狷介不羈の寄留者TNの日々、沈思黙考

多くの失敗と後悔から得た考え方・捉え方・共感を持つ私が、独り静かに黙想、祈り、悔い改め、常識に囚われず根拠を問う。

キリスト者・李登輝元総統と新渡戸稲造氏がアウフヘーベンした「キリスト武士道」・・・「『武士道』解題 ノーブレス・オブリージュとは」を読む

2017-05-13 23:57:04 | 歴史・伝統・文化
 次の本を読む。
「『武士道』解題 ノーブレス・オブリージュとは」(著者:李登輝氏、出版社:小学館、出版日:2006/05/01)(単行本 - 出版社:小学館、出版日:2003/04)

 キリスト者(クリスチャン)である著者の元・中華民国(台湾)総統・李登輝氏。優秀な事で有名な、「東洋のユダヤ人」と呼ばれる「客家」でもある。西洋や日本の数多くの先人の哲学書を読み熟されて来たが故の教養と知識の豊かさ・深さと、イエスキリストへの信仰心をベースにした独自の視点からの捉え方により、同じキリスト者である新渡戸稲造氏の著した「武士道」を、本書にて読み解き明かし述べている。日本の明治維新後の近代化において、特に西欧列強諸国に日本の理解を深めてもらう為の海外への発信材料として、当時、英語「武士道」が出版された。
 その「武士道」を著した新渡戸稲造氏は、イエス・キリスト武士道をセットにして、「キリスト武士道」を唱えた。著書「武士道」は正に、止揚(アウフヘーベン)した「キリスト武士道」の内容となっている。しかし元々から、不文律の武士道陽明学には、新約聖書的な内容が含まれていると、著書「武士道」の中で述べる。また、札幌農学校で同期生として共に学び、同じくキリスト者である内村鑑三氏も、「代表的日本人」英語で著し、同じく海外に発信した。そして内村氏は、「愛国は人性の至誠なり」と唱えて、イエス・キリスト(Jesus)日本国(Japan)「二つのJ」をセットにした、「キリスト愛国」を唱えた。また、内村氏は新渡戸氏と同様に、「キリスト武士道」を次の様に表現した。

 「武士道の台本に基督教を接いだ物、其物は世界最善の産物であって、之に日本国のみならず全世界を救ふ能力がある」(内村鑑三氏著「英和独語集」より、本書経由)

 「キリスト武士道」精神の下、第一次世界大戦後のパリ講和会議にて、日本は「人種差別撤廃法案」を国連に提出した。11対5の賛成多数で可決されたものの、アメリカのウィルソン議長(米大統領)が全会不一致を理由にして、採決を無効とし、法案を成立させなかった。また大東亜戦争によって、白人欧米列強の白人至上主義によって差別的・奴隷的植民地とされていたアジア各国を解放して独立させ、その上での大東亜会議において、大東亜共同宣言「相互協力・独立尊重」を、アジア各国と共に宣言した。また、日韓合邦(日韓併合)時代に、日本が朝鮮半島に学校、病院、裁判所、橋梁、発電ダム等を建造し、鉄道を敷き、港湾や道路を整備して、朝鮮半島のインフラを近代化した。日本は朝鮮を一応形としては植民地として統治したが、白人の西欧列強諸国によるアジアやアフリカにおける搾取・掠奪・奴隷化の植民地政策とは全く異なり、日本は朝鮮に対して投資するばかり、与えるばかりで、日本は朝鮮に対しては赤字収支であり、却って日本の方こそが犠牲となっていた
 内村鑑三氏は「無教会主義」を唱え、新渡戸稲造氏も祭司無く装飾も無い極めて質素で小さな集会所でのクエーカー派であった。キリスト者である両者は共に、特に西欧の大きく組織化しているキリスト教団体とは距離を置き、堕落し世俗化しリベラル化しているキリスト教界を否定し批判した。
 著者・李登輝元総統の2歳年上の兄は、日本軍に従軍して戦死し、靖国神社に合祀されているのだが、キリスト者である著者は、当然にして靖国参拝を希望していたのだが、日中関係を優先する日本政府の方針から日本への公式訪問も儘ならなかった事から、実現する事が出来ないでいた。しかし、本書の文庫版発行の翌年2007年に、観光目的で来日した際に靖国神社参拝を実現させ、「兄の霊を守ってくれることに感謝している」(ウィキペディア「李登輝」より)と、神社に対し謝礼を述べた。
 靖国神社参拝について、昭和54年(1979年)に同じくキリスト者である大平正芳首相(当時)が、総理大臣として靖国神社公式参拝を行った。大平首相は、「『A級戦犯』及び大東亜戦争に対する審判は歴史が下すのに任せる、人がどう見ようと私は私の気持ちで参拝に行く」と延べ、慰霊の為、慰謝の為、世俗目的の為に、周囲の人にどの様に思われようとも、自分の気持ちに素直に、自分の信念に則って、堂々と公式参拝を果たした。そして大平首相は、日本の後世の人達による正しい歴史認識による日本の歴史修正によって、この参拝がはっきり認められる時が来る事を信じ期待していた。その公式参拝について、支那(中国)からの抗議は、当時は全く無かった。
 因みに、政教分離について憲法に明確に定義されておらず、また最高裁判所において「目的効果基準」を基に、靖国神社の公式参拝は慰霊・慰謝の世俗目的の為であり、宗教的意義は希薄であり、それによる効果で特定宗教を利する事にはならないと判断して、「合憲」を示されている。欧米各国は、国家と宗教組織・団体を分離し、国家と宗教そのものとは分離していない。つまり、state(国家)である政府や権力機関が特定の宗教組織と結びつく事を禁止する事に留まり、nation(国家)である国民、共同体は宗教を排除する必要は無い(参考:百地章氏著「憲法の常識 常識の憲法」(文藝春秋))。
 本書出版当時、アメリカ同時多発テロ事件(911)、米国によるアフガニスタン侵攻とイラク侵攻、新世界秩序(NWO)、金融至上主義と金融グローバル化、また日本の金融規制緩和や金融改革、国際金融資本・外資系・多国籍企業参入、構造改革、ゆとり教育、フェミニズム、リベラリズムが在り、更に支那(中国)や韓国からの靖国参拝や教科書検定等に対する内政干渉、領土問題、反日・歴史認識等における外交敗北、国内のマスコミ等による反日・スパイ活動、米国の圧力等と、日本がグローバリズムの波に呑まれかけ、外圧に抑えられ様とし、国家の存亡も危機に瀕していた。
 その危機的状況を乗り越えて、日本国と日本人が生き残る為に必要なものとして、日本の伝統的精神「武士道」を、親日家で却って一般的な日本人よりも日本の事を理解しておられる著者が、警世の意味も込めて勧められている。自虐史観による対外的に媚び諛う外交や、政治家や官僚の慇懃無礼卑屈な態度、国民の愛国心自尊心、誇りの希薄さと、戦後の日本人が精神的に堕落してしまい、唯心論から唯物論に、拝物・拝金主義に陥ってしまった事に、その危機的状況を招いた原因が有る。武士道は、世界的なグローバリズムに対抗して、日本独自の歴史・伝統・文化・日本精神・大和魂・愛国心・民族的自尊心と自信、それらを守る為の規範・精神・土台となるものである。
 現在の困難な時代に「いかに生くべきか」という問いに対し、日本の伝統的精神「武士道」を道徳規範として今一度、日本人が見直すべき事を強調する。そして、著者、新渡戸稲造氏、内村鑑三氏が共有する、イエス・キリストの教えとキリストへの信仰を併せた、「キリスト武士道」と「キリスト愛国」の精神が、大東亜共同宣言「相互協力・独立尊重」を、世界での各国間の関係に於いて実現されうる事を思う。

 「道は天地自然のものにして、人はこれを行うものなれば、天を敬するを目的とす。天は人も我も同一に愛したもう故、我を愛する心をもって人を愛するなり。人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして己を尽し人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ぬべし」西郷隆盛氏著「西郷南洲遺訓」より、本書中「武士道」経由)

 著者は戦前の日本の教養教育を受ける中で思索し、読書を通じて公義死生観を学んだと言う。日本のを含めた多くの先哲から学び、精神的な涵養・内省を行ったと言う。数多くの形而上学的哲学を学び、イマニュエル・カント「純粋理性批判」「実践理性批判」判断指針にしていたが、やがてその「批判哲学」から、陽明学「知行合一」「実践躬行」へと変わっていったと言う。
 「武士道」「義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義・克己」、「自害・切腹・仇討ち(復仇)」、武士と武家の婦人の教育等について熟読して解いておられる。
 「義」は、公の為に用いるべく「公義」を意味し、私利私欲の無いものと言う。「公義」「公的義務」「義務」「義の務め」「義理」・「道義」「正義の道理」が、本来の意味であると言う。
 「勇」は、「敢為堅忍」がセットになっていない場合には、容易く卑怯な行為に用いられうると言う。自衛の為、大切なものを守る為、自害・切腹、仇討ち等、忍耐・我慢を伴った末の「やむにやまれぬ」気持ちに至った上で、一矢報いる命懸けの気概の勇気であると言う。
 「仁」は、惻隠の心で弱者に共感・同情し、敵に塩を送り、相手の立場になって考える事であると言う。「誠」「言が成る」という意味で、二言・二枚舌・虚言遁辞を否定し、信実・名誉・高い地位を表す。「克己」は、運命を受け入れ、感情を抑制し、実践道徳下、ストイックに、反省を伴うものと言う。「忠義」公の為の忠であり、決して媚び諂い卑屈になって従うのでは無く、「勇」を持って諫言・忠告する事も必要であると言う。また迎合する事は、「名誉」に反するものと言う。
 「武士は食わねど高楊枝」と言われた様に、武士は非経済的身分であった。高貴な身分故に、霊的勤労清貧、道徳を旨とし、一般大衆よりも高い道徳が求められて大衆の模範となり、自分を律した。外見的ストイックで無表情となり、やせ我慢であったと言う。また死を恐れず、命や金に執着せず、現世の生死を超越した永遠の魂を見据えたと言う。
 「餅は餅屋」と言う様に、女性は家事や家庭を守る事が役割であり、男性と女性を比較しての値打ちの違いと言うものは無く、差別でも無く、差異であり区別であると言う。そして、現在世界的に流布されているフェミニズムについて、悪平等と批判する。

 本書より(著者の言葉)
 「また、王陽明の言う『行』の概念は幅が広く、人間の心の働き、たとえば好悪の情や心に兆す意欲・思念なども『行』に含まれる、と主張しました。『行』は当然、道徳的規範に合致していなければならず、そこでは行動として外に表れた不善だけでなく、心内の思念の不善をも克服する厳しさが求められます。これらを実現する心が、王陽明の言う『良知』なのです。」

 「新渡戸稲造先生は、陽明学の中にある短所には十分に配慮しながらも、その根本精神キリスト教に根ざした新しい西欧の思潮にさまざまな点で合致している部分に着目し、『武士道』を世界に宣布する上での大きな理論的根拠を提供したのです。」

