狷介不羈の寄留者TNの日々、沈思黙考

多くの失敗と後悔から得た考え方・捉え方・共感を持つ私が、独り静かに黙想、祈り、悔い改め、常識に囚われず根拠を問う。

「中庸」の下での日本主導「平和と繁栄の回廊」構想はパレスチナ国家独立の妨げになっていないのだろうか?・・・ボイコットでイスラエル不法占領を終わらさなければ不可能である(※私は100%パレスチナを支持)

2018-01-11 13:06:43 | パレスチナ 2018
  (2018/01/12:本ブログ過去の関連記事に記事追加(1本))

 

 

 

 出典(経由):「World Literature Today」https://www.worldliteraturetoday.org/
 




  出典:2015/07/27付・Peninsula Peace and Justice Center(PPJC)
     「Why I Support the BDS Movement Against Israel」









 

 

 

 

 

 出典:ParsToday「パレスチナ・ハマス政治局長、聖地とヨルダン川西岸解放の抵抗運動の開始を宣言」

 2016年7月、小泉純一郎首相(当時)が政権を去る直前になって、パレスチナ自治政府・ヨルダン川西岸地区のヨルダン渓谷での開発プロジェクト、「平和と繁栄の回廊」構想が提案された。小泉首相は2001年4月26日~2006年9月26日まで在任されたが、その間、一貫して、アメリカのジョージ・W・ブッシュ(子)大統領(当時、在任:2001年1月20日~2009年1月20日)の政権と一蓮托生となっていた。アメリカと行動や姿勢、主張等の全てを共にするという事は、アメリカのイスラエル寄りの姿勢、イスラエルを支援する方針にも合わせていた事となる。そのアメリカにおけるユダヤ団体やシオニズム団体の影響力の大きさと、それらに支配されているアメリカの現状に合わせ、また迎合する事からの、「聖域なき構造改革」を掲げながらの施政であったが、最後は良心の咎めが働いたのか、或いは後々にアメリカ寄り、イスラエル寄りに偏向していた事を非難されない様に、中立であるとのイメージを演出するパフォーマンスであったのか、パレスチナ人達の気持ちに同情し共感する様にして、パレスチナ側に益となる提案をされた。
 それは、そのブッシュ政権の後を継いだバラク・オバマ大統領(当時、在任:2009年1月20日~2017年1月20日)にも、似た様な事が見られた。オバマ氏のミドルネームがフセインである通り、オバマ氏の本心はイスラムであるが、大統領在任中は周囲のユダヤ系側近によって拘束され、また前述の通りユダヤ・シオニズム関係の圧力が有る為に、本心の通りには思う様に出来なかった。それでも在任中は歴代大統領とは異なって、当初はイスラエルを全く訪問せず、2013年の再任後に初めてイスラエルを訪問された事からも解る様に、イスラエルから距離を取られていた。そして2015年には、そのイスラエルと敵対関係にあるイランとの核合意も達成された。そして政権を去る事が間近になった2016年末の国連安全保障理事会において、イスラエルの占領地での入植活動の即時停止を求める決議案に対して、オバマ政権のアメリカは棄権し、その決議案は採択された。そして翌年のオバマ氏が大統領としての最後の日に、2015年と2016年に議会で承認されながらもユダヤ系やシオニズム系の反対にあって実行に移せなかった、パレスチナへの2億2,100万ドルの資金の拠出を行った。
 小泉氏の後を継いだ安倍晋三首相の第一次政権(2006年9月26日~2007年9月26日)の時である2007年3月から、その「平和と繁栄の回廊」構想を基とする、パレスチナ自治政府の自立と持続的なインフラの設立を目的とした開発と整備が進められ始めた。そのプロジェクトの中の主要なものとしては、次の3つが有る。

 「持続的農業技術確立のための普及システム強化」
 「ヨルダン渓谷水環境整備計画」(開発調査)
 「農産物加工・物流拠点整備計画」(同)
   ・・・「今年(※2009年)の『早い時期』に農産業団地の基礎インフラ整備に着手することとなっている。」
  (2009年4月4日付・パレスチナの平和を考える会(Palestine Forum Japan):「『平和と繁栄の回廊』が占領政策、とりわけ違法入植地存続を促進する危険等について」より・・・2009年3月6日に神戸YWCAにて行われたODA政策協議会に当会が提出した「回廊構想」に関する議題案。議事録が外務省のウェブサイトに掲載)

