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ホロウ・クラウン ヘンリー5世 1/2

2016-06-11 10:00:35 | The Hollow Crown
ホロウ・クラウンS1の最後、ヘンリー5世です。

今回はコロスというストーリーテラーによって進められていきます。
コロス役はジョン・ハートで、ラストにちょっとだけ出てきます。

キャストは前回とあまり変わっていないと思いますが
フォルスタッフの小姓だった少年が成長していました。
ドラマの中でもかなり出番があるのですが役名は変わらず「Falstaff's boy」なんですよね。

主なキャストです。

ヘンリー5世・・・トム・ヒドルストン
エクセター公・・・アントン・レッサー
ウェストモーランド伯・・・ジェームズ・ローレンソン
ヨーク公・・・パターソン・ジョゼフ
ピストル・・・ポール・リッター
ニム・・・トム・ブルック
バードルフ・・・トム・ジョージソン
フルーエレン大尉・・・オーエン・ティール
キャサリン・・・メラニー・ティエリー
コロス・・・ジョン・ハート

ヘンリー5世は国内の政治的な問題を扱った話ではなく対フランス軍との戦いに終始しているので
今までで一番わかりやすいというか、入りやすいストーリーになっていました。
エドワード3世から始まり、ヘンリー4世時代にお休みしていた百年戦争の再開です。
今まで映画やドラマはもちろん、小説や漫画でも目にしてきたエピソードをパズルのように組み合わせると
百年戦争の歴史になるんじゃないかと思っていますが、組み合わせる根気がなかなかねー。

白馬の王子様。もう王様だけど。

それでは前回同様、ざっくりなあらすじと感想です。

The Hollow Crown:Henry V
Based on:Henry V by William Shakespeare
Directed by Thea Sharrock

Tom Hiddleston as Henry V
Anton Lesser as Duke of Exeter
James Laurenson as Earl of Westmoreland
Paterson Joseph as Duke of York
Paul Ritter as Ancient Pistol
Tom Brooke as Corporal Nym
Tom Georgeson as Bardolph
Owen Teale as Captain Fluellen
Mélanie Thierry as Princess Katherine
John Hurt as the Chorus/Falstaff's boy as a man

ヘンリー5世の葬儀の場面から始まり、コロスによって回想となります。


教会の所領を没収する法案が可決されるのを恐れたカンタベリー大司教たちが王の関心をフランスに向けさせるため、
英国によるフランス王位継承権の要求が正当なものだと進言します。
そこにヘンリー5世のもとにフランスから大使がやってきます。
彼はフランス皇太子からヘンリー5世への贈り物と称してテニスボールを持参してきます。

私のお気に入りのエクセター公。すごくいいのよー。物静かだけど強い意志で王様を支えていました。

遊び人だった王をバカにしているのですが、これには王も激怒。
このボールを砲弾に変えて100倍返しするからな!と宣戦布告しフランス遠征を決意します。


同じ頃、ヘンリー5世に拒絶されたために生きる気力を失ってしまったフォルスタッフが静かに息を引き取ります。
それを見届けたフォルスタッフの小姓と仲間のピストルやニム、バードルフも兵士としてフランスに渡ります。

フォルスタッフの小姓だった少年。


ニム役のトム・ブルック。どこかで見た顔だと思ったらビリーだった。

そうして舞台はフランスに移ります。
キャストではフランス王、シャルルとしか表示されていませんが多分シャルル6世じゃないでしょうか。
と、思ったらウィキに書いてありました。

フランス王と王太子ルイ、そしてオルレアン公らが話し合いをしています。
王はエドワード黒太子の血筋であるヘンリー5世を恐れていましたが、ルイがこれを一喝しています。


ヘンリー王の使者としてエクセター公がフランス王に謁見します。
公はヘンリー5世のフランス王位継承権が正当である事を伝えフランス王に退位を要求しますが、
フランス王の返答は娘のキャサリン王女をヘンリー5世に嫁がせ持参金として少しだけ公爵領を添えるという事でした。
それを知ったヘンリー5世はアルフルールで攻城戦を開始します。


ヘンリー5世は兵士たちを鼓舞しながら進撃していき、町を陥落します。
この時のヘンリー5世の演説は名言になっていました。
「Once more unto the breach, dear friends, once more;
Or close the wall up with our English dead!
In peace there’s nothing so becomes a man,
As modest stillness and humility;
But when the blast of war blows in our ears,
Then imitate the action of the tiger:」
「もう一度突破口から突き進むんだ、友よ。さもなければイギリス人の死体で穴を塞いでしまえ。
平和な時は物静かで謙虚な紳士だが、戦争の爆風を耳にしたときには虎のごとく行動するんだ。」

一方、戦闘中に教会に盗みを働いたバードルフはヨーク公によって処刑されることになります。
それを知ったピストルたちがフルーエレン大尉に助けを求めますが、軍の規律は絶対だと退けます。
実際にはヘンリー5世が指示していました。略奪はもちろんフランス人を侮辱することも禁じています。