 「『封建制の政治は武断主義に堕落しやすい』
 という新渡戸先生が最も懸念していた“悪例”・・・…(後略)」

 「弱者、劣者、敗者に対する仁は、特に武士に適わしき徳として賞讃せられた。」

 「(前略)……新渡戸稲造先生は、
 『武士道は非経済的である』
 と直截に明言しています。なぜならば、『武士』という身分は報酬や金など全く期待しない、いや期待してはいけない仕事に身を捧げた人々だととらえているからです。……(後略)」

 本書より(著者の言葉と「武士道」引用文)
 「《女子がその夫、家庭ならびに家族のために身を棄つるは、男子が主君と国とのために身を棄つると同様に、喜んでかつ立派になされた。…(中略)…
 女子が男子の奴隷でなかったことは、彼女の夫が封建君主の奴隷でなかったと同様である。女子の果たしたる役割は、内助すなわち『内側の助け』であった。奉仕の上昇階段に立ちて、女子は男子のために己を棄て、これにより男子をして主君のために己を棄つるをえしめ、主君はまたこれによって天に従わんがためであった。
 私はこの教訓の欠陥を知っている。またキリスト教の優越は、生きとし生ける人間各自に向かって創造者に対する直接の責任を要求する点に、最も善く現われていることを知る。
 しかるにもかかわらず、奉仕の教義に関する限り ― 自己の個性をさえ犠牲にして己よりも高き目的に仕えること、すなわちキリストの教えの中最大であり彼の使命の神聖なる基調をなしたる奉仕の教義 ― これに関する限りにおいて、武士道は永遠の真理に基づいたのである》
 これは、女性を大事にしろ、という意味ではありません。婦人には婦人の役割、男性には男性の役割がある。婦人が役割を果たすべきところは『キッチン』である。『台所』である。それから、男が役割を果たすところは『戦場』である。それぞれのところで自分に課せられた役割を果たすのだから、どちらが偉いなどという問題ではないそれぞれの役割を果たしているという意味において『平等』である、ということを言っているのであって、何でもかんでも一緒くたにして『差別』だなどと皮相なスローガンを叫び立てていた戦後の『悪平等』論などとは似て非なるものなのです。
 《もし私の言が武士道の下における婦人の地位に関し甚だ低き評価を人にいだかしめたとすれば、私は歴史的真理に対し大なる不正を冒すものである。
 私は女子が男子と同等に待遇せられなかった、と述べるに躊躇しない。しかしながら、吾人が差異不平等との区別を学ばざる限り、この問題についての誤解を常に免れないであろう》」

 新渡戸稲造氏著「武士道」より(本書経由。尚、著者による本文中の( )内の註解は省略)
 「まず、仏教から始めよう。
 運命に任すという平静なる感覚、不可避に対する静かなる服従、危険災禍に直面してのストイック的なる沈着、生を賤しみ死を親しむる心、仏教は武士道に対してこれらを寄与した。」

 「西洋の読者は、王陽明の著述の中に『新約聖書』との類似点の多いことを容易に見いだすであろう。特殊なる用語上の差異さえ認めれば、
 『まず、神の国と神の義とを求めよ、さらばすべてこれらの物は汝らに加えらるべし』という言は、王陽明のほとんどいずれのページにも見いだされうる思想である」
   (※「まず、神の国と・・・・・・」:新約聖書・マタイの福音書6章33節

 「(前略)・・・・・・或る著名の武士はこれを定義して決断力となした、曰く、『義は勇の相手にて裁断の心なり。道理に任せて決心して猶予せざる心をいうなり。死すべき場合に死し、討つべき場合に討つことなり』」
   (※「或る著名の武士」:林子平、1738~1793、江戸後期の経世家)

 「・・・(前略)・・・我が国民の大衆教育上しばしば引用せられる四十七人の忠臣は、俗に四十七義士として知られているのである。
 ややともすれば詐術が戦術として通用し、虚偽が兵略として通用した時代にありて、この真率正直なる男らしき徳は、最大の光輝をもって輝いた宝石であり、人の最も高く賞讃したるところである。
 義と勇とは双生児の兄弟であって、共に武徳である。…(中略)…義理という文字は『正義の道理』の意味であるが、…(中略)…その本来の純粋なる意味においては、義理は単純明瞭なる義務を意味した…(中略)…
 何となれば、義務とは『正義の道理』が我々になすことを要求し、かつ命令するところ以外の何ものでもないではないか。『正義の道理』は我々の絶対命令であるべきではないか。・・・…
 …(中略)…
 ・・・…自然の情愛はしばしば恣意的人工的なる習慣に屈服しなければならなかったような、人為的社会の諸条件から生まれでたものである。
 正にこの人為性の故に義理は時をへるうちに堕落して、・・・…
 …(中略)…
 もし鋭敏にして正しき勇気感、敢為堅忍の精神が武士道になかったならば、義理はたやすく卑怯者の巣と化したであろう
  (※「絶対命令」:カント倫理学における「定言命令」。『を行うのに条件付きではなく無条件に、ただ道徳法則の命令のままに断行する』)

 「勇気は、義のために行われるのでなければ、徳の中に数えられるにほとんど値しない。・・・…
 …(中略)…
 ・・・…水戸の義公も、
 『戦場に掛け入りて討死するはいとやすき業にていかなる無下の者にてもなしえらるべし。生くべき時は生き死すべき時にのみ死するを真の勇とはいうなり
 と言っている。
 西洋において道徳的勇気肉体的勇気との間に立てられた区別は、我が国民の間にありても久しき前から認められていた。・・・…
 …(中略)…
 我慢と勇気の話はお伽ばなしの中にもたくさんある。しかし少年に対し敢為自若の精神を鼓吹する方法は、決してこれらの物語に尽きなかった。時には残酷と思われるほどの厳しさをもって、親は子供の胆力を練磨した。
 『獅子はその児を千仞の谷に落す』
 と彼らは言った。武士の子は艱難の嶮しき谷へ投ぜられ、…(中略)…時としては食物を与えず、もしくは寒気に曝すことも、忍耐を学ばしむるに極めて有効なる試練であると考えられた。・・・…(後略)」
  (※「水戸の義公」:徳川光圀、1628~1700、水戸藩・二代藩主、「水戸黄門」)

 「日本において武士階級の間に優雅の風が養われたのは、薩摩だけのことではない。白河楽翁公が心に浮かぶままを書き記せる随筆の中に、次のような言葉がある。
 『枕に通うとも咎なきものは花の香り、遠寺の鐘、夜の虫の音はことに哀れなり』。
 また曰く、
 『憎くとも宥すべきは花の風、月の雲、うちつけに争う人はゆるすのみかは』
 これらの優美なる感情を外に表現するため、否むしろ内に涵養するがため、武士の間に詩歌が奨励せられた。それ故に、我が国の詩歌には悲壮と優雅の強き底流がある』
  (※「白河楽翁公」:松平定信、1758~1829、白河藩主、幕府老中、「寛政の改革」)

 「虚言遁辞は、ともに卑怯と看做された。武士の高き社会的地位は、百姓町人よりも高き信実の標準を要求した。
 …(中略)…
 武士は然諾を重んじ、その約束は一般に証書にとらずして結ばれ、かつ履行せられた。証文を書くことは、彼の品位に適わしくないと考えられた
 『二言』すなわち『二枚舌』をば、死によって償いたる多くの物語が伝わっている。
 信実を重んずることかくのごとく高く、したがって真個の武士は、誓いをなすをもって彼らの名誉を引き下げるものと考えた。
 この点、一般のキリスト教徒が彼らの主の『誓うなかれ』という明白なる命令を、絶えず破っているのとは異なる。
 …(中略)…
 言を強めるためにしばしば文字通り血をもって判した。・・・…(後略)」
  (※「誓うなかれ」:新約聖書・マタイの福音書5章34節
    「しかし、わたしはあなたがたに言います。決して誓ってはいけません。すなわち、天をさして誓ってはいけません。そこは神の御座だからです。」)

 「武士道は、我々の良心を主君の奴隷となすべきことを要求しなかった。・・・…
 …(中略)…
 主君の気紛れの意思、もしくは妄念邪想のために自己の良心を犠牲にする者に対しては、武士道は低き評価を与えた
 かかる者は、「佞臣」すなわち腹黒き阿諛をもって気に入ることを求むる奸徒として、或いは「寵臣」すなわち卑屈なる追従によりて主君の愛を盗む嬖臣として賤しめられた。
 …(中略)…
 臣が君と意見を異にする場合、彼の取るべき忠義の途は、リア王に仕えしケントのごとく、あらゆる手段をつくして君の非を正すにあった
 容れられざる時は、主君をして欲するがままに我を処置せしめよ。かかる場合において、自己の血を濺いで言の誠実を表わし、これによって主君の明智と良心に対し最後の訴えをなすは、武士の常としたるところであった
 生命は、これをもって主君に仕うべき手段なりと考えられ、しかしてその理想は名誉に置かれた。したがって、武士の教育ならびに訓練の全体は、これに基づいて行なわれたのである」
  (※「リア王に仕えしケント」:シェイクスピア「リア王」の「無類の忠臣」。「主君に諫言するときは命がけで忠告する勇気も持ち合わせていた」)

 「武士の教育において守るべき第一の点は、品性を建つるにあり、思慮、知識、弁論等の知的才能は重んぜられなかった」

 「かくのごとく金銭と金銭慾とを力めて無視したるにより、武士道は金銭に基づく凡百の弊害から久しく自由であることをえた。これは我が国の公吏が久しく腐敗から自由であった事実を証明する十分なる理由である。しかしああ!現代における拝金思想の増大何ぞそれ速やかなるや。
 ・・・(中略)…
 知識でなく品性が、頭脳でなく霊魂が琢磨啓発の素材として選ばれる時、教師の職業は神聖なる性質を帯びる。
 ・・・(中略)…
 あらゆる種類の仕事に対し報酬を与える現代の制度は、武士道の信奉者の間には行なわれなかった。金銭なく価格なくしてのみなされうる仕事のあることを、武士道は信じた
 僧侶の仕事にせよ、教師の仕事にせよ、霊的の勤労は金銀をもって支払わるべきでなかった。価値がないからではない、評価しえざるが故であった」

 「武士が感情を面に現わすは男らしくないと考えられた。『喜怒色に現わさず』とは、偉大なる人物を評する場合に用いらるる句であった。
 最も自然的なる愛情も抑制せられた。・・・(中略)…私室においてはともかく、他人の面前にてこれをなさなかったのである」

 「克己の修養はその度を過ごしやすい。それは霊魂の潑剌たる流れを抑圧することがありうる。それはすなおなる天性を歪めて偏狭畸形となすことがありうる。それは頑固を生み、偽善を培い、情感を鈍らすことがありうる。……(後略)」

「(前略)……娘としては父のために、妻としては夫のために、母としては子のために、女子は己を犠牲にした。」

「(前略)……父や夫が戦場に出て不在なる時、家事を治むるはまったく母や妻の手に委ねられた。幼者の教育、その防衛すらも、彼らに託された。私が前に述べたる婦人の武芸のごときも、主として子女の教育を賢しく指導するをえんがためであった」

