
IBFヘビー級王座・挑戦者決定戦
IBFで1位にランクされるブルガリア人のクブラト・プレフ選手(Kubrat Pulev)と4位にランクされる米国人のベテランサウスポー、トニー・トンプソン選手(Tony Thompson)との間で争われたヘビー級の指名挑戦者決定戦はドイツで行われ、プレフ選手が12回3-0判定で勝利してウラジ選手の持つ王座への指名挑戦権を獲得しています。
大柄なサウスポーのトンプソン選手がやりにくいのか、非常に手数が少ないプレフ選手の立ち上がり。トンプソン選手も手数が多いとは言えないのですが、様子見で伸ばす上下への右ジャブにポイントが流れ続けていたスタートの3ラウンズでした。
4回あたりから右ストレートでの攻めを徐々に見せはじめたプレフ選手。ワンツーや逆ワンツーを繰り出し始めてペースを引き寄せますが、なかなか強いヒットは決めきれません。7回8回とトンプソン選手がガードを固めながら前に出てくると、クロスレンジでの道具を思った以上に持ち合わせていないところも見せてホールディングせざるを得ないプレフ選手。
しかしこの7回8回で前に出たことでスタミナをロスしたトンプソン選手の動きがそれまで以上に落ちると、試合終盤は左ジャブや右ストレートなどの積極的な攻めでペースを奪い、プレフ選手がユナニマスの判定を得てタイトル挑戦権を獲得しています。
公式のスコアは116-112、118-110、117-111の3-0プレフ。シロート採点116-112プレフ。
ディミトレンコやウスティノフのような自分よりも大きな相手を倒してきているプレフでしたが、この日はトンプソンのサウスポー構えが戦いを難しくしていたのでしょうか?あるいはプライス選手を打ち砕いた米国人の強打に対する警戒ゆえだったのか、手が出ないor出せないプレフ選手の戦いが意外でした。
プレフ選手は18勝(9KO)。トンプソン選手は38勝(26KO)4敗。
Kubrat Pulev Outworks Tony Thompson, Earns Title Shot(Alexey Sukachev/BoxingScene)
Kubrat Pulev outpoints Tony Thompson to earn shot at Wladimir Klitschko(Scott Christ/BadLeftHook)
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個人的な意見ですがウラジと対戦してもかなり善戦するのでは?との期待もあって楽しみです。
自分は逆にウラジに勝つのは無理だなとこの試合で感じました。
これまでの試合で見せていた強い左ジャブってのがこの日は見れなくて、それが拙戦になってしまった要因に見えました。
対左ということだったからなのか、それとは別の理由があるのかわかりませんが、とりあえずこの日のボクシング、手数ではクリチコ兄弟攻略は難しい、
ってのが私の感想です。