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展望 パッキャオ対マルケス3

2011-11-11 20:07:08 | 展望・直前情報

6階級制覇のPFPキング、マニー・パッキャオ選手と3階級制覇のベテラン戦士ファン・マヌエル・マルケス選手とによる注目のウェルター級タイトルマッチが目前に迫っています。

2004年と2008年に対戦している両者。
7年前の第1戦ではフェザー級王者だったマルケスに挑んだパッキャオが初回からいきなり3度のノックダウンを奪ったものの、マルケスの驚異的な追い上げにあって12回三者三様のドロー決着。
ファン・マヌエル・マルケス対マニー・パッキャオ(2004/05/08)
3年前の第2戦ではマルケス選手の保持していたスーパーフェザー級王座を賭けて争われ、12ラウンズに渡って両者が一進一退のクロスした戦いを繰り広げたものの、パッキャオが3ラウンドに奪ったノックダウンが結果的にものを言う形で僅差の2-1判定を制し、パッキャオが勝利。
ファン・マヌエル・マルケス対マニー・パッキャオ(2008/03/15)
Round by Round マルケス対パック2

2試合ともに非常にクロスした争いが続いた接戦であり、1戦目も2戦目も本当はマルケスが勝っていた、いやパックの勝利だ、との論争がいまだに絶えることのない試合内容で今回行われる3戦目はまさに決着戦であり、両者の意気込みも相当のものだ、と伝わってきていて期待が高まります。

今回ウェルター級で行われるこの試合、パッキャオはデラホーヤ戦以降、ハットン戦を除く5試合をウェルター級以上の試合をこなしていて、いまや押しも押されぬウェルター級の選手。(コット戦は145のキャッチウェイトで実施された)
かたやマルケスは2009年9月に行われた対メイウェザー戦がウェルター級で戦った唯一の試合、という両者のウェイトの違いがこの試合を占う大きな鍵になりそうであります。(ちなみに今回の試合は144のキャッチ)

しかし両者の過去の当日体重を見てみると、パッキャオの体重はスーパーフェザー級当時から現在までそんなに極端に増加しているとは言えず、マルケスもまたSFeの頃から思った以上に重い体重で戦っていた、というのがわかります。

パッキャオ対マルケス2の時の両者の当日体重パック145、マルケス141
ライト級で戦った対カッツシディス戦の当日145ディアス2の当日143というマルケスの当日体重データ。
パックはウェルター級リミットで行われたデラホーヤ戦の当日148.5、SL級での試合だったハットン戦148、SW級タイトルマッチだったマルガリート戦148
これらのデータを見るにパックは今回も148あたりで仕上げてくるのは確実?、一方当日体重が緩やかに上昇傾向にあるマルケスは少なくともカッツディス戦の145以上、もしかするとパックよりも当日体重で上回る、ということがあるかもしれません。
ここで心配なのが体重増によってマルケスの動きが鈍る、という点。加齢もあり過去2戦以上の動きを今回マルケスが見せる、という可能性は低いと私は見ます。
一方でウェルター級で戦うことによるパッキャオとのパワー差に粉砕されてしまう、という見方については上記理由により私は否定的。
パワーでパックが上回る、というのは過去2戦がそうだったように今回も同じでしょうが、今回マルケスがクラスを上げて戦うことによって今までなかったパワー差に直面するということは今回の試合に限ってはないのではないか、と思えます。

そしてもう1つこの試合で注目すべきなのは、パッキャオの技術的進化がマルケス相手に発揮できるのか、という点。
マルケス戦以降のパッキャオの対ディアス戦、対デラホーヤ戦で顕著な、縦横無尽のステップワークを刻みながらスピードを生かした攻撃をありとあらゆるアングルから打ち込んでいくノンストップの波状攻撃はマルケス2までのパックにはなかったスタイルでした。
スピードとテンポを生かした究極とも言えたスタイルだったこの2試合のパフォーマンスでしたが、コット戦以降のウェルター級以上での試合ではそこまでスピードに比重を置いた戦いではなく、かつてのようにパワーと突進力にやや比重を戻した戦いでもあったパックで、このあたりのさじ加減をどうするのか、仮にスピードボクシングを展開しようにもマルケス相手にそれをできるのか、など興味と想像は尽きません。

マルケスは基本的に過去2戦同様でしょう。右ストレートや左フック、左ジャブのリードでPFPキング相手に臆することなく積極的な仕掛けを見せ、パッキャオの左ストレートや右フックでの突進にも落ち着いて対処しながら打ち終わりにシャープなカウンターを決めてくることでしょう。
ただ、SFe時よりもクイックネスが落ちていたように映ったL級時代のマルケスの動き。そこからさらにわずかとは言え体重が上積みされることでマルケスの動きは過去2戦よりも落ちているというのは確実なのではないでしょうか。
逆にパックのスピードはクラスを上げても以前同様であり、さらにリズムやスリックさなどではより向上しているという現在。

やはりどう考えてみてもパッキャオの勝利、それもハッキリと決着のつく形での快勝、圧勝、という結果が導かれる気がしてなりません。過去2戦同様のクロスした争いで試合はスタートするかもしれませんが、パッキャオのパワーとスピードにマルケスがついていけなくなるのにそう長いラウンドはかからないのではないでしょうか?
試合が一方的になった末にパックがマルケスをストップすると私は予想します。決着はチャンピオンシップラウンドに差し掛かるあたりでしょうか・・・?

ハーンズがバークレーに勝てなかったり、具志堅さんがフローレスに苦しみそして敗れたり、と
ボクシングにおいて最も厄介とも言える相性という要素が気がかりだったりもするのですが、期待も込めてのパックのストップ勝利予想としておきます。



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2 コメント

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Unknown (さんちょう)
2011-11-11 21:08:06
鋭い分析ですね。僕も最初はウェルターでやったらパッキャオの圧勝かと思いましたが、わからなくなりましたね。しかし今回こそは完全決着を望みます。
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Unknown (管理人)
2011-11-12 13:45:52
>さんちょうさん
この2人の試合ですから期待を裏切ることはないでしょう。
マルケスの執念を見たいです。
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