 本ブログ過去の関連記事
  ・2016/07/21付:「クリスチャン内村鑑三・新渡戸稲造は愛国者であった・・・『三つのJ』、武士道精神、契約の民の末裔、歴史修正の必要性、慰霊・慰謝の靖国公式参拝の正当性」
  ・2017/04/23付:「『一億総町人化』『護憲の軍隊』、死を賭す覚悟の無さ、後の永遠を軽視、独立自尊精神の欠如、国家存亡危機、……自分の命を犠牲にし日本精神・魂を遺した三島由紀夫氏の警世・・・『若きサムライのために』を読む」
  ・2017/05/11付:「武士道・自害・切腹に見る日本の伝統的精神性と神道による宗教性、『男系男子』を貫く日本の皇室とユダヤの祭司の血統・・・『驚くほど似ている 日本人とユダヤ人』を読む」




「『武士道』解題 ノーブレス・オブリージュとは」 「『武士道』解題 ノーブレス・オブリージュとは」
   (著者:李登輝氏、出版社:小学館、出版日:2006/05/01)
   (単行本 - 出版社:小学館、出版日:2003/04)

武士道・自害・切腹に見る日本の伝統的精神性と神道による宗教性、「男系男子」を貫く日本の皇室とユダヤの祭司の血統・・・「驚くほど似ている 日本人とユダヤ人」を読む

2017-05-11 03:10:05 | 歴史・伝統・文化
 次の本を読む。
 「驚くほど似ている 日本人とユダヤ人」(著者:エリ・コーヘン氏、訳者:青木偉作氏、出版社:中経出版、出版日:2008/02/06)(単行本「大使が書いた日本人とユダヤ人」 ―出版社:中経出版、出版日:2006/08)

 「祭司」の意味を持つ、ヘブライ語の「コヘン」を名字に持つ著者は、地中海沿いの北アフリカ・チュニジアに先祖を持つ、「血統的」ユダヤ人である。若い頃から空手・武道にて心身の修練を重ね、宮本武蔵の著した「五輪書」を読み、正統派ユダヤ教徒として旧約聖書を読む。そして2004年から2007年にかけては、駐日イスラエル大使として日本に駐在された。著者はこれらを通して、日本とユダヤの伝統・文化が非常に似ている事を見抜き、日本に自身と同じ「血統的」ユダヤ人の子孫が存在している事を確信しておられる。その上で、著者は「親日ユダヤ人」である。
 本書は、第7章までの250ページが有る中で、第1・2章の「武士道精神」、「自害、切腹」と言う、日本の伝統的な精神性について述べたものが2/5程を占めており、それを巻頭に持って来ている。また、第3章の「神道とユダヤ教」と言う霊性・宗教性についてのものと併せると3/5程にもなり、著者が古来からの日本精神・大和魂・武士道精神を評価して、その日本の精神性・心性・霊性・宗教性を重視する考えが伺える。
 著者は大使の他、政治家、社長等も務めて来られたが、日本の武道と「武士道」を通じて、人生哲学、生き方、考え方、身の修め方、道徳、陰徳、質素礼節、献身、施し、使命感、責任感等を学び、多大な影響を受けたと述べている。己を克服し、死を恐れず、義の務めとして大切なものを守る為には自分の命も惜しまず犠牲にし、その私心の無い精神の果てに存在する本当の自信、冷静・不動・平安な心、「武士道」「義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義・克己」を、心身の鍛錬・集中稽古によって会得された。
 日本の「武士道」をはじめとする精神性に共感するだけで無く、鍛え上げた事によって得た目利き・洞察力を持って、日本の伝統・文化への共感と同時に数々のユダヤとの共通性を見い出されたが、その中でも、日本の天皇・皇室の皇胤(天皇の血統、皇統、皇裔)と、ユダヤの祭司の家系が、共に「男系男子」であると言う重要性を挙げておられる。因みに、現在のイスラエル国家はリベラル的政策の下でユダヤ人とする定義を「宗教的」と「母系」を含める様に変えてしまっているが、本来の伝統的なユダヤ人であるとする定義も「血統的」な「男系」であったのである。創造主である唯一の神の選民である「血統的」ユダヤ人と、古代ユダヤの指導者・預言者モーセの兄アロンの「男系男子」の血統の祭司、その血統を同じくする日本の神道大祭司の皇胤が、この世における「天命」を全うする為に、自身の「世俗的」人権・自由を犠牲にして、国民と「超越者」である神との間に立つ媒介者・祭司となっておられる事が、「男系男子」の根底の意味を成しているのである。
 人それぞれの生命は創造主の持ち物である為に、それを勝手に殺める事は罪となる為に、自殺も勿論、罪となる。しかし、「武士道」における「自害」、「切腹」はその単純で安易な自殺とは異なる。単なる自殺の場合、生命の所有者・創造主に対して罪を犯すだけではなく、不遇・困難な状況から安易に逃れる事や、責任逃れ、使命・運命・天命からの逃避等と、却って卑怯な行為と捉える事が出来る。一方の「武士道」「自害」、「切腹」は、冷静沈着な上で忍耐の末の「やむにやまれぬ」気持ちから、家族・大切な人・民族・国家・伝統・文化・日本精神・魂・誇り・信仰・独自性等を守る為の捧命・自己犠牲・殉死・殉教、責任を取る事、名誉、命懸け、仇討ち等において行われた。それらは単なる自殺とは全く異なるものと捉えられ、旧約聖書を規範に持つ著者もその事を肯定している。例として、大東亜戦争における日本の特攻隊、忠義・清廉で「七生報国」を誓いあった楠木正成・正季兄弟、ユダヤで英雄とされているエリエゼル・マカウィ(B.C.164年)、マッサダ、旧約聖書に登場するユダヤの初代王サウルと士師記のサムソンを挙げる。紀元70年のエルサレム陥落前後、ローマ軍とのユダヤ戦争の末期における、マッサダにおけるユダヤ人の集団自決は、奴隷になって侮辱される事を選ばず、自由戦士として潔く死を選んだ

 吉田松陰
  「かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂」

 葉隠
  「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」

 新約聖書・ヨハネの福音書12章24・25節
  「まことに、まことに、あなたがたに告げます。一粒の麦がもし地に落ちて死ななければ、それは一つのままです。しかし、もし死ねば、豊かな実を結びます。
  自分のいのちを愛する者はそれを失い、この世でそのいのちを憎む者はそれを保って永遠のいのちに至るのです。」

 旧約聖書・箴言24章16節
  「正しい者は七たび倒れても
  また起き上がるからだ。
  悪者はつまずいて滅びる。」
    ・・・楠木正成・正季「七生報国」

 船越義珍氏著「空手道教範」(英文書)より(本書経由)
  「日々感謝し、質素礼節を旨とせよ。しかし、一旦緩急あれば正義のために身を惜しむな

 日本人は無宗教の人たちが多いと一般的には言われているが、著者が客観的に日本を眺めた所、生活習慣、しきたり、儀式、伝統、文化等に宗教性、神道的なものが含まれており、無意識の内にその宗教的、霊的な事を行っていると言う。そして、先祖から潜在意識として、その独自性を受け継いでいると言う。穢れを清めて新年を迎え、古きを葬り蘇生する屠蘇を正月に頂く事、その他、初詣、地鎮祭、節分、七五三等と、伝統的行事神道的要素が根底に流れていると言う。また昔の成人式としての元服は、ユダヤ教と同じ13歳頃に行われていた。日本人には、その神道と武士道とをセットにした、独特の精神性が存在する。
 その神道神社には、ユダヤと共通するものが多く有ると言う。水・酒・塩・米を聖別し、参拝や食事前に手を洗う事(手水舎)や斎戒沐浴は、禊ぎ、清めの行為である事、伊勢神宮、三種の神器、神宮装束、神明造、偶像無き事など。また、諏訪大社守屋山と、7年に1度の御柱祭と、昔行われていた御頭祭の「イサク奉献」(旧約聖書・創世記22章1~14節)と鹿の肉。剣山磐境近くの白人神社と、忌部氏の作る大嘗祭の麁服(あらたえ)と、倭大国魂神社の神紋のメノラー。
 日本とユダヤ共通のものとして、西洋文化に同化せぬ様に排他的に、家族・民族の枠を大事にしてその独自性を守る事、先祖を敬う事、年配者を敬う事、そして、家事・子育てが妻の役割とした夫婦の役割分担を行う事を挙げる。ユダヤ人がディアスポラとなって多民族の中に在った事から、その民族としての固有性・独自性・純粋・純血を守る為に、民族として孤独を守り続けた事と、一方の日本は島国で、大陸・隣国から離れて干渉を受ける事無く、国として個を守れていた事。信仰・民族・国家の三つを一つにして守る事が必要である事を言う。
 ユダヤ人が日本人と異なる点として、疑問・質問・反論・理屈・議論を挙げ、序列を好まず、枠を嫌い、思想の独立を好む。ただ一方で神や律法の宗教上の枠を守り、その内なる葛藤が在ると言う。また、現在のイスラエルが水不足でありながらも農業が自給出来ているどころか、輸出まで出来ている事を述べる。
 日本は地震大国であるが、イスラエルは現在の所は小地震が起こるのみとなっている。しかし、シリア・アフリカ地溝帯の真上に在る事から、ヨルダン渓谷や死海が形成された様に、今後の地殻変動によって大地震が起こる可能性を指摘し、その為の「心の準備」が必要であると言う。
 そして、神の選民であるユダヤ人が、道徳的・信仰的に適った生き方や、「神のメッセージを伝える使命」を自覚して、それを行うべき事を述べる。
 因みにユダヤ教においては、 トーラー(旧約聖書の内のモーセ五書、律法の書)→口伝律法→タルムード(本文:ミシュナー、注解:ゲマラ―)→ハラハーとなるとの事である。

 引用元?(本書経由)
  「『もしあなたが義人であるなら、もしくはあなたが義を求めて生きる人ならば、あなたの信仰はあなたの生きる道となる。・・・・・・(後略)。』」

 旧約聖書・詩篇51章10節
  「神よ、私にきよい心を造り、
  ゆるがない霊を私のうちに新しくしてください。」

 宮本武蔵「五輪書」九箇条(「五輪書・地之巻」より)
  第一に、よこしまになき事をおもふ所
  第二に、道の鍛錬する所
  第三に、諸芸にさはる所
  第四に、諸職の道を知る事
  第五に、物毎の損得をわきまゆる事
  第六に、諸事目利を仕覚ゆる事
  第七に、目に見えぬ所をさとつてしる事
  第八に、わづかなる事にも気を付くる事
  第九に、役にたたぬ事をせざる事

 十戒・・・(旧約聖書・出エジプト記20章3~17節)
  1.「あなたには、わたしのほかに、ほかの神々があってはならない。」
  2.「あなたは、自分のために、偶像を造ってはならない。……」
  3.「あなたは、あなたの神、主の御名を、みだりに唱えてはならない。……」
  4.「安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ。」
  5.「あなたの父と母を敬え。……」
  6.「殺してはならない。」
  7.「姦淫してはならない。」
  8.「盗んではならない。」
  9.「あなたの隣人に対し、偽りの証言をしてはならない。」
  10.「……すべてあなたの隣人のものを、欲しがってはならない。」

