古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第四章 極月改書・その三十七

2011年07月16日 13時06分58秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

上の写真の七行目の一つ書きから(通算十八ページ目)

解読

 一 右嘉永寅年ヨリ百五拾四年已前ニ茂

   大地震有之候付其ニも津浪出来其節ハ

   右寅年より一倍大井ニ御座候由承り居候

読み方

 一つ 右嘉永寅年より百五十四年以前にも

    大地震これ有り候に付き、その時にも津浪出来(しゅったい)。その節は

    右寅年より一倍大いに御座候由、承り居り候。

解説 

 「嘉永寅年」・・・一八五四年。 「百五十四年以前」・・・一七00年となり、この年記録に残る大地震は無い。おそらく宝永四年の地震の事と推定されるが、それは一七0七年であり、百四十七年前となる。単なる計算の間違いか、一七00年にも別の大地震が有ったのか、判断は出来かねます。宝永の大地震は規模も大きく、富士山の宝永山が噴火で出来た事でも有名です。この串本地方でも、当時串本町の袋地区に有った無量寺が、津浪で流失し、その後現在地の串本町串本へ再建されたと言う事です。 「出来」・・・この場合は、「しゅったい」と読み、「発生する」という意味です。  「より」・・・合成字。 「一倍」・・・現代で言う「倍」のこと。つまり二倍と同じ。   「大井」・・・「大い」

この古文書はここで終わりです。作成者とか宛名とかが解りません。中途半端のまま、ここまで。