 その頃、当のパレスチナ地域では、イスラエルの白人至上主義、バビロニア・タルムード主義、不法占領、アパルトヘイト(人種差別・隔離政策)、基本的人権侵害、差別、嫌がらせ、脅迫、暴力、子供拉致、住宅・農地破壊、傲岸不遜・傲慢無礼な入植者達等に対して抵抗・反抗する為に、またイスラエルから自分達のアイデンティティや自尊心、誇り、道徳、家族、文化、伝統、歴史、そして唯一神(ヤハウェ、アッラー)への信仰心を守る為に、パレスチナは2000年~2005年に第二次インティファーダを行った。そしてイスラエルは、2006年6月28日~11月26日にガザ侵攻、2008年12月27日~2009年1月18日に再びガザ侵攻、2014年7月8日~8月26日に更なるガザ侵攻を行った。ガザ地区の住宅やインフラ、産業等の完全復帰は成されておらず、それどころかイスラエルの封鎖政策が原因で放置せざるを得ない程の状態に置かれている。
 そうして漸く(ようやく)事業が着工され始めたのが、2011年になってからであった。構想の発案からは5年も経っての事であった。2011年は、日本では菅直人首相(当時)の民主党政権であった。その民主党政権は、アメリカの民主党オバマ政権と同様に、グローバリズムを基本としていた事もあってか、その着工にも影響したのかもしれない。その日本の民主党政権は、イルミナティ・フリーメーソンの影響下に在った。しかし私は、何事も是々非々で見る。私はパレスチナ問題に関しては、パレスチナ側に100%偏り、100%反イスラエルである。
 しかし着工されるまでの5年間は、パレスチナとイスラエルとの紛争に加え、イスラエル不法占領下で拡大され続けている植民地内に既に立地して操業してしまっているイスラエル企業や、それに繋がり関係するイスラエルのインフラにその構想が関係してしまうのではないかとの懸念も有り、またそれらイスラエル施設群を避ける意味も有ってか、中々思うようには進める事が出来なかった。資金を提供しても、結局はイスラエル企業に益となる可能性、イスラエルが私腹を肥やす可能性が有った(現在でも同じ)。パレスチナ地域において、イスラエルの企業やインフラ等と完全に関わりなく雇用やその他生活上の事を賄う事が難しい程に、パレスチナ自治政府内に意図的に、分断・分散させる為に、植民地が散蒔かれる様に(ばら撒かれる様に)配置され、増加し拡大され続けている。しかしそのイスラエルの施設をボイコットしなければ、不法占領を容認してしまう事に繋がり、その不法占領が続く事によって、パレスチナ自治政府の自立・独立、正式な国としての昇格は、不可能となる。それ故その構想が、却って、その根本的解決となり得る、イスラエルの占領を終わらせるという事を、妨げてしまうのではないか、という懸念も有った。
 「中庸」(不偏、常同、調和)を掲げる日本の主導の下、パレスチナ自治政府・イスラエル・ヨルダンの4カ国による閣僚級会合により、ヨルダン川西岸のエリコで進められ来た構想の柱である農産業団地整備事業の強化としての「エリコ農産加工団地(JAIP)」は、2015年頃までの4年間程で計1,780万ドル(約21億円)拠出し、太陽光発電・排水管・下水道処理施設等を日本が担い、計3期の内の第1期のインフラ整備がほぼ完了したとの事である。東京ドーム24倍程の面積に全体が稼働すれば、推計7,000人の雇用と、経済効果4,160万ドル(約50億円(※当時(下記)レートによる))が見込まれるとの事である。イスラエル占領による様々な規制が敷かれる中、事業を拡大できずヨルダンへの輸出が唯一残された希望の道であるとパレスチナ貿易センター幹部は言う。また、オーガニック・オリーブ石鹸製造会社の女性経営者は、「日本への輸出が目標」と語る。
 パレスチナ自治政府の2014年の年間予算は37億ドルで、その内約5割がイスラエルが代理徴収した関税の還付金等で、約3割が諸外国からの支援金、残り約2割が自治政府自らが徴収する税収となっている(世界銀行等の調べ)。
 ヨルダン川西岸地区はA・B・C地区に分類されて管理・規制されているのだが、その内、パレスチナ人にとって最も酷い状態とされているC地区は、警察権(治安)と行政権(民生)の両方がイスラエルの管轄となっている。C地区は特にヨルダン川沿いに指定されているのだが、そのC地区の内の、パレスチナ人の使用・立ち入りを禁止するイスラエル軍封鎖地域がヨルダン川渓谷の肥沃な土地や死海等の観光地に指定されている。C地区の規制が緩和された場合、最大34億ドル程の経済効果が見込まれると言う(世界銀行)。「エリコ農産加工団地」の第3期工事はC地区であり、イスラエルの許可が必要となる。C地区でのパレスチナ人の本格的経済拠点は前例が無い。