 本ブログ過去の関連記事
  ・2012/11/21付:「多民族国家の日本に古代ユダヤ人」
  ・2012/11/25付:「古事記・天孫降臨、イザヤ・ナギード(イザナギ)」
  ・2013/07/08付:「日本人のルーツを取り戻す(4)・・・元々は多民族国家であった日本の中の一部に、アブラハム―イサク―ヤコブの血統のユダヤ人の子孫が・・・『日本人のルーツはユダヤ人だ―古代日本建国の真相』を読んで」
  ・2013/07/08付:「日本人のルーツを取り戻す(5)・・・天皇と賎民は共に同じ民族ユダヤ人・・・『天皇家とユダヤ人』を読んで」
  ・2014/05/18付:「『独行道』・・・流浪・孤独の境涯を渡った宮本武蔵・・・『宮本武蔵 剣と人―遺書『独行道』に秘められたその実像』を読んで」
  ・2016/07/21付:「クリスチャン内村鑑三・新渡戸稲造は愛国者であった・・・『三つのJ』、武士道精神、契約の民の末裔、歴史修正の必要性、慰霊・慰謝の靖国公式参拝の正当性」
  ・2016/10/16付:「皇胤としての生涯は天命である・・・天皇である事の根拠である血統に含まれる重大な意味、国体としての伝統・独自性と『男系男子』を守り続ける事の重要性」
  ・2017/02/06付:「支那(中国)と韓国の反日捏造プロパガンダを支援する反日ユダヤ人と、それを非難する親日ユダヤ人・・・ユダヤの内部分裂、南京大虐殺は無かった、従軍慰安婦の強制も無かった」




「驚くほど似ている 日本人とユダヤ人」 「驚くほど似ている 日本人とユダヤ人」
   (著者:エリ・コーヘン氏、訳者:青木偉作氏、出版社:中経出版、出版日:2008/02/06)
   (単行本「大使が書いた日本人とユダヤ人」 ―出版社:中経出版、出版日:2006/08)


裏付けとなる歴史を「大東亜戦争史観」で正しく知る事によって、自然と愛国心と日本民族としての自尊心が生じる事となる・・・「奪はれた歴史 未来ある国家観の再生に向けて」を読む。

2017-05-10 02:25:14 | 歴史修正
 次の本を読む。
 「奪はれた歴史 未来ある国家観の再生に向けて」(著者:小堀桂一郎氏、出版社:PHP研究所、出版日:2001/08/21)

 「歴史修正」とは、今一度検証し直して、本来の正しい歴史に戻す事である。東京裁判によって戦勝国に歴史を改ざんされ、戦後はマスコミに外国のスパイが入り込む事で、国民を嘘の歴史で洗脳して来た。
 自分の国の先祖・先人の方々が、他国に暴虐を働いて悪い事をした等と思い込んでいると、自尊心愛国心を抱く事が出来なくなる。自尊心・愛国心の裏付けとなるのは歴史であるが、それらを挫く様な内容に変えられてしまっている為に、逆に反日となり、革命的な考えになり、他国に対して卑屈になり、迎合する様になっている者が、戦後の日本人に多くなってしまっている。
 それ故、歴史を正しく直す事によって、自尊心・愛国心は回復する。特に近現代史の歴史を修正する事によって、つまり「東京裁判史観」から「大東亜戦争史観」に修正する事によって、回復させる事が可能になる。「大東亜戦争史観」を持つ事によって、日本が欧米の植民地支配からアジアの国々を解放させて独立させた事を知り、またその上での日本が主導した「相互協力・独立尊重」を理念としたアジアにおける大東亜共栄圏の構想を知り、その戦争がアメリカの入念な計画と挑発がきっかけであり飽くまでも日本国自身の安全保障の為の自衛戦争であった事を知り、そして「義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義・克己」「武士道精神」によるアジア外交と、米国の不義・不正に迎合せず立ち向って闘い精神面に於いては負けていなかった事を知り、その正義の道理を基にした日本精神と魂の強さを知る事となるのである。そしてそれらを知る事によって、先人の方々が祖国と民族、家族、伝統、文化、日本精神を守る為に犠牲になられた事に感謝する事が出来る様になり、先人の方々を尊敬する事が出来る様になり、靖国神社へも慰霊の為に参拝したいと思う様になり、自然と、愛国心や日本民族としての自尊心が生じる事になると思われる。日本の歴史の真実を知ることによって、強制されたり押し付けられたりせずとも、自然に心から生じる思いから、国家斉唱や国旗掲揚を重んじる様になると思われる。愛国心・日本民族としての自尊心を持つ様にする「根治療法」は、「歴史修正」である。
 著者は「明治の精神」の代表者として、夏目漱石、福沢諭吉、新渡戸稲造、内村鑑三、岡倉天心を挙げている。また、夏目漱石研究の第一人者としての江藤淳の名も挙げている。夏目漱石は、「こころ」をはじめとしたの作品の中で、世捨て人、隠者的な者を著したが、その世間と異にする隠者が社会の偽善とは無縁の存在であるとし、「原罪」を持つ人を信じずに超越者への信仰に拠り所を求め、そして超越者に従属した自我を確立して次元を上昇させる者であると言う。そしてそれは、天の道理に基づいた自己実現を意味するとし、自己抑制、自己犠牲、奉公となると言う。「武士道」の「克己」による、私心や私利私欲を抑えて、道徳的な公人となる事であると言う。

 福沢諭吉著「学問のすゝめ」より(本書経由)

 「独立の気力なき者は必ず人に依頼す、人に依頼する者は必ず人を恐る、人を恐るる者は必ず人に諛ふものなり、常に人を恐れ人に諛ふ者は次第にこれに慣れ、其面の皮鉄の如くなりて、恥づ可きを恥ぢず、論ず可きを論ぜず、人をさへ見れば唯腰を屈するのみ

 「・・・…天より人を生ずるには、万人は万人皆同じ位にして、生れながら貴賤上下の区別なく、万物の霊たる身と心との働を以て天地の間にあるよろづの物を資り、以て衣食住の用を達し……」

 「人は生れながらにして貴賤貧富の別なし。唯学問を勤て物事をよく知る物は貴人となり富人となり、無学なる人は貧人となり下人となるなり」

 「一身独立して一国独立する事」

 「天の道理に基き、人の情に従ひ、他人の妨を為さずして我一身の自由を達すること」

 内村鑑三 墓碑銘(本書経由)
 「我は日本国のために、日本国は世界のために、世界は基督のために、遂に万物は神のために」

 「国家」には国民や家族も含まれるのだが、その「国家主権」意識の再生により自前の歴史解釈権を取り戻して東京裁判を今一度検証し直し、北朝鮮による拉致被害者の人権回復、靖国神社の公式参拝の実現を訴える。戦中・戦後の占領政策、検閲、教育、偽善・欺瞞・身勝手な欧米列強主義、靖国参拝や教科書検定等に対する内政干渉・外圧、南京事件等の検証を促す。一例として、国民党政府宣伝広報局が、第一次世界大戦の時にフランス政府の新聞報道局に在った「合成化学写真部」を見習い、日本軍を悪に仕立て上げる写真の偽造を上海にて行っていた事を挙げる。
 朝日新聞による虚偽の歴史問題や靖国、教科書等に於ける反日煽動が、支那(中国)や韓国の内政干渉の端を発し、世論誘導・世論操作を行って来た事実を挙げる。社説であるべきはずのイデオロギーや意見、感情、宣伝に過ぎない内容の物を一面トップに掲載し、社説と同様の内容の一般読者からの「声」、「投書」を多用する事で、逃げ口上を確保している事を挙げ、それらが背徳行為であると批判する。
 かつての冊封体制、アジア華夷秩序の中華覇権主義の復活に対し排除を訴える。日本の外務省の中に存在するチャイナスクール、売国奴、漢奸の朝日新聞、反日宣伝、外圧検定、内政干渉、事大主義、不法入国、尖閣諸島、海底資源、シーレーン、排他的経済水域への侵入、外交敗北等っを挙げる。またアメリカについても支那(中国)と同様に「厄介な隣人」と言う。
 安全保障について、自衛隊の国際比で相対的に弱体化と法制面での制約の多さ、緊急事態法等の有事法制不備、スパイ防止法の欠如、原発テロ、永住外国人への地方参政権付与、男女共同参画基本法、人権教育推進法、国際化などの危険性を挙げる。
 靖国参拝についての支那の内政干渉に対し、1978年に締結された日中平和友好条約にて内政不干渉が謳われている事から条約違反を挙げる。靖国神社参拝は、「民族全体の霊的生活に関わる不可侵の領域」と言う。また純粋な慰霊・祭祀に当たり政教分離問題には当たらない事を挙げる。1953年(昭和28年)には遺族援護法が改正され、A~C級戦犯の区別無く恩給年金が支給される事となり、A級戦犯とされた方々も合祀された。

 1979年(昭和53年)に総理大臣として参拝された大平正芳氏の答弁、「『A級戦犯』及び大東亜戦争に対する審判は歴史が下すのに任せる、人がどう見ようと私は私の気持ちで参拝に行く」

 この参拝に対して、支那からは抗議は無かった。参拝への気概の無さを批判し、また国旗・国歌の法制化を訴える。
 教育権は国家主権の一部であると言う。地方分権により市民が重視されると、国民が軽視されて国家主権意識の低下に繋がると懸念を示し、飽くまでも教育は国家の権利とする事を訴える。「国民」とは「国家の民」と言い、その国家の教育による国語や古典等の伝統・文化の継承と、個人・自由の行き過ぎで欲望が増す事からの道徳の退廃にならない様に制約を加える。2006年に改正される前で本書出版当時の旧・教育基本法が、空疎・理想・下心で道徳的に退廃に繋がる等と酷評する。
 政治家の党利党略と私利私欲、市民の政治への無関心、そのどちらもが責任感が鈍っていると指摘する。その「市民的常識に基づく次元」による国民主権や首相公選制等の危険性を警告する。

 「東京裁判の不正を暴いた人々」

 ・清瀬一郎弁護士・・・日本人弁護団副団長。東京裁判の法的正当性についての疑惑を、弁護側冒頭陳述によって厳しく指摘した。裁判所はこの問いかけに対してその場で答えず、回答を後日与えると称しながら、結局最後まで答えなかった。

 ・ラダビノート・パル判事…インド。判事団唯一の国際法学の専門家。同様に法的正当性への根本的疑問を突き付ける。『時が熱狂と偏見をやはらげた暁には、また理性が虚偽からその仮面を剥ぎとった暁には、そのときこそ、正義の女神はその秤を平衡に保ちながら過去の賞罰の多くに、その所を変へることを要求するであらう』

 ・アンリ・ベルナール判事・・・フランス。裁判の審理過程全般に、多くの手続き上の不備が生じた事を指摘し、その為に裁判全体が有効性を失っていると論じた。

 ・ベルト・レーリンク判事…オランダ。占領軍最高司令官マッカーサーの行政命令に過ぎない「極東国際軍事裁判所条例」の合法性に疑義を呈し、法廷がその合法性についての審議をせぬままにそれに拘束されている事の不条理を鋭く突いた。

