表紙のテーマは“吉田茂とアールデコ”である。旧朝香宮邸、現庭園美術館は、吉田茂が首相公邸として住んだ場所である。この事実は意外と知られていないようだし、吉田茂といえばイギリスというイメージから、アールデコ調の屋敷に住んでいたという、意外性が面白いのではないかと考えた。朝香宮が皇籍離脱のさい、窮状をみかねた昭和天皇に、借りるよう頼まれたそうである。 背後のオブジェは、アンリ・ラパンがデザインしたセーブル陶器で、現在では稼働していないが、当初は水が循環していて、朝香宮妃が香水を流したことから香水塔と呼ばれている。そこで当時の様子をイメージしてみた。「犬に吼えられる奴は悪人だ」という、犬好きの吉田は、講和条約締結の記念なのだろう。サンフランシスコで入手したつがいの犬に、サンとフランと名づけ、その子犬にシスコとつけた。(またその子には、ウィスキー、ブランデー、シェリーとつけた) 吉田は身長155センチ、足のサイズは22、5センチだったという。たしかにマッカーサーと並んだ写真を見ると小さいが、胸板の厚さと肩幅のせいか、それにしては大変な貫禄である。日本の首相はいつの頃からか、その辺の商店会のオヤジのようになってしまった。もっとも、あちらの大統領にしても郵便局員にしか見えないのだが。 小学生の頃、給食のまずい脱脂粉乳を飲まされているのは、吉田茂のせいだと少々恨んでいた私である。
01/07~06/10の雑記
HOME
| Trackback ( 0 )
|
|