うとシャーロックは何かに気づいたように、
「Oh!」
「Oh!」
と繰り返します。
JW「シャーロック?」←初めて呼んだ?
GL「何だっていうんだ?」
SH「連続殺人犯は常に慎重なんだ。君たちは犯人が間違いを犯すのを待たなければならない。」
GL「待てるわけないだろう!」
SH「待つのは終わりだ。彼女をしっかりと見るんだ!ヒューストンだよ、犯人がミスをしたんだ。
カーディフと連絡をとれ。ジェニファー・ウィルソンの家族や友人を調べろ。レイチェルを見つけるんだ!」
シャーロックは興奮しながら階段を駆け下りていきます。
GL「言われるまでもないさ。ところでミスって何だよ?」
レストレードの質問に、
「PINK!」
と叫ぶシャーロックでした。
レイチェルのくだりは「緋色の研究」が元ネタですね。
BBC版はこれを逆の結果にしています。
「意味?分からんのか。その意味は、これを書いた奴が、女性名のレイチェル(Rachel)と書くつもりだったという事だ。
しかし、この男、いや女かもしれんが、は書き終わる前に邪魔された。覚えておくといい。
この事件が解決された時、レイチェルという名前の女性が事件に関係していた事が分かるだろう。
お笑いになるのは大いに結構だ、シャーロックホームズさん。
あなたは非常に頭が切れるかもしれない。しかし所詮、経験を積んだ猟犬には敵わない」
中略
「この男が殺害されたとすれば、どういう方法で?」レストレードが訊いた。
「毒だ」シャーロックホームズはぶっきらぼうに言った。そしてつかつかと歩いて行った。
「もう一つ、レストレード」彼は戸口で振り返って、付け加えた。
「『Rache』はドイツ語で『復讐』だ。レイチェル嬢を探して時間を無駄にしないようにな」
泥はねの部分は「まだらの紐」だったような。記憶が・・・
依頼人の女性をプロファイルするときですがこの場面はバスカヴィルでも登場しています。
先日、ちょっとせつないファンアートを見つけてしまいました。シャーロック・・・(涙)
それにしてもどうやったらこんなステキなものが作れるんでしょうね。
続きます。
このファンア―ト、せ…切ないです!(涙)うっすら見えるシャーロックの表情がまた、なんとも言えない…
ピンクの初々しい二人の関係を見ると、今でもワクワク感が甦るだけに、つい、頼むよ~モファティス!!…と、叫んでしまいそうになります。
それにしても、もう既にシャーロックのジョンびいきは、すごいですね。レストレードには、考えるだけでΓ黙れ」で、ジョンが誉めるのは嬉しいんですね~可愛いヤツ…レストレードは気の毒だけど。
ところで、前の記事のキアヌさんのコメント、いいですね~私がベネさんの拒否反応に感じていた居心地の悪さに、答えをもらったような気がしました。多分、ベネさんはΓ事実じゃないことを言われるのが嫌」なだけで、差別する気はないのでしょうけど、シャーロックに関してまでΓ絶対に女性が好きなはず!」と主張されると、結局どこかでゲイは悪いことだと感じてるのかな~と思わずにいられません。まぁホント、余計なお世話かもしれないし、どっちでもいいじゃないの、好きあっていれば!と思ってしまう方が、まだまだ非常識と言われる世の中なのかも知れませんけど…
あ、そんなこと言ってるうちに、いよいよΓイミテーション・ゲーム」公開ですね!
こんばんは。
早速ありがとうございます!
ジョン・ワトソン記念館ーー(爆笑)
このファンアートはやっぱりS3ですよね。切なすぎます。
もう本当になぜモファティスはこんな切ないシャーロックにしちゃったんでしょう!
考えただけでうるさがられるレストレード、確かに!!
これものすごい贔屓ですね。何という萌えポイント!