 ・ベン・ブルース・ブレイク二弁護人…アメリカ。裁判進行中に、その犯しつつある誤りを指摘して、厳しく糾弾した。「国家の行為である戦争の責任を個人に対して問うという法理は無い、戦争での殺人は刑法上の罪では無い、この法廷は罪にならないはずの行為を罪として裁くという誤りを冒そうとしている、もし戦争に於ける殺人が罪に問われるというのならば、先ず裁かれるべきは広島・長崎に原子爆弾を投下した責任者ではないか、その責任を有する参謀長の名も、投下を認めた国家元首の名も、挙げようと思えば挙げてみせるぞ」。戦争に於ける殺人は犯罪ではない、勝者側のみが一方的に敗北者の戦争行為を殺人罪として裁くと言うのは普遍的な正義の原則に反する、現行の国際法にはこの法廷の被告を裁く法的根拠はない、と、完全に法的・論理的な指摘に及んだ。

 ・ウィリアム・ローガン弁護人…アメリカ。アメリカのオレンジ・プランこそが日本より遥かに早い段階での戦争計画であったと論じ、日本の戦争は、日本に対する挑発となる経済的圧力が異常に強化された結果、安全保障に迫られての自衛手段に他ならなかったと論じた。『その後種々調査、研究をしているうちに私どもがアメリカで考えていたこととは全然逆であって、日本には20年間一貫した世界侵略の共同謀議なんて断じてなかったことに確信を持つにいたった。したがって起訴事実は、当然全部無罪である。しかしこれは弁護人である私が2年半を費し、あらゆる検討を加えてようやくここに到達した結論である。したがって裁判官や検事はまだなかなかこの段階に到達しないだろうと想像される。』

 ・ジョージ・フロスト・ケナン外交官…アメリカ。マッカーサーの日本占領行政の過激さ、日本社会弱体化に厳しい批判的意見を懐いた。また裁判についても復讐であると延べ、成立させる法的基盤が全く欠如している事を鋭く突いた。

 ・ウィリアム・O・ダグラス米連邦最高裁判事…アメリカ。法的根拠を持たない、司法手続きとしての裁判では無く、政治的復讐装置であり抑々裁判とは言えないものなので再審請求も成立しようがないと述べる。

 ・チャールズ・ビアード博士・・・アメリカ。歴史学・政治学。日本による真珠湾攻撃の数ヶ月前に、ルーズベルトがアメリカ軍の海外における秘密の軍事行動を指令していたと指摘し、国際法学界の定義からの、先に敵対的軍事行動に出たアメリカこそが侵略戦争を起こしたのだと言う事を想起させた。

 ・ハンキー英枢密院顧問官・・・イギリス。論著「戦犯裁判の錯誤」にてパル判決への全面的支持。イギリス国際法学界がパル判決が正しいと結論付け、パル判決を定説として認めた。

 ・チャールズ・アンドリュー・ウィロビーGHQ参謀第二部部長…アメリカ。裁判は史上最悪の偽善と語る。日本と同じように生存を脅かされる立場に立たされたら、アメリカも戦いに立ち上がっただろうと意見した。

 ・ヘレン・ミアーズ女史…アメリカ。東洋史学者。「アメリカの鏡・日本」著。日本の歴史と文化を研究した結果、二千年余り、内向きで穏和な安定した法治国家であったとし、近代化において欧米の模範に倣って戦争を挑むに至ったと結論付けた。そして、近代文明の教を守って文明化した意味において、日本はアメリカの鏡で自分たちの姿が映っているとした。

 ・ダグラス・マッカーサー連合国軍最高司令官・・・『日本が潜在的に擁している労働力は、量に於いても質に於いても、私がこれまで接した中の最も優秀なものです。日本の労働力は、労働の尊厳とでも呼ぶべき何かを発見してゐます。それなのに彼等は労働の価値を実現すべき原料・資材を持たない。日本には蚕以外に固有の生産原料は殆ど無いのです。日本人はもし海外からの原料供給を断たれたら、一千万から一千二百万の失業者が生ずるであろうことを恐れてゐました。ですから日本人が戦争にとびこんだ動機は主として安全保障(※又は自衛のための必要に迫られてのことだったのです。』




「奪はれた歴史 未来ある国家観の再生に向けて」 「奪はれた歴史 未来ある国家観の再生に向けて」
   (著者:小堀桂一郎氏、出版社:PHP研究所、出版日:2001/08/21)


平安な日々の中で誰しもが持つ、今日明日にでも起こる人生を落とされる危機と、一人ひとりに与えられている異なった運命と役割・・・「介護退職」を読む

2017-05-09 17:59:58 | 健康・医療・暮らし 2012~2017
 次の本を読む。
 「介護退職」(著者:楡周平氏、出版社:祥伝社、出版日:2014/9/10)(単行本―出版社:祥伝社、出版日:2011/7)

 本書はフィクションの小説である。しかし、自分、隣近所、今日明日にでも起こる様な、大変リアリティに富んだ内容であり、読む事によって決して他人事にするのでは無く、我が事として関心を持ち、危機意識を持って準備・備えを考えられるものと思われる。

 以下概要
 或る大手電機メーカーの国際事業本部・部長である50歳の男性の主人公は、月に数回の海外への出張もこなすビジネスマンとして、会社の中枢で活躍し、年収は1,000万円ある。47歳の妻と、進学校の私立中学受験を間近に控える12歳の長男の3人で、東京都内の3LDKのマンションに住んでいる。正月を間近に控えた頃、秋田の実家一人暮らしをしている76歳の母親に電話をかけたが繋がらず、近くに住む叔父・叔母に連絡して様子を見に行ってもらった所、自宅周りの雪かきをしている最中に転倒し、頭を打って倒れていた。その後、病院で足の骨折で頭は異常無しという診断から手術入院、その後リハビリとなった。
 男性の自宅を一部屋空けて車椅子の母親を引き取り、4人一緒に暮らしながら、妻にリハビリの為の送り迎え等をしてもらう事にした。しかし、嫁と姑との関係や、母親の歳を取っているが故の意固地・頑固な性格、一々家事や買い物に干渉される事から、妻はストレスを感じる。
 部長は妻を慮って母親に話をするが、母親は頭の方は衰えも無く、すぐに反論を返して来る。怪我をする直前までは体は丈夫で、過疎に住む事から遠くの店まで自分で車を運転して買い出しにも出かけていた。また、地域の民生委員やボランティア活動も熟す等で付き合いも広かった。その話をする中で素直に聞かない事から、少しやり取りが荒くなり、その日の後、母親の口数が少なくなる。そして、部長は少し言い過ぎたかと後で後悔する。
 その後のある日の朝、母親が失禁をしたが自分がしていないと言い張り、他にも異変が見られた事から病院で診察を受けた所、認知症である事が判明した。そして部長の妻は、リハビリ介護サービスとの送り迎え、自宅での下の世話や食事等の介護と、余計に負担が掛かる事となる。また、息子の入試の事も気になる。そしてその後のある日、介護施設の送り迎えをしている最中に、妻が倒れる。救急車で病院で運ばれると、くも膜下出血である事が解り、電話での承諾による緊急手術となる。結果、発見と処置が早かった為に命に別状は無く、後遺症も出る事無く済んだ。しかし、完全復帰までは数ヶ月は掛かる事となった。
 母親と妻の両方の世話をしなければならなくなった部長は、受験で合格した息子は妻の実家に預け、仕事の方は影響が出ると言う事で閑職にまわされ左遷となる。今までノルマや周囲からの関心、組織の枠の中で管理されていた事と異なり、時間的に融通が効き自由である事が却って、自分のプライドが満たされず虚無感を感じる事となり、また出世も閉ざされた様な事から、早期退職金4,000万円を貰って辞職する。貯金と併せて5,000万円の預金が有るものの、10年程残っているマンションのローン、長男の学費、介護費用、その他生活費等で、無職のままでは将来的に足りる訳が無く、人材会社に登録したり職業安定所で職を探すものの、技術や技能が有る訳でも無く、高齢で、しかも前歴から扱いにくいと感じられて敬遠され、閑職にまわされた事にも疑いを掛けられて、なかなか決まらず紹介もされない。また、故郷には築40年の実家と、母親の物持ちの良さから物が溢れ返っている。
 母親の介護の始まった後に5歳下の弟に相談したが、断られた。弟は大学進学で東京に出て来たものの役者志望となり、バイトを掛け持ちして続けながら結婚を機に辞め、両親が田畑を売って作った金をもらってスナックを経営して来た。自身の300万円の年収と、妻の時給800円の休みの殆ど無いパートで得る200万円との合計500万円の世帯収入で、大学受験を控える私立高校生の長男を抱える。それ故、妻を母親の介護を手伝わす事が出来ないと言っていた。しかし、そのパートで得ている分を、介護して働いてもらう事で支払うからと、手伝ってもらう事に同意を得る。
 自身の仕事も、かつての左遷される様な事をされ内心恨みに感じていた上司からの紹介で、或る会社を紹介される。同種の外国のメーカーである事から裏切りや道義に反する事になるのではないかと悩んだが、培ったノウハウを土台にしてのオリジナルでいけば問題無いと納得して再就職先に決める。
 元部長の男性は、今回の一連の不遇・困難な経験から、家族の絆を修復してそれが大事である事を改めて確認した事と、どんな事が起きてもそれが運命であると覚悟して前に進むしかないとの思いを強くする。そして、これらの事が神の思し召しではないかと悟る。
 以上概要

 私と明らかに違うのは、まず、世間一般と比較してでもあるが、地位が高く肩書きを持ち、年収も高額で、預金も多い。そしてその男性にとってストレスに感じる事、ノルマの無い事や、管理されず自由である事、時間の融通が効く事、周囲に干渉されずに済む事は、私にとってはストレスにはならず、虚しさも感じないどころか有難く感じるぐらいである。私は孤独であっても平気である。また私は職場も転々として来たし、職種も多少変更した経験を持っている為に、見栄や体裁は全く気にならず、開き直っている為に、精神的にも融通が効く様になっている。故に、少しクビになったからと言って、それで動揺等はしない。基本的に「成るように成る」と、いつも思っている。
 ただ結婚もせず孤独であるのは健康で順調な時は良いが、自分自身もいつ何時どうなるか、先の事は解らない。また、この小説の様に、身内がどうなるかも解らない。いずれにもリスクは存在する
 私は今から14年前(2003年)に怪我をした経験を持っている。その当時は一人暮らしをしていたが、入院時とその後の実家での自宅療養において、同じ県内に住む両親の世話となった。また5年前(2012年)には、自分自身のエンディングノートを書いた。
 万一、怪我や病気、死亡等で自分で行う事が出来なくなってしまったり、意思の疎通が出来なくなってしまった時の為にエンディングノートを書くのだが、自分のプロフィールや過去の経歴、連絡先、各種手続き要領、webサイトのアカウント、パソコンの内容、遺品整理における写真やデータ等の取り扱い、所有する財産、健康管理、介護について、手術の承諾について、尊厳死・安楽死についての考え、延命治療の要不要、葬儀の仕方等を、洗いざらい書き出しておく。
 現在の私は、孤独に、自立して、出来るだけ頼らずに生きる事を良しとしているが、同時にリスクも併せて考えている。生涯独身を掲げる私自身に関しては、成年後見制度生前契約が頼りとなる可能性が高い。社会システムの発達により、その辺りは安心に繋がる。
 人がこの世で生きていく上で、責任、義務、役割が重要となる。両親の介護は子の務めであり、責任であり、義務であり、役割でもある。但し、全部を放棄してしまうのでは無く、仕事や家事等の他の用事とのバランスを取る為に、その割合を減らして介護サービスに頼る事となる。また、夫が外へ出て仕事をし、妻が主婦として家事と子供の養育をして家庭を守るという事は、それぞれの役割である。それらの役割は比較するものでは無く、区別に相当するものである。主婦の役割も仕事である。仕事・務めに報酬の有無は関係ない。報酬が値打ちを表すものでは無い。フェミニズム等の平等論は論外・ナンセンスである。役割と平等は無関係である。役割分担をして、そのそれぞれに値打ちが有るのである。役割それぞれに尊卑貴賤は無い
 人それぞれに運命がある。それは創造主である神の定めである。運命は、人自身の希望通りにはなっていない。神の定めである運命は、神による各個人への命令である。この命令は絶対命令である為に、避ける事は出来ない。その事を人が悟った時、神に委ねて開き直り、「成るように成る」と気持ちも楽になる。人それぞれが置かれた状況の下で、それに応じた役割を行い、そのそれぞれの役割の上で、義の務め、責任を果たすのである。

