オイルプリントその物を版とし、用紙に転写すれば、今の感覚でいえば写真ではなく版画ということになり、面倒もなくなるかもしれない。 大正時代の技法書によれば、プレス機がなくても、湯飲み茶碗の尻の部分でこすれば充分などと書いてある。もともと昔の人にできて、私にできない訳がない、と奮闘していたので、茶碗でもかまわなかったが、何しろすべては手作りの手探り。不確実なことが多すぎ、せめてプレス機は入手することにした。 ヤフオクで落札したのは木枠に入ったままのデッドストックで、届いてみるとローラー部分は約50センチ。木枠には『内田洋行』とあった。こんな物も作っていたのか。板が欠けていたのでアルミ板で自作し、厚いフェルトも用意した。技法書には三回インキングを繰り返し、プレスせよ。とあったが、石塚式は厚いゼラチン層がたっぷり水を含み、その上にリトグラフ用インクが乗っているせいであろう。一回で充分転写された。
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