呑んべぇ爺さん

呑んべぇ爺さん「音岳」の記録とつぶやき

南アルプス縦走(11日目)[仙水小屋~鳳凰小屋]

2007年08月10日 | 南アルプス

 昨日は遅くまで行動したので、今朝の出発は遅れる。暗い間から登っていく登山者が次々通過して行った。朝の気温は12℃で、暑くも寒くも無く快適だ。食料が次第に食べ尽くされて来て、体積が減ってきて、ザックがパッキングしにくくなって来ているので、予備のプラティパスに空気を膨らませて、ザックの形を整える。出発は、明るくなった5:30を回ってしまった。

 仙水峠への途中で、大勢の団体が小屋から支給された朝ごはんの弁当を食べていた。「仙水峠」へ着いても、皆「甲斐駒」の方に登って行き、「栗沢山」方向は私一人だけだ。最初、岩のガラ場である道は直ぐ樹林帯の中の道に変わる。突然ザックの底から水がポタポタ漏れてくる異変が起きたので驚く。過去、プラティパスのキャップを噛み合わせが悪いまま締めて漏らした経験があるので、ザックを開いてキャップを締め直す。

 再び、登り始めて暫くすると、また水がポタポタ漏れてくる。おかしいなと、今度はじっくりプラティパスを調べる。キャップ付近の飲み口の付け根が金属疲労状態で目に見えない穴が開いたようだ。圧力をかけるとそこから漏れているのが判った。仕方なく、2.5リットルのプラティパスから、予備の4リットルのプラティパスに水を入れ替える。1リットル近く漏れたようで、1リットル強しか残っていなかった。

 樹林帯からハイマツ帯に変わると、踏み跡がハイマツに覆われて歩きにくくなる。「栗沢山」山頂近くまで来ると、今日最初に出会う単独男性が下って来た。「早川尾根小屋」から来たのだろう。山頂に着いて先は見通せるが、今日歩く早川尾根はアサヨ峰の陰で見えない。鳳凰三山までくっきり見渡せて気持ちが良い。しかし今日は尾根筋に出ても殆ど風が無くて暑くなりそうだ。帽子をすぐに被れるよう準備をしておく。
【栗沢山の登り始めから仙水峠を振り返る】
【栗沢山への登り】
【栗沢山への登り】
【栗沢山山頂からの甲斐駒ケ岳】
【栗沢山山頂からのパノラマ】

 「アサヨ峰」への道も、岩のガラ場が多くて歩き難い。「アサヨ峰」に着くと早川尾根を見通せ、「早川尾根小屋」の屋根が小さく点で見える。「早川尾根の頭」は下り途中の平坦な所だった。そこから下って直ぐに「早川尾根小屋」が現れる。ここまで、3組4人とすれ違う。人に出会うのが予想以上だった。

 小屋に着くと、小屋番のご夫婦が今日の準備をされているだけで、誰も見えない。殆ど何も販売されない小屋で、水場は小屋から30m程先にキッチンのシンクのような物が据え付けられた所に、ホースで水が引き込まれていた。暫く休んでから出発する。
【アサヨ峰へ】
【アサヨ峰へ】
【アサヨ峰へ】
【アサヨ峰山頂】
【アサヨ峰山頂のパノラマ】
【アサヨ峰から鳳凰三山】
【アサヨ峰と甲斐駒を振り返る】
【尾根途中に、テントが張れそうなスペースがあった】
【歩き難い所が多い】
【早川尾根の頭へ】
【早川尾根の頭へ】
【早川尾根の頭】
【早川尾根小屋が見えた】
【早川尾根小屋】
【早川尾根小屋内部】
【早川尾根小屋前のテン場】
【早川尾根小屋の水場1】
【早川尾根小屋の水場2】

 「広河原峠」に向かって、小さなアップダウンがある中を下って行く。「赤薙沢の頭」への登りは薮で結構歩き難く、勢いをつけなければ突破できない所もあった。薮の中で、男女3人のパーティーにすれ違う。「白鳳峠」に着いて「広河原峠」と比べると、広河原からのルートとしては「鳳凰三山」周遊ルートにもなる、こちらのルートの方がよく踏まれているような気がした。