 


介護退職 「介護退職」
   (著者:楡周平氏、出版社:祥伝社、出版日:2014/9/10)
   (単行本―出版社:祥伝社、出版日:2011/7)

「ひきこもり」は良い事である・・・精神的修練と自立、心の成熟、自己点検、内省、瞑想、普通であろうとする間違い、アイデンティティにこそ値打ち、自分と公義とのバランス、そして根本規範

2017-05-05 21:22:00 | 孤独・独立・自尊心
 (2017/05/06:追画)

 最近、一般的には余り関心が向かず気が付きにくい空白となっている部分に、「隙間ビジネス」を起業して新たにサービスを提供する者が多いと言う。しかしその中には、人の弱みにつけ込む悪徳業者も含まれると言う。
 先日、引きこもり自立支援を謳う悪徳業者に被害を受け騙されたとして、20代の女性と母親がその業者を相手とする裁判所への提訴が行われた。尚、現状として引きこもり支援を行う公的機関や自治体と連携したNPO団体は少なく、最近その隙間を埋める様にして民間業者が増えつつあると言う。
 その原告の女性は(長期の?)ひきこもりでは無かったが、母親とのトラブルが絶えなかった事から母親が苦悩し、インターネットに掲示されている当該する業者に相談し、業者側が即対応にあたる事となった。3ヶ月分の契約料570万円も支払い、女性の自宅のドア・チェーンを工具で壊して女性を強制的に連れ出し、業者の賃貸アパートの一室に軟禁した。部屋には布団とペットボトル水しか無く、監視者が見張りに付き、友人の力を借りて逃げて連れ戻された時には殴る、蹴る、箸で刺す等の暴力を受けたと言う。逃げた際には警察に相談したが、信用してもらえず、母親には強制的に取らされた笑顔のピース写真を送って安心させていた。従順を装って出来た隙に逃げて実家の母親に訴えて、母親は洗脳から解けたと言う。インターネットのホームページには「信頼と実績」、「公認」、元警察官が代表を務めると謳い、母親が相談後に訪れた事務所には、有名政治家と並んで移した写真が飾られ、政府と連携している等と言って信用させた。この業者は、20~30代のひきこもりの人たちを集めて共同生活をさせ、顧問弁護士も雇っているとの事である。
 まず、先日、保育園と幼稚園の機能を併せ持つ、或る認定こども園の保育環境の劣化が問題となっていたが、その問題と同様に、親御さんが安易に他に子供を預けて依存し、「育児放棄」している事がそもそも間違っている事が言える。依存した結果が悪いからと言って人のせいにするのでは無く、自立して自分で考えて自分で行い、その結果を自己責任として受け入れる姿勢・精神が必要なのである。自分の子供を直接、自分で育てる事が必要である。親御さんそれぞれの自立意識が必要である。但し、原告の女性は20代で、しかも実家から離れてマンションを借りていたとの事である。しかし、実家は高額契約料を払えるぐらいに裕福そうであるので、家賃を自分で払っていたかどうかは疑問である(或いは賃貸では無いのかもしれない)。
 そして、ひきこもる事は何も悪くないのである。長期間に及ぶ事は良くないかもしれないが、マイペースに、人生の中において、その時々にひきこもる事は、人生全体で捉えた場合には、ほんの一瞬の出来事に過ぎない。また、後の永遠の中の極僅かなこの世の人生で、しかもその内の一瞬、一時期の事であるに過ぎないのである。しかし世間一般的には、その一瞬の出来事や目先の事ばかりに目が奪われている人たちが多く、人生全体をトータルで眺める事が出来ていない。人生全体をトータルで眺めると言う事は、今現在だけでは無く、過去を振り返って反省や教訓にし、また未来を展望して考える事が含まれるのである。その人生全体をトータルで眺める為にも、ひきこもって独りで黙想し考える、自分の時間が必要なのである。
 そうした、ひきこもって独り自分の時間を持つ事によって、自分の内側を見て内省し、点検・確認をし、心の成長・成熟に繋がる。周りの群衆の中に混ざって流されてしまうのでは無く、独り群れから離れて立ち止まって考え、またその群衆を客観的に見る事によって批判精神を養う。日々の仕事等での忙しさから一服を取り、心身を今一度調整して更新する。あの一休さん「ひと休み、ひと休み」と言いながら、秀でた頓知(とんち)を働かせていたのである。
 バランスを取る事が大事である。バランスを取ると言っても、50:50のバランスにする必要は無い。勤務における平日と休日にしても、土曜日が休みであったとしても、5:2のバランスである。そのバランスの取り方は、人それぞれで異なる。自分のエゴイズムと周りへの気遣いのバランスとして、「個性6割、思いやり4割」(「モデル失格 幸せになるためのアティチュード」著者:押切もえ氏、出版:小学館より)と表現された方もいる。自分の用事と公義を果たす事とのバランスも必要である。
 また、ひきこもりが長引き過ぎる事によっても、バランスが崩れる可能性もある。精神的な活動が中心になる事によって、身体的活動量が減ってしまう。その為に、生活のメリハリが失われ、脳への血液循環が悪くなって、不眠鬱的な症状となり、能率も下がり、将来的には認知症に繋がる恐れがある。
 しかし、適度にストレッチ体操、散歩、ジョギング等の軽い運動を伴ったひきこもりをする事で、読書をしたり、物を書いたり、瞑想、祈り、悩み考える事で、精神的に昇華するのである。
 経済的な自立をする事は勿論必要であるが、それだけでは無く、精神的にも自立する必要がある。とかく世間や空気、群れに依存している傾向が伺える世間一般的な人たちを私が客観的に見ると、精神的な自立があまり出来ていない様に見える。
 そして、何も世間一般と同じ事をする必要は無いのである。本日のゴールデンウィーク中の休日においても、私は独りひきこもっている。その事について、私は別に恥ずかしいとは全く思わないのである。この連休中に出かける事によって、人混みの中に埋没して(悪い意味で)揉まれたり、車の渋滞に巻き込まれてストレスが生じるだけで、却って心身の疲労が増えて逆効果である。外出するにしても、人の混んでいない海岸で、静かに波の音を聴きながら、独り釣り糸を垂らし水面の浮きを眺めながら、周りの自然溢れる景色も鑑賞しながら、リラックスして時を過ごす事を、私は選ぶ。
 普通であろうと考えるのは間違いである。周りと違っていて良いのである。周りと違う事が個性であり独自性である。そしてそのアイデンティティこそが誇りに成り得るのである。周りと同じであれば、果たしてそんなものは値打ちが有るのであろうか?。私は甚だ疑問に思っているのである。周りと違うからこそ値打ちがあるのである。商品を作り販売する上でも、他社の商品との差別化をマーケティングの上で考えるものである。
 周りに同調しようとする事は、自分の内面にとれば不自然な状態である場合が多いもので、それがストレスとなっている。人間関係で疲れるのは、その様な場合も有る。周囲から普通であると承認してもらうのでは無く、周囲から異なると思われながら自分の気持ちに素直になる事が自分の気持ちにとっての普通であり、それが正しいのである。勿論ここにおいても、公への自己犠牲をバランスとして持つ必要が有る。
 そして何よりも大事な事は、「根本規範」を持っておく事である。個人と公、自由と責任、権利と義務それぞれのバランスが必要であるが、根本規範が歯止めとなり、節度を保つ事にもなる。更に、判断基準になり、自律意識の形成、道徳意識の形成、良心の向上、将来の羅針盤、過去の点検規準ともなる。
 私の場合は「聖書」を根本規範に持つ。そして、聖書を土台にして、その上に自信・自尊心・アイデンティティを築いている。
 私は今までに、何回も「ひきこもり」をした経験を持つ。高校中退前、鉄工所の見習いに入る前で20歳前後の不安定な頃、怪我をして入院後の自宅療養などの時にその機会を持った。それらは無駄では無く、前述の様な内容を伴う経験として、私の今日に至るまでの肥やしとなっているのである。また、昔の先人たちにも、多くの「隠者」たちがおられた。隠者たちは隠遁生活をしながら、多くのものを後世に遺して来られたのである。

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  ・カテゴリー:「孤独・独立・自尊心・誇り」 ・・・本ページ右サイド
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 参考文献
  ・2016/03/14付・神戸新聞朝刊(丹波・篠山版):「『普通』こだわらないで 篠山 ひきこもり支援考える催し 『まずは相談』専門家ら助言」
  ・2017/05/01付・神戸新聞朝刊:「ひきこもり支援業者を提訴 関東の女性と母 高額契約料や暴力 支援の隙間 悪質業者横行」
  ・2017/05/01付・神戸新聞朝刊:「ひきこもり支援業者提訴の女性 『殺される』軟禁の恐怖今も 複数で連行、逃げ出せば暴力」


 (2017/05/06:追画)
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2017フランス大統領選:「中道」のマリーヌ・ル・ペン氏の勝利によって、フランスは「左翼」イルミナティ・フリーメーソン体制から脱却出来るか

