弁護士NOBIのぶろぐ

マチ弁が暇なときに,情報提供等行います。(兵庫県川西市の弁護士井上伸のブログです。)

結構あるんだな~

2007年06月08日 | ⑫雑談
先日,うちの事務所にボスの元依頼者の方からお電話がありました。
息子が逮捕されたので,どうしたらいいか相談にのって欲しいと。
ボスがいないのでとりあえず私が対応することになりました。


【以下,会話】
相談者「息子がちかんということで逮捕されたんですが,どうしたらいいでしょうか?息子は絶対そんなことをするはずないんです。」

(え~!!とうとう私のところにも映画「それでも僕はやってない」と同じ,痴漢えん罪事件が来た~!!どうしよう!!)

私「やったか。やっていないかは実際本人に聞いてみないとわからないと思いますが,とりあえず当番弁護士を一度呼ばれたらどうでしょうか。当番弁護士なら,とりあえず1回目はタダですし,24時間以内に来てくれるので,一番早いですよ。」

(う~。当番弁護士に振っちゃった。でも本人のためには,そっちの方が早くていいかもしれないから,仕方ないね。)

相談者「これからどうなるのでしょうか?どうしたらいいのでしょうか?」

私「とりあえず逮捕されて48時間で,検察に送られ,それから勾留ということになれば,さらに最高20日の身柄拘束を受けます。どちらにせよ,当番弁護士を呼んで下さい。警察行って本人に会えれば本人に呼ばせればいいでしょうが,会えないようなら,親族でも呼べますので,弁護士会に頼めば来てくれます。」

相談者「ちょっと待って下さい。妻に代わります。」

相談者の妻「警察の対応に腹が立っているので聞いて下さい。」

私「はい。」

相談者の妻「警察が,息子の携帯番号を教えろと言うんです。息子の携帯は押収して別のところにあるので,今わからないし,息子に聞いても教えないので,早く教えろというんです。しかし,私は,息子が教えないものは教えられませんと言ったんです。そしたら,そんな態度取っていたら息子がどうなってもしらんぞ。刑事事件になるぞと言って脅すようなことをいうんです。警察がそんなことを言っていいのですか?」

(警察は変なことをいうんだなあ。実際に押収しているなら,それを見たら仕舞だし,別に本人捕まえているなら,携帯番号を聞く必要ないじゃん。)

私「いいとはいえないですが,実際にそういうことを言う警察官もいるかもしれませんね。ところで,息子さんにお会いに警察に行きましたか。」

相談者の妻「まだ,行ってません。しかし,息子が電話口に出てきて,泣いてました。」

私「?!」

(それって・・・・・もしかして・・・例のアレちゃうん?)

私「あの~,それってもしかして『振り込め詐欺』ってことないですか?一度警察署に電話して,息子さんが本当に捕まっているか確認した方がいいのではないですか。」

相談者の妻「え!!一応確認してみます。」

数時間後・・・

相談者の妻「先生。警察に電話したら,『それは振り込め詐欺ですな』と言われました。どうもありがとうございました。」
【会話終了】


とりあえず,一件落着。よかった,よかった。
それにしても,こういうことって本当に結構起きてるんですね。
私もワンクリック詐欺に遭ってますしね。

皆さんも,こういうときは,すぐに冷静に判断できるだれかに相談したほうがいいと思います。
知人などでは恥ずかしい場合には,弁護士に相談すべきでしょうね。弁護士なら守秘義務があるので,他に漏れることないです。
また,普通は,弁護士はこのように電話で簡単に対応することはまずないです。
そういうときのためにも,弁護士を知り合いに持っておいたり,かかりつけのホームドクター的な弁護士(ホームローヤー)を一人でも持っておくことは,ひとつの人生の保険として,大事なことかなと思います。

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