狷介不羈の寄留者TNの日々、沈思黙考

多くの失敗と後悔から得た考え方・捉え方・共感を持つ私が、独り静かに黙想、祈り、悔い改め、常識に囚われず根拠を問う。

「約束の日 安倍晋三試論」を読む・・・官僚との闘い、挫折、そして復活した現在、高い理念と志を基に長期安定政権の中、美しい国創設と憲法改正実現の向こうにある国家独立に向け前進する

2017-04-27 03:24:10 | 日本政治・総合 2012~2017
 次の本を読む。
 「約束の日 安倍晋三試論」(著者:小川榮太郎氏、出版社:幻冬舎、出版日:2012/08/31)

 安倍晋三・現首相が、史上最年少の52歳で首相になられ、第一次安倍政権を執られていた2006年から2007年(平成18年から平成19年)の頃、私は政治には興味が無かった。また、私が政治をはじめとした時事問題に興味を持ち出した2012年(平成24年)、その年の末に自民党が再び政権に戻ると同時に、第二次安倍政権を執られた出した当初も、安倍首相の事は余り理解していなかった。ただ、2001年から2006年の間に政権を執られ、当時マスコミや国民から煽てられていた前任の小泉純一郎・元首相とは、随分イメージが違うな、とは感じていた。第3次小泉改造内閣(2005年から2006年)の時、テレビの画像の中で内閣官房長官として小泉首相(当時)の側にいつもいた事を憶えているが、その為に政権を執られた時には小泉路線の継承かと想いきや、当時全くの政治音痴ではありながらも全然違うのではないかという感じがしていた。その私の感覚は、本書を読む事で納得に繋がった。
 第一次安倍政権を不本意ながら1年の短期間で終えられた安倍首相は、若く有能で、且つ高い理念と信条・理想、そして日本の正しい歴史認識を持っていた事から、政権降板当初から周囲の保守派の間では惜しむ声が多々有り、再登板を望む声が絶えなかったらしい。またその後の2009年(平成21年)には民主党(現・民進党)政権に移り変わり、自民党は下野した。
 その様な中、安倍元首相(当時)は、大阪・読売テレビの「たかじんのそこまで言って委員会」によく呼ばれていた様である。私は関西に住んでいながら、その番組を初めて見たのは、政治に関心を持ち出した2012年であったので、それ以前の事は余り知らない。司会者の故やしきたかじん氏は見る目がある事が有名で、たかじん氏が取り上げ世話した人達は皆、その後に出世しているそうである。たかじん氏が亡くなられた後で追悼特別番組が放送されていた中、たかじん氏と同番組出演者の勝谷誠彦氏と共に、安倍首相が温泉に入られていた映像は、とても印象的であった。高い理念や志を持ちながらも、不本意にして政権を終え首相を辞任した後の失意と絶望感に苛まれる中で、当番組に大きく救われたのではないかと思われる。その番組には、評論家の三宅久之氏や金美齢氏、橋下徹・元大阪市長等もレギュラー出演していたらしいので、保守派の論客や、自身と同じ様な考え方を持っておられる周囲の人たちの支援や励ましを受けながら臥薪嘗胆をした事で、現在の長期安定政権に繋がったものと思われる。
 不本意ながら1年程の短期間で政権退陣と首相辞任した理由として、政権閣僚のスキャンダル体調不良が挙げられているが、本書には書かれていない事だが、実はアメリカの工作があったとも言われている。
 私が本書を手にしたのは、2015年(平成27年)夏の安保関連法案が成立間近な頃で、左翼が依然として反対デモを行っていた頃である。そしてその1年程の後(2016年・平成28年)には参議院選挙が行われ、既に2/3以上の日本国憲法・改憲派議員で占められている衆議院と共に、改憲派が非改選議席と併せて総議席数の2/3以上を占める事となり、憲法96条で規定されている、改憲議案に対する衆参両院での2/3以上の賛成が得られて発議出来る可能性が生まれ、その後の改憲の為の国民投票への道が初めて見えて来た。
 安倍首相の事を余り理解していなかったどころか、日本国憲法も読んだことが無かった。その憲法に関する本を手にしたのも、丁度同じ頃であった。
 日本国憲法は自衛隊を否定しているだけでは無く、前文には凡そ有り得ない理想が書かれている。日本の国柄や歴史・伝統・文化を無視し、国家主権よりも国民主権に偏り、公への奉仕や義務・責任よりも個人の権利や自由に偏っている。また、天皇を憲法の下に置いている。アメリカ占領軍GHQは、占領中の非占領国の改憲禁止の国際法を無視して、素人数人に任せて、他の憲法や独立宣言等を寄せ集めて写させ、1週間程で草案を完成させ、それを押し付け、改憲させた。アメリカは当時、首脳部とGHQ共に社会主義者で固められ、日本を社会主義国にして抑えるつもりであった。その様な現憲法を改正、或いは自主憲法の制定を、安倍首相は目標として持っている。改憲のハードルが高いのは解るが、自民党は党是として持ち続けていながら、他の歴代首相は、経済を優先にするばかりで、全く改憲を行おうとはして来なかった。
 憲法9条の改正先送りする中で、北朝鮮による拉致が増加していき、北朝鮮の核装備、支那(中国)の軍拡と尖閣諸島や南シナ海への侵出等と、危機が迫っている。丁度改憲のタイミングではあるが、現在(2017年4月)のアメリカと北朝鮮との緊張は、その付けが回って来た様に感じる。