2017-05-05 02:11:35 | 国際時事 2012~
 2017年フランス大統領選挙の決選投票に進んだマリーヌ・ル・ペン氏(マリオン・アンヌ・ペリーヌ・ル・ペン:Marion Anne Perrine Le Pen)。フランス革命以来、ユダヤ・イルミナティ・フリーメーソンの国となってしまっているフランスは、マリーヌ・ル・ペン氏が勝利する事で、それらからフランスを取り戻す事が出来るのだろうか?
 ユダヤ・イルミナティ・フリーメーソンによるフランス革命後、ユダヤ人の権利が全面的に認められ、キリスト教を徹底的に弾圧し、教会は破壊された。そして国の標語として、「自由、平等、友愛」と、それらカルトの標語をそのまま引用した。また保守的なカトリックから離れた、リベラルのフリーメーソン的社会となり、風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)の冒涜卑猥画やセックス描写の多い映画等が見られる様に、同性愛、乱交、淫行、乱れた性等、ユダヤ・イルミナティ・フリーメーソンによってフランスのモラルが破壊されて来た
 ユダヤ・イルミナティ・フリーメーソンは左翼である。故に、それらが支配するメディアも左翼であるので、ルペン氏に対して極右と言う「レッテル」を貼っている。しかしルペン氏は、実は「中道」なのである。あくまでも、左翼のマスコミから見れば右の方に見えるだけなのである。
 ルペン氏は大統領になった場合、輸入品に掛ける関税を社会保障費に使うと明言している。また、対立候補のエマニュエル・マクロン氏とは異なり、反エリートとして、工場労働者をはじめ、低中所得者層からの期待を多く集めている。そして、高い失業率の改善の為の雇用問題を重視している。
 反金融寡頭制(アンチ・オリガーキー)、反グローバリズム、反エリート、対テロリズム、二重国籍の廃止、同性結婚の廃止、EU離脱、通貨フランの復活を唱え、愛国心を持ち、フランス・アイデンティティを大切に思い、フランスの国益を追求するナショナリズムの姿勢を執る。そして現状が、フリーメーソンにより歪められた自由、ユダヤ・イルミナティ・フリーメーソンに関するタブーが存在する言論規制となっており、本当の民主主義を勝ち取る為に、国民戦線(Front National:FN)党首として努力して来られた
 2011年当時、正義であったカダフィ大佐(ムアンマル・アル=カッザーフィー最高指導者)が率いたリビアへのNATO(北大西洋条約機構)の空爆を批判し、またシリアへの空爆も批判し、ロシアの安全保障を理解してクリミア半島併合を容認し、ロシア制裁をする欧米を批判している。よって、ルペン氏の勝利により、ロシアとヨーロッパ、中東地域の平和と安定に繋がる可能性が高くなる
 マクロン氏の勝利でユダヤ金融オリガーキーが続き、イルミナティ・フリーメーソンによる歪んだ社会が続くのか。それともルペン氏が勝利する事で、ユダヤ・イルミナティ・フリーメーソン体制から脱却し、真にフランス人の為のフランス国に生まれ変わるのだろうか
 
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  ・2013/06/21付:「イルミナティ・フリーメーソンによるモラル破壊・・・フランス同性婚合法化」
  ・2014/06/01付:「フリーメーソンの仏国でナショナリズムの高騰・・・反EU、反グローバル化、反世界統一」
  ・2015/01/25付:「Charlie Hebdoとテロ襲撃事件の双方の背後にCIAとモサド&フリーメイソンリー仏国のモラル不在の自由」
  ・2017/04/03付:「革命以来のイルミナティ・フリーメーソン国フランスで「ルペン大統領」が誕生し仏国再生なるのか & 『3人組』に見る世界が狭くなっている事」
  ・2017/05/05付:「2017フランス大統領選:ユダヤ金融オリガーキー代表・エマニュエル・マクロン候補・・・ユダヤ・ロスチャイルド氏、ユダヤ・ジョージ・ソロス氏、ユダヤ・ジャック・アタリ氏、二重国籍ユダヤ人達が支援」

 参考・関連動画
 

YouTube: FRANCE! Vote Le Pen! Victory Or Death!
 

YouTube: Frankreich: Le Pen disst Macron - Gewissenloser Banker, der der Finanz-Oligarchie dient
 

YouTube: Marine Le Pen : "le pire modèle économique pour l'environnement c'est la mondialisation sauvage"
 

YouTube: Marine Le Pen: Las sanciones contra Rusia son "estúpidas e injustas"
 

YouTube: Marine Le Pen : "Macron est la marionnette de Hollande"
 

YouTube: デュ-ドネ問題と公的自由の規制 マリ-ヌ・ルペン2014年1月10日
 

YouTube: 【仏大統領選】マクロン候補は“ロスチャイルド出身”だった! フリーメイソンが「ルペン降ろし」実行、現地紙報道
 

YouTube: RT - Why Marine Le Pen is The Only Way to Save Europe #Frexit #EndEU
 

YouTube: Victory Or Death, Le Pen Rising
 

YouTube: The illuminati and the french revolution
 

YouTube: 国家内国家 フランスのフリ―メ―ソン

2017フランス大統領選:ユダヤ金融オリガーキー代表・エマニュエル・マクロン候補・・・ユダヤ・ロスチャイルド氏、ユダヤ・ジョージ・ソロス氏、ユダヤ・ジャック・アタリ氏、二重国籍ユダヤ人達が支援

2017-05-05 01:43:34 | 国際時事 2012~
 2017年フランス大統領選挙の決選投票の候補、エマニュエル・マクロン氏は、ユダヤ・ロスチャイルド家のフランスにおける中核銀行であるロチルド & Cieにおいて副社長格にまで昇進し、一時期の年収は200万ユーロ(約2億4,700万円超、2017/5/4現在)にもなったと言う。現在、そのロスチャイルドの支援を受けている。
 またマクロン氏は、同じくユダヤのジョージ・ソロス氏からも支援を受けているとの事である。ソロス氏は、グーグル等のメディアに資金提供して、メディアをマクロン氏に肩入れさせている。
 更に、イルミナティ・フリーメーソンの広報を担当して来た、同じくユダヤのジャック・アタリ氏も、マクロン氏を支援している。アタリ氏は、グローバリズムを世界的に広めて、雛形EU(ヨーロッパ連合)を拡大した世界統一政府を作り、その首都をエルサレムに置くとう言う事を、今まで宣伝して来た。アタリ氏の著作には、「カニバリスムの秩序──生とは何か/死とは何か」(L'ordre cannibale, vie et mort de la médecine)がある。
 フランスには「二重国籍」の人が多いと言う。特に、ユダヤ人はイスラエルとの二重国籍であると言う。フランスは、イスラエルとアメリカに次いでユダヤ人が多い国である。マリーヌ・ル・ペン氏が勝利した場合は、フランスの利益を別の国へ持ち去っている二重国籍を禁止すると言う。ユダヤコミュニティーの人たちは、イスラエルへの移住を考えていると言う。
 ユダヤ金融寡頭制(オリガーキー)の代表マクロン氏が勝利するならば、フランスは今後共、改善される事は無い。
 
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  ・2013/06/21付:「イルミナティ・フリーメーソンによるモラル破壊・・・フランス同性婚合法化」
  ・2014/06/01付:「フリーメーソンの仏国でナショナリズムの高騰・・・反EU、反グローバル化、反世界統一」
  ・2015/01/25付:「Charlie Hebdoとテロ襲撃事件の双方の背後にCIAとモサド&フリーメイソンリー仏国のモラル不在の自由」
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 参考・関連動画
 

YouTube: Emmanuel Macron Is A Rothschild Agent!!
 

YouTube: Rothschild’s Man, Macron, Portrayed As “Outsider”
 

YouTube: Emmanuel Macron l'escroquerie en marche
 

YouTube: Jacques Attali, soutien d’Emmanuel Macron imbu de lui même comme d'habitude
 

YouTube: SOROS FUNDS GOOGLE TO STOP POPULIST LE PEN
 

YouTube: Why The Jews Loathe Le Pen
 

YouTube: 【フランス】のロスチャイルド爺が捜査対象に! 
 

YouTube: Jacques Attali - "Jerusalem, capital du nouvel ordre mondial"
 

YouTube: ジャック・アタリ エルサレム世界政府首都
 

YouTube: アタリ 第三次世界大戦から世界政府へ 福島原発

聖書を道徳規範とするロシアとイスラムの賢明さ・・・ディズニー映画「美女と野獣」の上映禁止・R指定、新興宗教「エホバの証人(ものみの塔)」の活動禁止

2017-05-04 19:30:32 | ロシア
 (2017/05/06:追画)

 先日4月21日から日本全国で公開されているディズニー映画「美女と野獣」。しかし海外の一部では、この映画が上映中止や16歳未満の鑑賞禁止等の措置が執られているとの事である。その映画の中には同性愛(ゲイ)のキャラクターが登場し、ラブシーンがある。
 ロシアでは、与党・保守主義ロシア・ナショナリズムを掲げる統一ロシアの議員が文化相に、「『子供向けの物語』を装い、『道徳上の罪や歪曲(わいきょく)された性的関係』が映画館であからさまに公開される事態は黙認できないと主張」して、「映画に『同性愛の宣伝』の要素が含まれるならば『ロシア全土で上映を禁止するべきだ』と訴え」、その映画内容を審査する様に要求した(2017/03/08付・産経新聞(下記・参考文献)より)。その結果、3月16日の公開前までに、文化省が観劇対象として16歳以上を許可した。ロシアでは、同性愛の宣伝を禁ずる法律(反同性愛法)が存在する。
 また他にも、アメリカ・アラバマ州の映画館でも上映を拒否、マレーシアでR指定、中東のクウェートで上映中止となった。
 旧約聖書の創世記「ソドムとゴモラ」レビ記、士師記、新約聖書のローマ人への手紙ユダの手紙には、同性愛について、「忌みきらうべきこと」、「よこしまな者」、「恥ずべき情欲」、「自然の用を不自然なものに代え」、「恥ずべきこと」、「その誤り」、「良くない思い」、「してはならないこと」、「好色にふけり」、「不自然な肉欲」、「主に対しては非常な罪人」、「彼らの罪はきわめて重い」と書かれている。そして創造主である唯一の神は、同性愛で汚れたソドムとゴモラの町々に天罰を下して人々を全て滅ぼし、その地を浄化した。

 旧約聖書・創世記19章24・25節
  「そのとき、ソドムとゴモラの上に、硫黄の火を天の主のところから降らせ、
  これらの町々と低地全体と、その町々の住民と、その地の植物をみな滅ぼされた。」

 決してリベラルでは無い、保守的で正統的なロシア正教イスラム教の信者の人々は、旧約聖書や新約聖書を「規範」として判断基準にし、同性愛を罪に定めているのである。この一例から、ロシアやイスラムの国々の、規範に対しての忠実な態度の正しさが伺えるのである。因みにイスラム教のコーラン(クルアーン)には、新約聖書が含まれているのである。
 また先日4月20日、ロシア法務省が「過激派組織」として解散させるよう求めていた「エホバの証人」に対し、ロシア最高裁判所は、その宗教団体の活動を禁止して資産押収を行う判決を下した。「同省当局者は『(エホバの証人は)国民の権利および社会の秩序、治安に対する脅威になっている』と述べ」(2017/4/21付・AFPBB News(下記・参考文献)より)、ロシア正教も同団体に対し批判的立場を執っていたとの事である。
 新興宗教の「エホバの証人(ものみの塔)」はチャールズ・T・ラッセルが設立し、同様の宗教団体「モルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会)」はジョセフ・スミス・ジュニアによって設立された。創立者は共にアシュケナジー・ユダヤ人で、且つイルミナティー・フリーメーソンのメンバーであった。ものみの塔とは、イルミナティー・フリーメーソンのシンボルである「プロビデンスの目」の事であり、キリスト教とは本来関係が無い。そして両団体共に、ユダヤ教のオカルトのカバラ・神秘主義がベースとなっている。
 つまり、この問題においても、ロシアが賢明である事が解るのである。欧米の形骸化し、リベラル化し、堕落しているキリスト教界とは異なる事が解る。そのロシア正教会を国教並に厚遇して道徳規範に据えている現在のロシアが、かつてのソビエトやユダヤに支配されていた頃のロシアとは異なり、正しい事も解るのである。

