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ホロウ・クラウン ヘンリー5世 2/2

2016-06-15 20:35:40 | The Hollow Crown
「ヘンリー5世」

The Hollow Crown:Henry V
Based on:Henry V by William Shakespeare
Directed by Thea Sharrock

すっかり夜が明け両国の軍隊が戦いに備えます。
自分たちの5倍のフランス軍を目の前に、臣下たちが互いに声をかけています。
ウェストモーランド伯が言った「本国から1万の兵が来てくれれば」対するヘンリー王の言葉が、
一部ウィキにも掲載されている「聖クリスピンの祭日の演説」のくだりになります。
原文を探そうと「St. Crispen's Day Speech」で検索したところ、オリジナルと現代版を掲載されているサイトがありました。
こちらはその演説の部分です。ここに全文載せようと思ったんだけどあまりにも長いので。
http://nfs.sparknotes.com/henryv/page_184.html

なんだけど、これだけは書かせてください!
この中にある一文
「we few, we happy few, we band of brothers—for whoever sheds his blood with me today shall be my brother.
However humble his birth, this day shall grant him nobility.」
少数だけど我ら幸せな少数は強い絆で結ばれた兄弟だ。
今日、私とともに血を流すものは私の兄弟だ。
身分の低いものであろうと今日からは貴族の出だと認めよう。」


これは、ドラマ「Band of Brothers」(以下、BoB)のタイトルの元ネタなんです。
てな事を、以前BoBの記事を書いていたときにちょっとだけ触れたんです。
まさか、自分でそのヘンリー5世の話を書くとはその頃は思いも寄らなかったので人生って本当にわからないです。(大げさ)

私の永遠の上司、ダミアン・ルイスasウィンターズさん。

余談ですが今でもBoBのページを訪れてくれる方が結構多くて驚いています。
もはやBoBのブログなんてここくらいしか無いからかもしれませんけど、
最近、Huluで再配信しているせいもあるかもしれません。

それはさておき、ヘンリー5世の名演説でみんな頑張っちゃうわけですね。
また話が逸れちゃいますが、私は王様が臣下や兵士たちを鼓舞する演説にかなり弱いんです。
弱いというのは、つまりちょっと泣けてきちゃうんです。
LotRのアラゴルンの演説なんて号泣ですよ。あれはかっこよかったですね。

貼っちゃった。

両国の兵士がにらみ合う中、再びフランスの大使がやってきます。
どう見ても敗北が濃厚だから、身代金を払えば?のお誘いでしたが、ヘンリー王はこれを拒否します。

どれだけ自国の兵士を誇りに思っているかが伝わるような、そんな拒否の返答でした。
王が堂々としていれば自ずと兵士もそれにならうんでしょうね。
そんな王の気持ちが伝わり、大使はもう2度と来ないことを約束して立ち去ります。

このアジャンクールの戦いで勝敗を大きく分けたのは英国軍の弓兵でした。
弓兵の前に杭を打ち込むことで敵の騎馬突撃を難しくさせる作戦です。
これはヘンリー5世の指示でしたが、十字軍の対オスマントルコとの戦いに用いられた戦術だそうです。


ヨーク公が前線の指揮を務め、両軍入り乱れて激しい戦いが続きます。
フルーエレン大尉がオルレアン公に致命傷を負わせる頃にはフランス軍の敗色が濃くなっていました。
オルレアン公が息を引き取り皇太子が剣を抜いて戦場に走っていく様子をじっと見ていたフォルスタッフの小姓くん。
後ろからヨーク公がやってきましたが、その瞬間ヨーク公は背後から刺されてしまいます。
小姓が自分の腕章で血を止めますがヨーク公は息を引き取ります。

それを知ったヘンリー王は怒り、フランスの捕虜を全員殺すよう命じます。

ついにフランス軍が敗北宣言をして戦いは終わります。
フランスの戦死者1万に対し英国軍はわずか25名の戦死者でした。


兵士はみな疲れ果て放心状態ですがヘンリー王は手袋を交換した男を見つけ声をかけます。

お前、いい度胸してんじゃん、と王は無礼を働いた男を絞首刑にする代わりに
手袋に金貨を詰めて返すという粋な計らいをします。
こんな話にも弱い私(泣)ステキな王様です。


エクセター公のこの穏やかな表情がすごく好き。


後日、ヘンリー王は再びフランスに渡り和平の話し合いを行います。
イギリス側の条件のひとつがキャサリン王女との婚姻でした。

ヘンリー王がキャサリン王女にプロポーズをするのですが、これがまたかっこよくてですね。
ホント、何なの、この人。可愛すぎ!そりゃー、王女もOKするわ。
紳士に振る舞いつつ結構ストレートに求婚してるのですが
何と言ってもその時ちゃんと王冠を外すのがもうね。
ホントに、何なの、この人(しつこい)


フランス王はイギリス側の条件をすべて承諾し、百年戦争を続けていた両国につかの間の平和が訪れます。
この婚姻により、子どものヘンリー6世はフランスの王位継承権を持つことになりますが、
フランス王が死にジャンヌダルクが登場し百年戦争が終わるとイギリスは再び内乱の時代、薔薇戦争に突入していきます。

場面は冒頭に出てきたヘンリー5世の葬儀に変わります。
キャサリン妃の腕の中には小さなヘンリー6世が眠っていました。
葬儀に参列していた小姓が年老いた姿に変わり、コロスだと明かします。
手にはヨーク公の血を吸った腕章がありました。

コロスは最後にこの言葉で締めくくります。
「With those plays in mind, we hope you’ll receive this one kindly.」
(どうかこの芝居をお気に召していただけますように)


駆け足でしたが大まかなあらすじでした。
このあたりの系図をいろいろと探してみましたが、うーん、どれもわかりづらいんですけど。


こちらは薔薇戦争。


次はいよいよヘンリー6世からリチャード3世に続いていきますが
リチャード3世配信まで先は長そうです。

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