頭部には、制作のほとんどと言っていいくらい時間をかける。写真作品となれば、身体もそのポーズも、背景もすべて頭部を生かす為にある。そのため裸でない限り、身体は頭部制作とは別のテンションで、何を参考にすることもなく勢いで作る。勢いで作ったその形跡を修正しており、今日は着彩に入れなかった。着物から下着が出るのを嫌って袖口を切ってしまうような、つまりきっちりしている犀星が、いつまでも胸元を開けたままで、作っていながら心苦しい。そうしたものである。今のままでは、東映の任侠映画で最初に殺される昔気質の親分嵐寛寿郎みたいである。残された子分の中で即仇討ち派と、挑発に乗っちゃいけねぇ、親分は望んでじゃいねぇ派に分かれる。仇討ちに来まってるだろ。とりあえず犯人の流れ者を叩っ切って来い。それはともかく。つまり早く金魚を胸元に配さなければ、だらしなくて犀星が可哀想てある。金魚はすでに背景の中で、身体をくねらせ待っている。もう一匹、老人と接吻しようとしているのもいる。いずれにしても、デカイ金魚相手に平然としている犀星二カットが、数日中に完成する予定である。
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『タウン深川』明日出来ること今日はせず 連載第14回〝青春の日の一撃〟
『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家た18年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutubeこ2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube