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モハメド・アリ対ジョー・フレージャー(1975/10/01)

1975-10-01 19:32:38 | classic

WBA・WBCヘビー級タイトルマッチ

「スリラー・イン・マニラ」として名高い1975年の死闘、2期目のヘビー級王座に君臨していた王者モハメド・アリ選手(Muhammad Ali)に元王者ジョー・フレージャー(Joe Frazier)がフィリピンのマニラで挑んだタイトルマッチ15回戦は、両雄がまさに死力を尽くす大熱闘の末に、14回終了後にフレージャー選手コーナーが続行を断念してアリ選手が勝利した一戦でした。

ボクシングのみならず近代史における最も偉大なスポーツヒーローとして語られる存在の名前「モハメド・アリ」。
その偉大すぎる名前やフレージャー選手との3度目の対戦となったこの試合の持つ意味や重要性。当時の両者の状況、時代背景など、語るべきことが多すぎてとても私の手には負えない試合なのですが、つい先日HBOで放映されたこの試合に関するドキュメンタリーフィルムを目にする機会に恵まれました。(フレージャー氏、ブッチ・ルイス氏やマービス・フレージャーラリー・ホームズカルロス・パディーラ、などなど懐かしい顔ぶれ満載で、非常に見応えのあるドキュメントでした。イメルダ夫人まで登場してました)

14回が終わった時にコーナーに戻ったアリ選手は「もう続けられない」との意思をトレーナーのアンジェロ・ダンディ氏に伝えていたそうです。
アリ選手にとって苦しい状況が続いた試合の中、13回に強烈な右で形勢を逆転させていて、14回もアリ選手が強い攻撃を何度も何度もフレージャー選手に浴びせていて傍目には圧倒的優位な情勢の中、アリ選手自身続ける事はできないとの意思を表していた、ってのには驚きました。このアリ選手に対してダンディ氏は続行を説得。
そしてその同じ時に、対するフレージャー選手コーナーでは全く逆の事が起きていました。続行を強く希望するフレージャー選手、コーナーの面々の中ただ1人チーフトレーナーのエディ・ファッチ氏がギブアップを強く進言。
ファッチ氏を含むフレージャー選手コーナー全てのメンバーがポイントでもリードしていると確信している状況で(実際の公式採点は違っていましたが)、それでもこれ以上続けてはいけないと決断し、そしてそれを実行しての結末だった。
この事は有名な事だったのかもしれませんが(wikiを見たらおもいっきり書いてありましたw)、私は今回初めて知った事であり、そして強烈な衝撃を受けました。
ファッチ氏自身、長いトレーナー生活の間に8人の近しいボクサーの死に直面していたそうで、その事も大きく影響していたであろう勇気ある決断でした。


HBOのドキュメンタリーを見た後に改めてこの試合を見直してみましたが、とにかく今見返してみても寒気を覚えるほどの凄まじい両者の意地のぶつかり合いが続いた激闘でした。
試合が終わった後、あまりの疲労で座り込んでしまい立ち上がれなくなってしまったアリ選手。ファッチ氏の決断はフレージャー選手のみならずアリ選手の命をも救ったものだったのかもしれません。





2009-04-14 19:32:38



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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (asikawa)
2009-04-14 23:00:05
この時代の試合はまさにボクシングのCLASSICです。
14R、アリが口を半開きでワンツーを何度も打つ姿、
それをひたすらにボビングするフレージャー、と
共に極限の本能で戦ってました。

終了後、アリが放心した表情でリングに座り込み、
何故かコーナーではなく、リング中央だったのが印象的でした。

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Unknown (管理人)
2009-04-15 20:26:13
>asikawaさん
まさに仰るとおりの「本能」で戦い続ける両者の姿に圧倒されてしまいます。
スポーツ的な要素を完全に超えていて、見ていて怖ろしくなるほどです。

試合後にアリがリングの真ん中に座っていたのは、フレージャーのギブアップを聞いてアリが勝利をアピール(?)しに立ち上がってふらふらとリング中央に歩いていったものの、そこで崩れ落ちるように倒れてしまったせいのようです。その場で周りの人間に助けらながらようやく丸椅子に腰を下ろしていました。
このシーンからアリは15回を戦う体力は残っていなかったので、フレージャーがギブアップしなければ勝敗は逆転していた、と記者が言っていたのですが(HBO番組で)、もし15回が行われていたとしたらアリは意志の力で最後まで戦い抜いていたんじゃないかと、私は感じました。

試合後に本当に参ったという表情で「He is THOUGH! He is THOUGH!! He is greatest fighter 本当に疲れた、もう何もしたくない。1週間休みたいよ」とアリが言っていたシーンがすごく印象的です。
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Unknown (管理人)
2009-04-15 22:09:55
toughっすね スペルミスは恥ずかしい・・w
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Unknown (Unknown)
2009-05-03 09:19:38
アリって意外とスタミナないんだね
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Unknown (Jin)
2009-05-13 08:08:47
世界でもっとも有名なアスリートの一人アリの最も壮絶な試合…すごい試合ですよね。
私のまわりでもアリの名前は知っていても試合は観た事がない人が増えています。
この試合を観てもらえばアリやフレージャーの素晴らしさ、ボクシングの面白さが一般の人達にも伝わり格闘技としてのボクシングがもっと人気がでるような気がします。
と思っていたら NHK-BShi 6/9 20:00~ アリVSフレージャーのドキュメンタリー番組が放送されます。
某民放でのボクシングのバラエティー扱いと違い、ひさびさのNHKでの良質なボクシング番組期待大!です。

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Unknown (管理人)
2009-05-13 18:26:30
>Unknownさん
その見方を否定はしませんが、私はこの試合以上の「死闘」は見たことがありませんし、これからも無いと思います。

>Jinさん
貴重な情報感謝です!
http://cgi4.nhk.or.jp/topepg/xmldef/epg3.cgi?setup=/bs/premium8-tue/main
プレミアム8ってやつですね。
番組紹介の内容を見ると、私が見たHBOのドキュメントと同じものかもしれません。
私がHBOのドキュメントを見たときは、丁度日本のリングで大きな事故があった後で色々と考える事の多かった時で(今もなんですが)、そんな時に知ったファッチ氏の決断にショックを受けました。
我が家には今テレビが無いのでw家族か知人に頼んで録画してもらいます!
1ヵ月後だから忘れないようにしましょうね!w
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アリがいてこそ・・・光った? (ベかお)
2011-11-08 17:41:59
スリラーインマニラ、ランブルインザジャングル、バトルオブニューオリンズ、、、かっこいい響き! これに対抗できるのは日本だと猪木対マサ斉藤の巌流島の戦いか??
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Unknown (管理人)
2011-11-09 19:28:08
>ベかおさん
アリという強力過ぎる格が存在したからフレージャーの存在が光った、
というのは確かだと思います。
ただアリを輝かせたのはフレージャーをはじめとする数々の素晴らしいライバルたちの存在があってこそ、というのも事実でしょう。

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