 旧約聖書・詩篇5章8~9節
  主よ。私を待ち伏せている者がおりますから、
  あなたの義によって私を導いてください。
  私の前に、あなたの道をまっすぐにしてください。
  彼らの口には真実がなく、
  その心には破滅があるのです。
  彼らののどは、開いた墓で、
  彼らはその舌でへつらいを言うのです。

 The Old Testament・The Book of Psalms 5:8~9
  Lead me, Yahweh, in your righteousness
  because of my enemies.
  Make your way straight before my face.
  For there is no faithfulness in their mouth.
  Their heart is destruction.
  Their throat is an open tomb.
  They flatter with their tongue.

 詩篇12章2~4節
  人は互いにうそを話し、
  へつらいのくちびると、二心で話します。
  主が、へつらいのくちびると傲慢の舌とを、
  ことごとく断ち切ってくださいますように。
  彼らはこう言うのです。
  「われらはこの舌で勝つことができる。
  われらのくちびるはわれらのものだ。
  だれが、われらの支配者なのか。」

 The Book of Psalms 12:2~4
  Everyone lies to his neighbor.
  They speak with flattering lips, and with a double heart.
  May Yahweh cut off all flattering lips,
  and the tongue that boasts,
  who have said,
  “With our tongue we will prevail.
  Our lips are our own.
  Who is lord over us?”

 旧約聖書・エレミヤ書9章8~9節
  彼らの舌はとがった矢で、欺きを語る。
  口先では友人に平和を語るが、
  腹の中では待ち伏せを計る。
  これらのために、
  わたしは彼らを罰しないだろうか。
  ――主の御告げ――
  このような国に対して、
  わたしが復讐しないだろうか。」

 The Old Testament・The Book of Jeremiah 9:8~9
  Their tongue is a deadly arrow. It speaks deceit.
  One speaks peaceably to his neighbor with his mouth,
  but in his heart, he waits to ambush him.
  Shouldn’t I punish them
  for these things?”
  says Yahweh.
  “Shouldn’t my soul be avenged
  on a nation such as this?

 新約聖書・ローマ人への手紙16章17~20節
   兄弟たち。私はあなたがたに願います。あなたがたの学んだ教えにそむいて、分裂とつまずきを引き起こす人たちを警戒してください。彼らから遠ざかりなさい。
  そういう人たちは、私たちの主キリストに仕えないで、自分の欲に仕えているのです。彼らは、なめらかなことば、へつらいのことばをもって純朴な人たちの心をだましているのです。
  あなたがたの従順はすべての人に知られているので、私はあなたがたのことを喜んでいます。しかし、私は、あなたがたが善にはさとく、悪にはうとくあってほしい、と望んでいます。
  平和の神は、すみやかに、あなたがたの足でサタンを踏み砕いてくださいます。
   どうか、私たちの主イエスの恵みが、あなたがたとともにありますように。

     ※(自分の)「欲」= 直訳:(自分の)「腹」

The New Testament・The Epistle to the Romans 16:17~20
    Now I beg you, brothers, look out for those who are causing the divisions and occasions of stumbling, contrary to the doctrine which you learned, and turn away from them.
  For those who are such don’t serve our Lord, Jesus Christ, but their own belly; and by their smooth and flattering speech, they deceive the hearts of the innocent.
  For your obedience has become known to all. I rejoice therefore over you. But I desire to have you wise in that which is good, but innocent in that which is evil.
  And the God of peace will quickly crush Satan under your feet.
   The grace of our Lord Jesus Christ be with you.
  