 「高嶺」への登りは、これまでより開けている所が多く、ハイマツとガラ場のミックス道だ。何の鳥なのか?黒っぽいが白い「まだら」のある鳥が(雷鳥の鳴き声とは違う)ガーガーと鳴きながら、素早く枝から枝へ何羽も飛んでいる。「高嶺」への最後の登りは岩場が多くなる。

 「高嶺」に着いて、「アカヌケ沢の頭」は、近くに見えるが、一旦100m程下って登り返す。登り返して行くと、道は断崖沿いの白砂の尾根を通過したり樹林に入ったりする気持ちの良いルートに変わる。途中、砂地の岩の下にピンクや白い「タカネヒランジ」があちこちに可憐に咲いていた。
【広河原峠】
【赤薙沢の頭へ】
【薮で歩き難い道】
【赤薙沢の頭】
【白鳳峠】
【白鳳峠からの最初の登り】
【高嶺へ】
【高嶺へ】
【何の鳥?「セグロセキレイ」にしては腹まで「まだら」である】
【高嶺からの鳳凰三山方面】
【アカヌケ沢の頭へ白砂地の道】
【アカヌケ沢の頭のタカネヒランジ】
【登山道にタカネヒランジがあちこちに】

 地蔵岳に着くと時間は17時半になっており、水も残り少ないので「鳳凰小屋」に向かわざるを得ない。「賽の河原」には、水子供養のような地蔵が一杯並んでいる。未だ明るいので、「オベリスク」の最頂部の2本の「靴べら」には登れないが「靴べら」の麓まで登って、四方を見渡す。

 「鳳凰小屋」への下りの道は最初、砂地で歩き難い。紫や黄色い花も咲いていたがゆっくり見る余裕が無く下る。30分程下ると18時半前に小屋に着く。今日も行動時間が長くなって、遅くなってしまった。小屋前に大勢の人が居る中で、テン場の受付をする。

 大きなザックに関心があるのか色々聞く人が居る。どこから来たか、明日どこへ行くか小屋の主人に尋ねられて明日、「青木鉱泉」に下ろうと思っていると言うと、折角、縦走してきたのだから「夜叉神峠」に下るべきだと言われる。周りの人も「めったに縦走するチャンスは無いので、縦走を完結させる事ができるのが羨ましい」とまで言われる。

縦走完走ルートに特段こだわっていないし、通った事のないルートで下って、温泉に入りたいと思っていたので躊躇する。それを見て、小屋の主人は明日の目的地は空欄で良いと言われるので、空欄にする。小屋の売店でウィスキーの販売が表示されているので、求めようとしたら品切れだそうで、がっくりくる。ビールは水のようなので飲む気はしない。

ここの水場は小屋前に屋根つきの立派なもので、数本の蛇口がある。その付近に休憩テーブルや椅子があるので大勢の人がゆっくりしていた。テント設営後、遅い夕食にするが、ラーメンやアルファ米などの食料は今朝で切れたので、残っているスープ類や味噌汁と行動食で味気ない夕食を取る。アルコールもとっくに切れているので今夜もわびしい。

明日どうするかを考える。皆の話しでは「青木鉱泉」への道は悪路でおもしろく無いと言っていた。確かに「夜叉神峠」への道は気持ちの良い道なので、そちらにしようかなと思いながら眠りにつく。
【アカヌケ沢の頭から地蔵岳】
【地蔵岳へ】
【地蔵岳】
【賽の河原の地蔵群】
【オベリスクから見下ろす】
【オベリスクから下るルート】
【鳳凰小屋へ】
【鳳凰小屋へ(最初は砂地)】
【鳳凰小屋へ】
鳳凰小屋が見える
【鳳凰小屋】
【暗くなった鳳凰小屋のテン場】

(仙水小屋~鳳凰小屋:13,508歩)



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