明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



私の大リーグボール1号は人形の脚を鷲掴み、カメラを手持ちで街で撮り歩くものである。泉鏡花は金沢、寺山修司は三沢、永井荷風はカツ丼吐いて死んだ部屋でも撮影した。江戸川乱歩はまだご家族がお住まいの時に土蔵で撮影した。今はスマホで誰でもやっているが、周囲と人形に同じ光が当たるので実在感満点。街に出ると面白そうな人材が写りこむ偶然を待ち構えた。 しかし大リーグボール3号たる現在の手法は、三脚立てて撮影、すべて切り抜き使用するのでポテトチップの袋が写り込もうと関係ない。つまり写真の特質である、陰影描写だけでなく、偶然性の類も一切排除したことになる。 しかし二刀流の一方の被写体制作が、40数年、完成をひたすら祈る、というほとんど最初から最後まで偶然性を粘土で固めるような作り方であり、むしろこの手法で、被写体制作と撮影の、双方のバランスがようやく取れた、という按配である。考えるな感じろでやっていると、こうして計ったように辻褄が合うように出来ている。



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