box観戦記録

100%自分用のリストです

チャッチャイ・サーサークン対マニー・パッキャオ(1998/12/04)

1998-12-04 19:30:13 | classic
WBCフライ級タイトルマッチ

現在P4P最強の座にまで上り詰めたフィリピンの奇跡、マニー・パッキャオ選手(Manny Pacquiao)。彼が最初の世界タイトルを掴んだ11年前のフライ級タイトルマッチを振り返ってみます。当時19歳のパッキャオ選手が敵地タイに乗り込んで王者チャッチャイ・サーサクン選手(Chatchai Sasakul)を8回ノックアウトで粉砕した一戦でした。

1988年のソウル五輪に出場経験のあるチャッチャイ選手。ボクマガのタイ通信員小谷隆一氏のレポでデビュー直後からその名前は日本のファンには知られた存在で(?)、小谷氏の高い評価の通りのテクニックのある好選手でした。
95年にユーリ選手が持っていた世界王座に挑み、この時は判定負けで王座に届きませんでしたが、その後も勝ち続けてユーリ選手の怪我によるブランク中に暫定王者となり、97年11月のユーリ選手との再戦に勝利して正規王者に昇格しこの日まで3度防衛中。
ユーリ選手を攻略した技巧で安定政権を予感させていたチャッチャイ選手で、この日のパッキャオ選手との試合でも持ち前の上手さは見せつけていました。とにかく直線的に出てくるパッキャオ選手に対し右ストレートを的確に当て、左フックを引っ掛けてサイドに出る、対サウスポーのお手本のようなボクシングで挑戦者の前進を完全にコントロールしていました。
しかしチャッチャイ選手の正確なパンチを食いながらも全く意に介さぬ様子で突進を繰り返すパッキャオ選手。野球の投手がピッチングする時のようなフォームで投げつける左ストレートや右フック、体格とパワーを前面に押し出しまくる突貫攻撃が王者の技巧を次第に圧倒。8回に強烈な左ストレートで王者をロープにまで吹き飛ばし、アッパー気味の左ストレートをボディにめり込ませて動きを止め、最後は左のスイングを叩きつけて王者に10カウントを聞かせる豪快な勝利でした。

この頃のパッキャオ選手はとにかく荒っぽいです。
昔のパッキャオはダブルのジャブから左ストレートだけ、だとよく言われますが本当にその通りです。体格での優位とパワー馬力で押しまくるだけの当時のボクシングを見て、その後の現在に至る栄光を予想できた人は皆無なのではないでしょうか。
ただ以前は本当に左だけの選手との印象が強かったのですが、今見返してみると当時から右も強いですね。まあこの頃のパッキャオ選手は体格が他の選手と段違いなのでどんなパンチも強烈なんですが。
あと、良いパンチを貰った時に自らの両グラブを「バシッ」と叩き付け合う仕草。これはこの頃から全然変わってませんw

試合動画(megavideo)




リッキー・ハットン対マニー・パッキャオ(2009/05/02)
オスカー・デラホーヤ対マニー・パッキャオ(2008/12/06)
デビッド・ディアス対マニー・パッキャオ(2008/06/28)
ファン・マヌエル・マルケス対マニー・パッキャオ(2008/03/15)
マニー・パッキャオ対マルコ・アントニオ・バレラ(2007/10/06)
マニー・パッキャオ対ホルヘ・ソリス(2007/04/14)
マニー・パッキャオ対エリック・モラレス(2006/11/18)
レーロホロノ・レドワバ対マニー・パッキャオ(2001/06/23)

2009-06-11 19:30:13


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (条助)
2009-06-12 02:44:49
このころに比べると、この前のハットン戦のパッキャオなんかは随分洗練されてますよねー。さまざまな強豪と戦ってきたんだから当然かもしれませんが。パッキャオは今がキャリアのピークなんでしょうね。
しかし今見ると、パッキャオってよくフライ級まで絞れてましたね。チャッチャイが小さいのか、相当デカく見えます。
返信する
Unknown (管理人)
2009-06-12 18:22:11
>条助さん
ディアス戦から洗練されたスピードボクシングにガラリとスタイルを一新させて、デラホーヤ、ハットン戦でその完成度を高めてみせた劇的な進化とそのスピードに驚きます。
この試合のときに小泉さんが「パッキャオは168~170あるので減量がキツい」と言っていましたから、今とほとんど身長は同じってことですからねぇ。この試合に限らずこの頃は本当にデカく見えます。
しかし10代の頃からこんな無茶な減量を強いたりしてて今もピンピンしてるんですからねぇ。肉体の強靭さってのも持って生まれた特別なものなのかもしれません。
返信する
Unknown (亀田仮設伍號機)
2009-11-17 21:41:56
日本人でパッキャオと唯一戦った寺尾との
試合って、この試合の前戦なんですねぇ。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5434667
寺尾氏は当時、「あのユーリからタイトルを
奪ったチャチャイを力で粉砕する化物が相手
だったんだから、自分が負けても仕方ない」
なんて吹聴してたりするんでしょうか?
デラ戦の予想でも迷い無くパッキャオの勝ちに
していましたw
返信する
Unknown (管理人)
2009-11-18 20:28:47
>亀田仮設伍號機さん
寺尾さんとの試合のときはパックの頭が強烈に入っててちと気の毒でもありましたが、パックの攻撃力の凄まじさは十二分に発揮されていた試合だと思います。
史上最高のファイターとしての論議に名前が出て何の違和感もない男と戦った、ってのは生涯の誇りでしょうね。
返信する

コメントを投稿