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アンドレ・ウォード対アラン・グリーン(2010/06/19)

2010-06-20 12:50:40 | ボクシング
WBAスーパーミドル級タイトルマッチ

スーパー6の2ndステージ最終戦、アンドレ・ウォード選手(Andre Ward)対アラン・グリーン選手(Allan Green)の一戦はウォード選手の地元米カリフォルニア州で行われ、ウォード選手がジャッジ3氏すべて120-108とスコアした完全シャットアウトの判定で勝利してスーパー6トーナメント出場選手で唯一2戦全勝とした一戦でした。(体格比較)

戦線離脱したジャーメイン・テイラー選手に代わって今回からスーパー6に参戦したグリーン選手でしたが、ファイトする意思を全く感じさせない消極的なボクシングに終始し非常に残念でした。
身長リーチで勝るグリーン選手がじわじわとプレスを掛けるのに対し、右構えに構えるウォード選手が上下へジャブを散らしてチャンスを窺った初回立ち上がりでしたが、初回終盤からウォード選手がグリーン選手を体ごとロープへ押し込んでいく密着戦を挑んで行き、この戦法がモロにハマります。
グリーン選手の長い距離を密着することで完全に殺し、巧みなボディワークで攻撃を防ぎながら小さく腕をたたんだ左フック、アッパーでペースを完全に掌握していきます。

左フックのカウンターや右アッパーなど、距離・スペースが出来た状況でのパンチに切れと怖さも感じさせるグリーン選手なのですが、その絶対数が極端に少なくまた自ら展開を作ろうとする姿勢も見られずウォード選手にされるがまま。
5回終盤に中間距離からの右ストレート、左フックを食ってちょっと効いてしまったグリーン選手。続く6回にも右ストレートでピンチに陥って以降ロープを背にしてのウォード選手の密着戦でのショートフックを何発も浴びせられてしまいます。このラウンド以降はウォード選手の攻撃をホールディングとバックステップで凌ぐのが精一杯で、極端な話6回終了時で試合をストップさせていても良かったと思わせたほどのワンサイドマッチでした。

ウォード選手が密着戦を仕掛けていったのは試合前からのプランだったのか、あるいは初回立ち上がりの攻防を経て選んだ戦法だったのか定かではないのですが、ショートレンジでの攻防スキルがここまで高いというのは予想外の驚きでした。
ただ、ウォード選手の見事なパフォーマンスでの勝利!(←これには違いないのですが)というよりも、グリーン選手の不甲斐ない姿勢に対する落胆が勝ってしまった試合終了時でした。



ウォード選手は22勝(13KO)。グリーン選手は29勝(20KO)2敗。



Ward dominates Green(Robert Hough and Rocco Morales/Fightnews)
Andre Ward Dominates Allan Green Over Twelve Rounds(Mark Vester/Boxing Scene)
ANDRE WARD SHUTS OUT ALLAN GREEN; WINS EVERY ROUND ON THE SCORECARDS(Ben Thompson/FIGHT HYPE)
Andre Ward Becomes The New Leader of The Super Six(Cliff Rold/Boxing Scene)
写真
More on Ward-Green(Photos: Tom Casino/FightNews)
Photos: Andre Ward Wins Easy Over Allan Green(Boxing Scene)

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6 コメント

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Unknown (シェーン)
2010-06-20 14:41:29
得意の長いジャブが通用しないと何も出来ないグリーンがあまりにも不甲斐なかったです。
この選手があのジャーメイン・テイラーの代わりなのはあまりに残念です。


とはいえ、ジャッジ三人にフルマークをつけさせたウォードの頭脳的なファイトは素晴らしいものでした。

どの選手とやっても苦しめる能力を持ったファイターだと思いました。
(ボクはSミドル級最強だと思ってます)

次戦はアブラハムを破ったディレルとですね。とても楽しみです。
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Unknown (サモアン)
2010-06-21 00:17:49
前戦のケスラー戦で、ウォード選手が中間距離での攻防に長けていることはわかっていましたが、ゼロ距離も高度にこなすとは・・・

恐ろしい男ですね。

あらゆるテクニックを身に付けているのでしょうか!?

スーパー6内では、スピードで勝っている(かもしれない、という程度ですが)ディレル選手くらいしか対抗馬はいないのでは?というくらいの圧巻のパフォーマンスでした。
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Unknown (条助)
2010-06-21 00:32:42
ケスラーに勝った時点で、スーパー6の中心はアンドレ・ウォードになるかな~と思ってました。接近戦も器用にこなすとは、思ってた以上に奥が深い選手のようですね。今後もどんな戦いを見せてくれるか楽しみです。
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Unknown (管理人)
2010-06-21 05:33:24
>シェーンさん
まず左ジャブを打たせてもらえなくて、ほとんど為す術なしでした。ポテンシャルの高さはある選手なので受身すぎる姿勢が本当に残念でした。

>サモアンさん
ウォードは打たれて脆いところがあるので、アブラハムやフロッチとの対戦がどうなるか楽しみです。

>条助さん
2巡目が終わってウォードが単独でトップに立つという展開、開幕前は正直全く予想できませんでした。今後も予想を覆すような展開に期待したいです。
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死角が無いウォード (先見の明)
2010-06-23 11:07:00
どうしたら勝てるんだろうと思います
僕も勝てる可能性が有るのは僅かにスピードが勝るような気がするディレルかなと思います
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Unknown (管理人)
2010-06-26 09:51:00
>先見の明さん
ウォードの対ケスラー戦は見事でした。
見事でしたが、スピードを生かした戦いにケスラーのスタイルでは(あるいは今のケスラーでは)ここまで対応できないのかという意味での驚きも大きかった内容でした。
今回のグリーン戦でも密着戦での上手さに感心したのは事実でしたが、それ以上にグリーンの消極的戦いに失望した内容。

ウォードがそこまで突出した存在だとはまだ私は見ていません。
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