WBA暫定ウェルター級王座決定戦
24歳の米国人ウェルター級ホープ、キース・サーマン選手(Keith Thurman)と27歳のアルゼンチン人ディエゴ・チャベス選手(Diego Gabriel Chaves)。無敗で強打の新鋭同士が激突した暫定王座決定戦は米国テキサス州で行われ、サーマン選手が10回TKOで勝利して空位の王座に就いた一戦でした。(体格比較)
スタートから積極的に出たチャベス選手の攻撃がリードしたように見えた試合序盤戦。力強い左フックや右ストレート、ボディブローなどの鋭い攻撃がサーマン選手をキャッチします。3回には左アッパーを上手く当ててサーマン選手を押し込んでいく場面も見せます。
しかしチャベス選手の強く見える攻撃を貰ってもほとんど怯んだ様子を見せず、フットワークを使いながら左ジャブ、左フックのリードを使っての自らのボクシングを淡々と貫くサーマン選手。4回には正確な左フックを再三好打してペースを引き寄せます。カウンターで当てていた右フックも見事でした。
以降チャベス選手の力強いショットが入る、かすめる場面が依然としてあったものの、左フックと左ジャブでのサーマン選手のボクシングがペースをコントロールしていったようにみえた流れが続いて行きました。
そして9回、チャベス選手の左ジャブをスリップしてから決めた左フックのボディブローでサーマン選手がノックダウンを奪います。この日初めて見せたホールディングなどを駆使してなんとかこのラウンドは凌いだチャベス選手でしたがダメージは深く、続く10回開始早々に再びボディを攻められて力なくロープへ後退し、最後は右フックを決められてこの試合2度目のノックダウンを喫した後のストップでした。
8回終了時までのオフィシャルの採点は87-83が2人、86-84が1人でいずれもサーマンがリードだった模様。シロート採点88-82サーマン。とはいうものの8回にノックダウンがあったので、それまでを見ればオフィシャルの1人はドローと見ていたわけで、事実クロスした展開が続いていた接戦でした。
(Showtimeの実況席での採点では85-85,88-82,86-84の2-0サーマン)
サーマン選手は勢いに任せた攻めが持ち味の強打者となんとなくイメージしてたのですが、この日はクレバーなボクシングが非常に印象的でした。攻めすぎず守りすぎず、攻守のバランスが非常に巧みに見えたこの日のパフォーマンスでした。
左ジャブを見せながら繰り出す左フックや左アッパー、左フックや右ストレート・フックでのカウンターブロー、逆ワンツーでの攻めなど、その時当たるパンチを出せるセンスみたいなものも感じました。期待したいです。
サーマン選手は21勝(19KO)。チャベス選手は22勝(18KO)1敗。
Keith Thurman Bombs Out Diego Chaves In 10 Rounds(Jake Donovan/Boxing Scene)
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