 本ブログ過去の関連記事
  ・2013/05/24付:「世界支配権力の欲望の犠牲になる末端の人々&平和ボケの日本人・・・シリア内戦:反政府勢力が間違いで政府が正しい(3)」
  ・2013/09/01付:「日本はシリア攻撃に向かう悪の米国に手を貸してはならない・・・10年前開戦のイラク戦争での大量破壊兵器『虚構』再現の恐れ」
  ・2013/09/05付:「原爆等の大量破壊兵器を使い続けて来た米国に媚びへつらい続ける日本・・・米国・仏国・NATOの偽善と偽旗工作、米国内で化学兵器使用証拠の捏造、日本は『自立』して『大人』になる事が必要」
  ・2014/08/08付:「日本は欧米と共にイスラエル犯罪の共犯と見なされている・・・イスラエルのガザ侵略・パレスチナ人に対する虐殺と人権蹂躙(4)」
  ・2014/08/26付:「日本はパレスチナ人・中東の人々から眠っている様に見られている・・・イスラエルのガザ侵略・パレスチナ人に対する虐殺と人権蹂躙(14)」
  ・2016/10/16付:「日本はデフレ脱却・防衛力強化の為にイスラエルと連携しパレスチナ人を犠牲にするのか・・・差別・人権侵害と、中庸どころかパレスチナ側に偏ったとしても未だまだ不足する経済格差」
  ・2016/10/16付:「終末期、偽ユダヤ人達への天罰・・・そもそも根本的にイスラエル支配階級のカザール人はシオニズムとは無関係、パレスチナ人の中にこそ契約の民・本当のユダヤ人が」
  ・2016/10/16付:「欧米との石油利権で腐敗するサウジへ911テロの自身の犯罪をすり替えるイスラエル・米国・・・日本はイエメン殺戮に手を貸すのか」
  ・2017/03/29付:「給料や雇用、自分の生活の為にはパレスチナ人をはじめとした弱者を犠牲にするのか」
  ・2017/04/07付:「主流メディアに騙されているトランプ大統領と日本人に送る、『シリア・アサド大統領の正論』・・・結局、歴代アメリカ大統領と同じくユダヤ・イルミナティ・フリーメーソンの操り人形と化すのか」
  ・2017/04/11付:「『反米』である私は弱者を犠牲にしたエゴイズムの安全保障・国益はいらない・・・無罪のシリア政権とシリア軍、シリア国民、パレスチナ人への『相互協力・独立尊重』が日本に必要である」 
  ・2017/04/11付:「北朝鮮とアメリカとの核戦争、そのとき日本人はどうするのか・・・『白人至上主義』米国は前衛日本の犠牲を厭わない。しかし神である主イエス・キリストはアジア人。日本に神の選民の存在」
  ・2017/04/27付:「『約束の日 安倍晋三試論』を読む・・・官僚との闘い、挫折、そして復活した現在、高い理念と志を基に長期安定政権の中、美しい国創設と憲法改正実現の向こうにある国家独立に向け前進する」
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  ・2017/12/25付:「アメリカ・トランプ政権に送る、エルサレムをイスラエル首都との承認に対する世界中の反対・抗議・撤回要求声明の数々(9)・・・米国から脱却し始めた日本、無関心・他人事の大衆、駐日パレスチナ代表の切実な思い」
  ・本ブログ・カテゴリー:「パレスチナ 2012~2017」
  ・本ブログ・カテゴリー:「パレスチナ 2018~」
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  ・本ブログ・ブックマーク:「アメリカ・トランプ政権に送る、エルサレムをイスラエルの首都と承認した決定に対する世界中の反対・抗議・撤回要求声明の数々 2017」

 (2018/01/12:次の記事追加(1本))
  ・2018/01/10付:「“Shill” for Fake Israel and Fake Jews・・・タルムード・ユダヤに支配されている政界・メディア・キリスト教界、提灯持ち・さくらの政治家・ジャーナリスト・クリスチャン」

 参考文献
  ・2009/04/04付・パレスチナの平和を考える会(Palestine Forum Japan):「『平和と繁栄の回廊』が占領政策、とりわけ違法入植地存続を促進する危険等について」
  ・2016/01/05付・毎日新聞:「パレスチナ 日本援助の工場、オリーブ加工品製造開始」
  ・2016/01/06付・毎日新聞:「パレスチナ 平和と繁栄のオリーブ 日本援助の工場、加工品製造開始 『地域安定の手段に』」

 関連文献
  ・パレスチナ情報センター:「イスラエル支援議員リスト 国会議員によるイスラエルに関する言動集」
  ・パレスチナ情報センター:「特集 『平和と繁栄の回廊』構想 日本政府のヨルダン渓谷開発援助計画について」

 引用文献
  ・新改訳聖書(発行:日本聖書刊行会)
  ・World English Bible(eBible.org)

 

 

 

 出典:INDEPENDENT「Al Quds Day: Protesters burn flags and chant 'death to Israel' at annual rallies held across Iran」
 

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