 本ブログ過去の関連記事
  ・2012/12/07付:「終末期、にせキリスト、にせ預言者達の出現」
  ・2013/09/25付:「同性愛・同性婚の間違い(1)・・・旧約聖書・創世記『ソドムとゴモラ』」
  ・2013/09/25付:「同性愛・同性婚の間違い(2)・・・ロシア・プーチン大統領の正義と、イスラムの「旧約聖書」を基にした正しさと毅然さ & 規範・根拠を持たない日本人・世間の人」
  ・2014/04/21付:「ロシア正教会総主教『神聖なロシア破壊に終止符を』~イルミナティ・フリーメーソン・タルムーディックユダヤによるキリスト教会の破壊・・・ウクライナ情勢(7)」
  ・2015/11/22付:「世界的伝道者ビリー・グラハム氏はフリーメーソン・・・偽キリスト、偽預言者、エホバの証人、モルモン教」
  ・2017/04/03付:「偽ユダヤ人はユダヤの伝統・文化と聖書に興味が無い・・・リベラルの現イスラエル、キリスト教界のリベラル化、日本の左翼。進化論・ニヒリズム・共産主義は非科学的リベラル。そして同性愛に見る世の終末」
  ・2017/04/03付:「ローマ法王は世界共産化グローバリズムを担う・・・偽善の宗教組織」
  ・2017/04/04付:「ユダヤのスパイ組織イエズス会・・・スファラディ、バスク、マラーノ、ノストラダムス、ウススの手紙、イルミナティ、奴隷貿易、武器売買……500年前既に世界共産化グローバリズムが始まっていた」

 参考文献
  ・2017/03/06付・The Huffington Post Japan:「『美女と野獣』の上映禁止、ロシア議員が求める 『同性愛の宣伝に当たる』」
  ・2017/03/08付・産経新聞:「ロシアで『美女と野獣』は“16禁” 同性愛者キャラクター登場に議員が異議」
  ・2017/04/22付・AbemaTIMES:「ディズニー映画、中東で上映中止 専門家が解説」
  ・2017/04/21付・AFPBB News:「ロシア、エホバの証人の活動禁止 『過激派組織』と政府」

 (2017/05/06:追画)
 関連文献
プーチンと柔道の心
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粉ミルクや偽ビールに含まれる遺伝子組み換え原料と、母乳に含まれるアメリカン食品・・・昔の日本人の道徳規範・倫理意識から離れている一つの原因

2017-05-04 17:23:48 | 食品
 (2017/05/04 22:51追記) 

 私は以前から、ビールはキリンの「一番搾り」と、同社のノンアルコール・ビールテイスト「キリンフリー」を購入していた。鉄工所務めの為に真夏は大量に汗をかくので、仕事後のビールは私にとって必須である。特に真夏は心身共に疲れる為、ビールでも飲まないとやっってられない気持ちにもなり、また、汗をかいた後のビールは格別に旨いものである。
 私は最近、酒は殆ど飲まない。別に飲みたいとも思わない。酒でストレスを発散する必要も無い。それでもさすがに、真夏だけはビールが必要である。しかし、1日1合程度の酒を飲むのは健康に良いらしい。
 私はお金持ちでは無い為、例え夏しか飲まないにしても、コストを気に掛ける。また、健康志向なので、食品が有機栽培であるかや無添加であるか等を気にする。その為、前述の組み合わせで購入していた。
 「一番搾り」は「本物のビール」である為に、値段は高い。しかし、原材料は麦芽とホップのみである。一方、「偽物のビール」である「キリンフリー」は、値段が安いものの、原材料として麦芽、糖類(果糖ブドウ糖液糖、水あめ)、ホップ、酸味料、香料と、多くのものが使われている。それでも他のノンアルコール・ビールテイストや発泡酒と比べると、人工合成甘味料、着色料、酸化防止剤、調味料が無添加で、麦芽100%麦汁使用、国産である為に安全・安心であると思って選んで購入していた。
 ところが、2015年から糖類の原料として使われているトウモロコシが遺伝子組換え「不分別」のものを使用している事を知った。また、キリン以外の他の3社も同様に、発泡酒・新ジャンル(第3のビール)に入れる糖類に使うトウモロコシは遺伝子組み換えが混じっている。しかし同じトウモロコシが原料でも、コーンスターチは各社とも非遺伝子組み換えを使用しているとの事である。その分別管理していない材料を使用する理由として、調達環境が厳しくなっている故の安定供給をする為との事である。
 またビールだけでは無く、生後間もない赤ちゃんの飲む「粉ミルク」も、遺伝子組み換え原料の加工品が原材料として使われているとの事である。粉ミルクの原料の約70%は牛乳の加工品で、残り約30%が油脂と添加物となっており、メーカー6社は、輸入による遺伝子組換えの大豆・トウモロコシ・ナタネを原料とする油脂や糖類を加工原材料としているとの事である。
 働き盛りの成人は抵抗力・免疫力が高いが、赤ちゃん年少の子供たち、お年寄りの方々は、それらが低く弱い。それ故、その様な粉ミルクを飲む事は大変危険である。また母乳にしても、母親の摂取しているものが入っている。農薬化学合成添加物を使用した食べ物や、医薬品、タバコ、生物濃縮された魚や貝等の成分が、母乳に含まれている
 最近、昔の道徳規範・意識から離れた行動を取る子供やその親が多い。その原因の一つが、戦後の食生活のアメリカ化にあるものと思われる。遺伝子組換え原料も、最近の米国のオーガニック食品ブームからの遺伝子組み換え材料の余剰により、その分が日本の市場へと流れて供給されている様である。

 本ブログ過去の関連記事  
  ・2013/07/15付:「TPP参入による食の崩壊・・・人間による生命の支配・操作」
  ・2013/10/24付:「『自然療法』は、自然に任せる、天に任せる、創造主に委ねる事・・・『自然療法が『体』を変える~免疫力が増幅する”クスリを使わない”医学』を読んで」
  ・2014/01/26付:「ダイエット飲料と宣伝しながら発がん性物質を添加する企業のマーケティング戦略」
  ・2014/05/03付:「食品添加物から身を守る為に・・・「プライベートブランド食品の危険度調べました 」&「食べるなら、どっち! ? 不安食品見極めガイド」を読んで」  
  ・2015/04/19付:「ヒト中絶胎児細胞が混入されているワクチン・飲食品」  
  ・2017/03/29付:「生命倫理とは『神の倫理』、生命は『神の領域』・・・人工授精、出生前診断、人工妊娠中絶、遺伝子組み換え、ゲノム編集……そして創造主・神の『創造論』に対する悪魔・人間の『進化論』」
  ・2017/04/03付:「増加する認知症の一原因・食品等に含有のヒト中絶胎児細胞、トランス脂肪酸、添加物・・・『共食い』による人の『狂牛病』、治療薬『タミフル』の異常行動、ワクチンの水銀、精神薬、欧米に逆行する日本の規制緩和」
  ・2017/04/23付:「自然治癒力、根本原因の把握、精神的自立と自律、自信、自己責任の覚悟、そして日々、創造主により生かされる事に感謝・・・『病気は自分で治す 免疫学101の処方箋』を読む」

 (2017/05/04 22:51追記) 
  ・2013/09/24付:「カネミ油症事件から45年、沈黙を破る被害者」

 参考文献
  ・2016/09/02付・Tanet(たねっと):「ビールおよび発泡酒等の遺伝子組み換え原材料(コーンスターチ・糖類)について大手ビール4社の回答」
  ・2016/09/06付・Tanet(たねっと):「粉ミルクの遺伝子組み換え原材料に関する大手メーカー6社の回答」

続・増加する認知症・脳卒中の原因・・・「人工甘味料」が含まれる「ダイエット飲料」「糖分ゼロ」「カロリーゼロ」の飲食品

2017-05-04 15:29:45 | 食品
 昨今、缶コーヒービール、コーラジュース等清涼飲料水、ガム、菓子、歯磨き粉、のどスプレー等に、天然物では無い「人工甘味料」を添加物として原材料に使用されている品物が多い。その化学的に合成された「人工甘味料」には、アスパルテーム・L・フェニルアラニン化合物、アセスルファムK(アセスルファム・カリウム)、スクラロース、サッカリン(サッカリン・ナトリウム)、ネオテーム等が在る。それらは、砂糖等の天然の甘味料と異なり、糖分を含まず、それ故にカロリーも無しと言う事で、「ダイエット飲料」、「糖分ゼロ」、「カロリーゼロ」の謳い文句で、メーカーが頻繁に宣伝を繰り返している。メーカー側としては、天然物を使用するよりも安定的に原料の調達もし易く、その分コストも下げる事が出来る事から、それらを使用する事に繋がっている。
 しかしその「人工甘味料」を使用する事で、脳腫瘍肝機能低下、免疫機能低下等を引き起こすと言われて来た。その上に先日、アメリカの幾つかの大学の研究班が、ある地域の脳卒中認知症の住民の食生活を調べたところ、人工甘味料入りのダイエット飲料を飲む機会が多い人の方が、飲む機会の少ない人に比べて発症する確率が高い事が判ったとの事である。また、砂糖入りの飲料については、余り影響が見られないとの事である。しかし、これらはあくまでも調査データからの分析によるものである為に、更なる原因の究明と裏付けを取る必要があると言う。
 食品医薬品、歯磨き粉、石鹸、シャンプー、洗剤等には、様々な化学合成添加物が含まれているが、そのどれもが発がん性等の危険性が指摘されている。しかし、国が利権関係から規制緩和をする事に乗じて、メーカーは利益・採算を優先して、安直にそれらの添加物を使用している。メーカーには、昔の日本人が持っていた「公義・仁・誠」の精神が必要な事と、消費者には多少値が張ろうとも本物を志向する考えが必要に思う。
 因みに、ノンアルコール・ビール発泡酒等の「偽物のビール」には様々な添加物が入っているが、本物のビールは、麦芽とホップのみである。

 本ブログ過去の関連記事
  ・2014/01/26付:「ダイエット飲料と宣伝しながら発がん性物質を添加する企業のマーケティング戦略」
  ・2014/05/03付:「食品添加物から身を守る為に・・・「プライベートブランド食品の危険度調べました 」&「食べるなら、どっち! ? 不安食品見極めガイド」を読んで」
  ・2015/04/19付:「ヒト中絶胎児細胞が混入されているワクチン・飲食品」
  ・2017/04/03付:「増加する認知症の一原因・食品等に含有のヒト中絶胎児細胞、トランス脂肪酸、添加物・・・『共食い』による人の『狂牛病』、治療薬『タミフル』の異常行動、ワクチンの水銀、精神薬、欧米に逆行する日本の規制緩和」
  ・2013/10/24付:「『自然療法』は、自然に任せる、天に任せる、創造主に委ねる事・・・『自然療法が『体』を変える~免疫力が増幅する”クスリを使わない”医学』を読んで」
  ・2017/04/23付:「自然治癒力、根本原因の把握、精神的自立と自律、自信、自己責任の覚悟、そして日々、創造主により生かされる事に感謝・・・『病気は自分で治す 免疫学101の処方箋』を読む」

 参考文献
  ・2017/04/22付・朝日新聞:「ダイエット飲料飲む人、脳卒中・認知症リスク3倍 米大」