 政権が安定する事は良い事である。勿論、長期化する中での慢心、奢り、暴走、緩みへの歯止めは必要である。しかし、今まで日本の政権は短期間である事が多く不安定で、長期展望に沿った政策を行いにくかった。短期間で終わる事を危惧し、また世論の支持率の低下を恐れて、国民に迎合する様な政策、結果を出しやすい政策を取る傾向が多かったのではないかと思う。安倍首相は、その安定した政権において、憲法改正をはじめとした、今まで難題とされて来た様々な改革や法整備を行って行かれる事と思われる。何かと野党やマスコミが粗探しをして足を引っ張ろうとしているが、改革を断行して行って欲しいものである
 私も2~4年前(2013年から2015年)ぐらいから安倍首相の事を理解し出したが、今後の憲法改正等において、政権の努力だけでは無く、国民の理解と、国民の自立精神が必要である。しかし世間一般を客観的に見ると、依存精神が高い様に感じ、それ故、現状維持に甘えたり、危機意識が希薄である様に感じる。
 本書はルポルタージュであり、極めて忠実に、事実が並べられている。冒頭に朝日新聞による安倍首相叩きを持って来て、それが社是である事を報告している。その朝日とは反対に、戦後の全首相を知る前記・三宅氏によれば、歴代首相の中で最も高い志を持っていると高い評価をしていた事も併せて報告している。
 本書は、第二次政権を取る年末の直前の夏に出版されている。第一次政権時において「戦後レジームからの脱却」の国家目標を掲げ、安倍首相(当時)の高い理念、諸改革のスピード、官僚との闘い等が述べられている。闘いは官僚だけでは無く、マスコミ、既得権益層、労組、日教組、日弁連、解放同盟等とも闘った
 政策の実行スピードは、1年の短期間政権での次の諸改革に表れている。拉致問題対策本部の設置と拉致問題担当相の新設、教育基本法改正、防衛庁の防衛省への昇格、憲法改正への布石となる国民投票法制定、天下り規制や教員免許更新制(後に民主党政権により撤回)等の公務員制度改革、在日米軍再編促進特別措置法制定、日本版NSC(国家安全保障会議:National Security Council)設立の為の下準備、第三次政権における集団的自衛権を含めた安保関連法制定への準備となった安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会の設置、等と、その他、社会保険庁の解体・民営化も挑戦しようとした。また、国連安全保障理事会の常任理事国入りに意欲を示した。更に、道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律を制定した。
 経済政策は、前の小泉政権が構造改革であったのに対して成長戦略を掲げ、前政権下で広がった格差の是正を図った。
 従来は事務次官会議決定事項のみ閣議に挙げる事が慣行となっており、官僚が政治家よりも上位に在ったが、それを是正しようとした。また、官邸・閣僚の順送り人事の慣例抜きで総理自ら能力重視で選び、若手改革派を揃えたが、官僚に不満や嫉妬、反発が起こった
 教育においては、個性・自由よりも、志、道徳、自律精神、規範意識、愛国心、公共心、国語力、主体性を重視した。また、ゆとり教育を見直し、教育委員会を問い直した
 美しい国を創るための深い国家像を掲げ、日本の歴史・伝統・文化・自然を大事にし、謙虚・質素・純粋・静心等の美徳、伝統的価値観を重んじた。また、国民一人ひとりの価値観転換、気概、覚悟も必要だとした。
 しかし、靖国神社の参拝を第一次政権時には果たさなかった。
 著者は、安倍首相と、吉田松陰、三島由紀夫氏の3人を対比させ準える試みを本書で見せている。安倍首相が尊敬している松蔭の命日と同じ日を選んで「檄文」を手に決行し自決して犠牲となられた三島氏。安倍首相と三島氏共に松陰を師と仰ぎ、その至誠、無私、知行合一、自立自存、死生観、日本精神、大和心、国の在り方に対する考え、そして自分の命を軽んじ国の行く末を案じる事……、等に、共通性を見出している。
 第一次政権時、官僚との命懸けの孤独な闘いの中で、純粋な志半ばでの辞任。そしてその後、安倍首相は現在復活し、安定した政権の中、美しい国の創設と、憲法改正の実現の向こうにある国家独立とを目にし、前に進む

 「新・教育基本法」(平成18年(2006年)12月22日法律第120号)(ウィキペディア「教育基本法」より引用)
  第2条・「教育の目標」
  「教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
    1.幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。
    2.個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。
    3.正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
    4.生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。
    5.伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。」

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 参考文献
  ・ウィキペディア:「教育基本法」




「約束の日 安倍晋三試論」 「約束の日 安倍晋三試論」
   (著者:小川榮太郎氏、出版社:幻冬舎、出版日:2012/08/31)



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