古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第五章 浦證文・その六

2011年07月24日 15時09分10秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

上の写真の四行目から(通算第三ページ)

解読

 乗組一同打驚帆を下ケ徒かせ入あか汲捨

 精々相働候由ニ候得ども高浪弥増元舩

 難保被存候付水主手道具粮米薪ニ

 至ル迄刎捨諸神江祈願申籠御用物者

読み方

 乗り組み一同打ち驚き、帆を下げつかせ、入りあか汲み捨て

 精々相働き候由に候えども、高浪いや増し、元船

 保ち難く存ぜられ候に付き、水主(かこ)手道具・粮米薪に

 至る迄刎ね捨て、諸神へ祈願申し籠め、御用物は

解説 「打驚」・・・打ち驚き。打ちは強調語。 「徒かせ」・・・徒は「つ」の変体仮名です。 「弥増」・・・いや増し。 「難保」・・・保ちがたく。 「被存候」・・・存ぜられ候。 「手道具」・・・水夫の身の回りの道具類。 「粮米」・・・『ろうまい』、米へんに良。糧米・食料の米。 「迄」・・・占にしんにゅうの文字です。 「刎捨」・・・刎ね捨て。 「申籠」・・・申し籠め。社寺に籠もって祈願する様な形で、祈る事。