WBO・IBF・WBAヘビー級王座統一戦
WBO・IBFヘビー級王者のウラジミール・クリチコ選手(Wladimir Klitschko)とWBA王者のデビッド・ヘイ選手(David Haye)とが激突するヘビー級注目の大一番はドイツで行われ、ウラジ選手が大差の12回判定で勝利して3団体統一を果たした一戦でした。(体格比較)
ウラジ選手が体の前に左手を置きながらじわじわと出るプレスに動きが硬直して見えた立ち上がりのヘイ選手。要所で伸ばされる正確な左ジャブと巨体が放つ無言のプレッシャーを前に後退を余儀なくされ、苦し紛れの飛び込みにも伸びやかさが感じられなかった序盤のヘイ選手の動きでした。
3回に飛び込みざまの右を当ててからヘイ選手の動きから緊張が抜け、攻撃に伸びと威力・リズムが感じられはじめたのですが、5回にラウンド開始から強いジャブでのプレッシャーを再び強めたウラジ選手がヘイ選手に傾きかけたペースを自らのもとへしっかりと引き寄せます。
以降はウラジ選手のプレッシャーに晒され追い詰められたヘイ選手が半ば苦し紛れのビッグショットをたまに狙う、という展開に終始。11回にはスリップ気味ながらもノックダウンも奪ったウラジ選手が大差の12回3-0判定を掴む、いつも通りの結末でした。
公式のスコアは118-108、117-109、116-110の3-0ウラジ。シロート採点118-110。7回にウラジ選手に減点1
CompuBox Stats: Klitschko Jab Heavy, Haye Not Active
TotalJabs、Punchzone
ウラジはラウンド平均42発のパンチを放ち、そのうち31発がジャブ。また、試合全体でヒットさせた134発のパンチのうち105発がジャブ。
ヘイはラウンド平均24発のパンチしか放たず、これはヘビー級平均の半分の数字。
ウラジ選手のプレッシャーを前にほとんど見せ場を作れなかったヘイ選手でしたが、個人的には予想以上によく頑張った内容に映りました。
ウラジ選手のジャブによく反応できていましたし、強い右を食っても踏みとどまっていることができたのはそのパンチが来るのを見えていて反応できていたからでしょう。9回にウラジ選手のジャブを食って一瞬動きがおかしくなった場面がありましたが、ヘイ選手が効いたように見えた場面はコレだけでこれも意外でした。
それにしてもウラジ選手の安定感、強さはやはり磐石でした。この日はいつも以上に引き締めて戦っていて全く隙ナシ、でした。
ウラジにここまで集中したこの戦い方をされたら太刀打ちできる選手は皆無でしょう。
対抗出来る選手は全く見当たりません。
ウラジ選手は56勝(49KO)3敗。ヘイ選手は25勝(23KO)2敗。
試合動画(megaupload)778.23 MB pass:sweetboxing
試合のハイライト動画
VIDEO: Wladimir Klitschko wins by unanimous decision over David Haye
クリチコが3団体統一王者に/ボクシング(日刊スポーツ)
Klitschko Dominates Reluctant Haye; Wins Unanimous Decision(Ben Thompson/FIGHTHYPE)
HAYE v KLITSCHKO ROUND-BY-ROUND(Sporting Life)
Klitschko Wins UD Over Ultra-Cautious Haye; Haye Talked Big, But Barely Threw(Michael Woods/The Sweet Science)
Wladimir Klitschko Decisions David Haye To Unify Titles(Boxing Scene)
Klitschko reduces Haye to just another overmatched victim(Michael Rosenthal/RingTv)
Haye's talk was cheap, his hands idle(Dan Rafael/ESPN)
David Haye: I Broke My Toe, Couldn't Throw The Right(Boxing Scene)
ヘイ「試合の約3週間前につま先を痛めていた」
Wladimir Laughs at Haye's Toe Injury: It's a Bee Sting(Boxing Scene)
写真
Klitschko defeats Haye(Karl Freitag/Fightnews)
Photos: Klitschko vs Haye Massive Hamburg Fight Gallery(Boxing Scene)
Klitschko-Haye giant photo gallery(Public Address/Stefan Hoyer//Fightnews)
ウラジ対ヘイ 直前情報
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私はビタリが勝つと思っています。
というか、ヘイの絶対的アドバンテージと見られていたスピードがウラジに通用しなかったのがショックですね。
懐に潜ろうとしても、カウンターから右を伸ばしても全て見切られて当たっても浅い、と事前に用意していたプランが何も通用しなかったのかもしれませんね。
まさに完全無欠の王者になってしまった感があります。
対戦するに相応しい相手は……兄貴しか残ってないよなぁ
ただ、それ以上にウラジが盤石の強さを見せましたね
ネットでの評判は今一つみたいですが個人的には両者ともの良さが見えて面白かったです
しかし、この日のウラジは殆ど隙がなかったですね~
あそこまで隙がないと、パンチを避けたあとにカウンターを狙っても、距離がありすぎてまともには当たらないです。
ウラジに強いパンチを当てるには、コンビネーションで4、5発まとめなければいけないのと、避けると距離が空きすぎるので多少ガードを織り交ぜて、距離を縮めるしかないですかね~。
ヘイになんとかしてほしかったので、何とも残念な結果でした。
試合は見ていませんが、江口兄弟の試合では非常に後味の悪さが残った内容だったようです。
相撲の若貴対決もそうでしたが、直接コブシでの打撃を与え合うボクシングを肉親同士で、ってのは無理のある話だと思いますね。
ただビタリ対ウラジってのはカードとしてみた場合非常に興味深く魅力的だというのは同感です。
>さんちょうさん
ボクサーの、いついつまでに引退する、とかが現実になった例は皆無と言っていいですからね。
最近のファン・ディアスのような例もありますが、ヘイは結構しぶとく続けるタイプだと私は思ってます。
逆にクリチコ兄弟の引退、ってのが近づいている気がします。
>樫の木さん
香川さんが指摘していたとおり、じりじりと追いつめられてから半ば仕方無しに飛び込むのではなく、自ら局面を作る仕掛けってのをヘイには見せて欲しかったです。
最終回に見せた右で踏み込んだ後の左フックだとか、左フックで飛び込むとか、ボディからの崩しを試すとか
まぁ傍観者が好き勝手言うのは簡単で、実際はそれをさせないウラジの強烈なプレッシャー、ということなんでしょうけれど。
>SINKさん
私もヘイのディフェンスの反応の良さ、打たれても反応できているので衝撃を逃がせている姿がとても意外でした。
ディフェンスに極めて高い集中力を注いでいたから、だと見ました。
>ヘイ狂さん
ヘイの防御勘はたいした良くない、その癖にガードを下げる、しかも打たれ脆いから常にスリルと隣り合わせ
ってのがこれまでのヘイに抱いていたイメージだったのですが、攻撃から防御に意識の比重を変えることでこの日のような反応・ディフェンスができることに驚きましたし、ヘイを見なおした思いです。(実際は全然違うのかもしれませんが)
ウラジの攻撃はブロックの上から浴びせられても凄い衝撃ですから、まずタフなことが前提条件として必要なのかもしれません。
結果的には大差でしたが、ここ最近の対戦相手で一番可能性を感じました。
ただ倒さないとクリチコ兄弟には勝てないでしょうね。あの堅いジャブがある以上、判定に持ち込まれたら、勝ち目はゼロです。
最高齢王者記録を更新して欲しいです。
私は予想というより、アメダクに勝ってほしいです。