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明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



江東シネマプラザ 会費2000円で全6本の映画が観られる。今期のテーマは『小津安二郎と深川』。古石場文化センターには小津コーナーが常設されている。『淑女は何を忘れたか』(1937松竹)は エルンスト・ルビッチ監督の影響を受けた、いわゆるルビッチ・タッチのコメディの小編。小津は本作を作った後、日中戦争に応招される。 たわいのない作品だが、外が台風で大荒れの中観るには楽しい。主演は斎藤達雄で、奥さんに気を使う大学教授を演じている。私がもっとも好きな小津作品『生まれてはみたけれど』1932では、上司にぺこぺこして、子供達にがっかりされる父親を演じていた。この長身痩躯が生かされる。 気の強い奥さんが栗島すみ子。気弱な旦那の反撃にビンタされ嬉しそうに話す。それを聞き「いいわねェ」とうらやむ友人に飯田蝶子。当節では考えられない展開である。はねっかえりの姪は桑野みゆきの母、桑野通子。それにしても全員タバコ吸いすぎ。 高校生の頃、狭いところで気を使い合い逡巡する、その独特の間に耐えられず、イラついて途中で席を立った小津映画であったが、あれから私も少々落ち着いたようである。 戦前のモノクロ映画に見る都会の日向。私は確実に知っている気がするが、現実には何処にも無い、といつも思う。

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