もう、シャーロックったら。超わかりやすい奴ですね~
キアヌさんの記事、わー、ありがとうございます。
以前Mistyさんが「別にあなたがそうだと言ってるわけじゃないんだから」ってホントこれですよ。
シャーロックにまで主張されちゃうと、やはりそう思ってしまいますよ。
しかもチューリングさんを演じているんだから、「ゲイだと思われるのは光栄だ。」ぐらい言えんのかと。
TIGの公開、もうすぐですね~
Mistyさんはいつ頃観に行かれるんですか?てか、何回?(笑)
study in pink
dicoさんのおかげで、『うん???』
と思っていたところも『そういうことか!』と理解できます。
本当に、ありがたいです。
study~原点ですよねぇ
何回観ても、新しい発見がありますね。
オスカー総集編、ご覧になったんですね!
「Glory」良かったですよね~
レディガガのパフォーマンス、カットだったんですか!!!
なんてこと!
特に日本では、その奇抜さが注目されがちですが。。。(←世界中かな?!)
ものすごい、“努力と実力の人”なのを たくさんの人に
知ってもらう良い機会だったのに!
カットされてしまったのは、残念です。
私はすっかり、ニール・パトリック・ハリスのファンになってしまいました(笑)
去年の、トニー賞のパフォーマンスも良かったんですが、もう凄すぎて(笑笑)
もしかして、「パンいちニール」もカットされちゃたのかなぁ。。?
こんばんは!
ピンク、本当ですか?そう言って頂けると嬉しいです~
スクリプトまるっと載せている甲斐があります(笑)
本当にピンクは楽しいですよね。
この時のベネさんは線も細いのでよりシャーロック・ホームズっぽいかなーと。
オスカー、はいー、早速見ましたよ。
で、すぐに感想を書いて今朝UPしました。
ガガのカットは本当に残念ですよ。
努力と実力の人、確かにそうですよね。
私はマドンナもそうだと思うんですよ。何だかんだとものすごく努力していると思います。
ニール・パトリック・ハリスは本当に本当に素晴らしかったですねー。さすがトニー賞男優です。
ゴーンガールも観なければ!!
パンイチはもしかしたら私が目を離したすきに流れたのかもしれないので、
落ち着いたらもう一度見てみますね。ってなぜ拘る(笑)
一番最初の画像のシャロの顔がちょっとだけ女性的だなって
目鼻の美しさがそう感じさせるんでしょうか・・・
髪の毛も光の反射できれい~~~。
お話の中で、最初にミスってしまったのが
この、ハリーですよね。すごくくやしがってて完璧を求める人なんだって
印象づけられました。
ドノヴァンの感じの悪さは、ピカイチですね。
アンダーソンは、変わってしまったけど彼女はどうなのかな。
3シーズンでは、最初しか出てこなかったような・・・
彼女には、そのまま「やなやつ」でいて欲しいです。
ジョンがシャーロックをそう呼んでいなかったっていうのは
考えていなかったので打ち解けていく様子に気づかされました。
いまだに、振り返ると「おお!」と思うことが多いですね。
ありがとうございます。
ファンアートのシャロの画像が悲しそうで・・・
フォトショがあれば、つくれるそうですよ。
でも、誰でも出来るわけじゃなくて、情熱が必要だそうですWW
美しいですね。
こんばんは!
いつもありがとうございます。
美しいですよねー。
この場面のシャーロックはすごく好きです。
照明の効果もあって髪もキレイですよね。
そうそう、完璧を求めるのにいつも何か間違えるシャーロックはここが最初でした。
ドノヴァンは私も同感です。
やなやつなんだけど魅力もありますしね。
次回出るときも変わらぬスタンスでいてほしいです。
今その7まできましたが、シャーロックは未だに「ジョン」って呼んでないんです。
いつからジョンて呼ぶようになったのか全然覚えていないんですけど、いつ出てくるか楽しみです。
フォトショ、やっぱりフォトショなんですね。
あのソフトは重すぎてインストールしたことはないんですけど、あれば便利そうですよね。
でも、ファンアートまでに手を出したら私の人生終わりそうで怖いわw
誰にでも、そうですよね、きっと。
センスも必要なんでしょうけど、情熱には激しく同意ですよ。
ファンアートに限らず、情熱がないと続かないですよね。