その頃、キャサリン王女が次女から英語を教わっていました。
彼女はヘンリー王に嫁ぐことを覚悟していたのかもしれません。


しかし長期に渡る進軍は兵士は弱っていき疫病による被害も広がっていきます。
そんな時、フランスの大使が王の伝言を伝えにきました。
要約すると
「今までは本気じゃなかったけどこれからは本気出すよ。でも身代金を払えば許してあげるけどどうする?」
それに対するヘンリー王の返答は
「疫病で軍隊が弱っちゃったからカレーまで撤退するんだよ。邪魔しないでくれる?
邪魔したらどうなるかわかってるよね?」


フランス軍は大軍で英国軍を迎え撃とうと準備をします。
アジンコートの戦いが始まろうとしていました。

英国軍の惨状を知ったフランス軍は始まる前からお祝いムードを漂わせ、英国軍はお通夜の雰囲気が漂っています。
そんな兵士たちにヘンリー5世自ら野営地をまわり声をかけ励ましていますが、
途中、兵士たちの生の声を聞こうと一兵士に変装します。
変装するためにトマス・アーピンガム卿に上着を借りるのですが、
トマス・アーピンガム卿なる人物がよくわからなくてですね、
調べたらヘンリーの祖父の時代から貢献している人なんですね。歴代の五港長官にも名前がありました。

変装したヘンリー王はふたりの兵士と話をします。
彼らは戦争の責任はすべて王にあると厳しく批判したのでヘンリー王もついキレたりして、
ひとりの兵士と、この戦いが終わったら決闘しようと手袋を交換します。


夜明けが近づくころ、ヘンリー5世はひとり神に祈ります。
原文です。

Oh God of battles, bolster my soldiers' courage. Don’t let them know fear.
Rob them of the ability to count before the numbers against them overwhelm their courage.
And just for today, Oh, Lord, just today don’t think of the crime my father committed in seizing the crown!
I’ve transferred Richard’s body to a new grave and on it poured more tears of remorse than it has shed drops of blood.
I’ve hired five hundred almsmen to hold up their withered hands to heaven,
praying for my pardon twice a day throughout the year.
And I’ve built two chapels where solemn priests sing continually for Richard’s soul.
I will do more, though nothing I can do is any good since this remorse comes after the crime, asking for pardon.

ざっくりですが・・・
「彼らに勇気を与えてください。恐怖を抱かせないでください。
敵の数が彼らを圧倒する前に数える力を奪ってください。
今日だけはどうか父が王冠のために犯した罪を忘れてください。
私はリチャード2世の遺体を新しい墓に移し、父が流した血よりも多くの涙を流しました。
日に2回、許しを請いました。聖職者が絶えずリチャードのために歌を歌うようチャペルを建立しました。
私の思いが徒労に終わろうと償いを続けていきます。」


ヘンリー5世はずっと良心の呵責のようなものを抱いていたんでしょうかね。
実際にヘンリー4世が埋葬したロンドン郊外から、ウェストミンスターに改葬したそうです。

いよいよ夜明けを迎え、戦いが始まります。

続きます。

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
奪った王冠? (オレンジ)
2016-06-12 23:33:19
こんばんは。
Huluのペースで見ています。

私は「リチャード3世」のベン・ウィショーの怪演に度肝を抜かれてしまって、「ヘンリー4世」はちょっとトーンダウンしたかな…って勝手に思っていたんですが、「ヘンリー5世」になるとストーリー的にもわかりやすくなって、また一気に盛り上がりながら見ました。

内容もセリフも難解なので1度見ただけでは把握しきれないんですが、dicoさんの解説でいろいろわかりました。ありがとうございます!
当たり前ですが王位はやっぱり血筋が大前提なんですね。
祈るトムヒ・ヘンリーをヒリヒリした気持ちで見ていました。
続きを楽しみにしています♡
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間違えました (オレンジ)
2016-06-12 23:36:21
ベン・ウィショーのリチャード3世ではなく、リチャード2世でした。
すみません!(汗)
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Re.奪った王冠? (dico)
2016-06-13 23:16:24
オレンジさん
こんばんは!
Huku、ご覧になってるんですね。
私はまだヘンリー6世の1話の途中で終わってるんですー。

ヘンリー4世は緩急があまりないと言うか、リチャード2世やヘンリー5世に比べると、
ドラマチックな場面が少ないからかもしれないですね。
ヘンリー5世は盛り上がりましたよねー。

こんな拙いまとめですがそのように言って頂けて嬉しいです!
シェイクスピアは本当に難しいです。
王位は血筋、ですよねー。だからこそ何と言うか聖域のようなものを感じます。
祈るトムヒはちょっと泣きそうになりました、私。ラストは号泣しましたけど(笑)

私も、2世だか3世だかわからなくなる時いっぱいありますよー。
紛らわしいですよね。
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