昨年4月から始めた陰影を無くした写真作品は、とりあえず成果はあった。今後もこのシリーズは続けて行きたい。ただせっかく自分で立体作品として陰影を作ったのをあえて消す行為なので、その陰影をさらに強調した作品を作って気分的バランスをとって行きたい。となると、新作にも関わらす、まだ陰影のない作品しか制作していない葛飾北斎の、以前から考えていた画室での北斎を制作してみたい。厄介な頭部はすでにある。 北斎と娘のお栄の画室での様子は弟子の一人、露木孔彰が「北斎お栄居宅図」を描き残しており、北斎美術館でもそれを元に再現した実物大の像がある。しかし身長180センチの感じは出ていないし、うつむいていて顔が見えない。 北斎という人は自分をキヤラクター化し、時に自虐的に演出するユーモアの持ち主である。掛け布団を身体に巻き付けるようにくるまり、傍らに陶製の尿瓶を配した戯画も描いている。こんな物を見せられると、私を挑発しているとしか思えないのである。晩年は北斎、お栄ともに西洋の陰影法を研究していた。そんな所をリアルに描いてみたい。 この世界的な巨匠、海外で北斎像を作るようなおっちょこちょいは出て来ないとは思うが、世界は広い。北斎自身をテーマに描くアーテイストも出て来ないとも限らない。生まれも近い出身であるし、日本人を作って幾年月、後塵を拝する訳にはいかない。もうここまで来ると何作ろうと、アンドレ・ザ・ジャイアントを前に、「やっていいんですか?」と周囲に訪ねた前田日明のように、遠慮することは何一つない。もっとも先日、頭山満や杉山茂丸なんて、依頼されたという“体”でなければ作りませんよ、と某氏に話したばかりであるが。
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石塚公昭幻想写真展-生き続ける作家たち 7月25日~9月2日
※『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載8回『昭和残侠伝“唐獅子牡丹”三島由紀夫』
2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtub
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