ウェルター級12回戦
21ヶ月ぶりにリングに帰って来た5階級制覇の前P4Pキング、フロイド・メイウェザーJr選手(Floyd Mayweather Jr)にメキシコの3階級制覇王者ファン・マヌエル・マルケス選手(Juan Manuel Marquez)がクラスの壁を超えて挑む一戦は、米ラスベガスMGMグランドで行われ、スピードに優るメイウェザー選手が2つ下のクラスのマルケス選手を全く危なげなくコントロールし続ける大差3-0判定で勝利して戦線復帰を果たしています。(体格比較)
久しぶりに帰って来たメイウェザー選手でしたが持ち味のハンドスピードと反応の良さに陰りは見えません。
上下へ散らす左ジャブでマルケス選手との距離を測定しながら、ジャブと同じ距離タイミングから踏み込んで放つ左フックを狙うメイ選手。
2回にマルケス選手の右がヒットして会場が沸いたものの、笑みを浮かべながら全くのノーダメージのメイ選手が直後に放った左フックでマルケス選手をひっくり返したシーンが両者の埋めがたいパワー差を如実に表していました。
以降右ストレートリードでの攻めや、マルケス選手に出させて左フックカウンターを合わせる戦いなど、色々試しながら余裕たっぷりにペースをコントロールし続けるメイ選手の完封勝利でした。
ダウンを奪われて以降も、ダウンを奪われた左フックに対して右のパンチをカウンターで狙い続けていた姿にマルケス選手をマルケス選手たらしめる真髄が見えましたが、メイ選手の堅いディフェンスワークと圧倒的なスピード差を前にマルケス選手の見せ場は12ラウンズを通して皆無でした。
公式のスコアは120-107,119-108,118-109。シロート採点120-107メイ。
マルケス選手が深刻なダメージを負う事無く試合を終えることができて安堵しましたが、これだけの差をみせながら倒そうという意図を感じさせなかったメイ選手の戦いに不満も感じてしまいました。(←言ってる事が矛盾してますが・・)
CompuBox Punch Stats: Total Domination By Floyd
メイウェザー選手は40勝(25KO)。マルケス選手は50勝(37KO)5敗1分。
Mayweather wins easily(Andreas Hale and David Hudson/fightnews)
MAYWEATHER/MARQUEZ RD-BY-RD(Sportinglife)
MONEY'S BACK: Mayweather Thoroughly Outclasses Marquez, Wins Decision(Michael Woods/The Sweet Science)
Five things we learned from Mayweather vs. Marquez(Bryan Armen Graham/SI.com)
Mayweather Scores Lopsided Win Over Marquez(Paul Strauss/EastsideBoxing)
Mayweather masterful, but why no KO?(Dan Rafael/ESPN)
Mayweather Returns, Expected Easy Drubbing of Marquez(Cliff Rold/BoxingScene)
Mayweather didn't accomplish much on Saturday night(Michael Rosenthal/The Ring)
NOT EVEN CLOSE...MAYWEATHER DOMINATES MARQUEZ(Ben Thompson/FIGHTHYPE)
写真
メイウェザー 判定勝ちで1年9か月ぶりの復帰戦を飾る(AFPBB)
Photos: Mayweather/Marquez Massive Gallery, Post-Fight(boxingscene)
ON THE EVE OF HIS RETURN, MAYWEATHER DOMINATES(Chuck Johnson | Photos by Will Hart/HBO)
メイウェザー対マルケス直前情報
フロイド・メイウェザーJr対リッキー・ハットン(2007/12/8)
オスカー・デラホーヤ対フロイド・メイウェザー(2007/05/05)
カルロス・バルドミール対フロイド・メイウェザー(2006/11/04)
ザブ・ジュダー対フロイド・メイウェザー(2006/04/08)
フロイド・メイウェザーJr対デマーカス・コーリー(2004/05/22)
ファン・マヌエル・マルケス対ファン・ディアス(2008/02/28)
ホエル・カサマヨール対ファン・マヌエル・マルケス(2008/09/13)
ファン・マヌエル・マルケス対マニー・パッキャオ(2008/03/15)
ファン・マヌエル・マルケス対ロッキー・ファレス(2007/11/03)
マルコ・アントニオ・バレラ対ファン・マヌエル・マルケス(2007/03/17)
ファン・マヌエル・マルケス対ジムレックス・ハカ(2006/11/25)
クリス・ジョン対ファン・マヌエル・マルケス(2006/03/04)
フレディ・ノーウッド対ファン・マヌエル・マルケス(1999/09/11)
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メイウエザーは以前のままでしたが、マルケスは増量の影響なのか切れ味、パワーとも感じられませんでした。
パッキャオのせいで忘れかけていた「階級の壁」と言う言葉を思い出させるような内容だったと思います。
それにしても、メイウエザーの戦い方には不満が残ります。余裕があると言えば聞こえは良いのですが、まるでスパーリングでもやっているかのようでした。
これだけスピード差も体格差もある相手に対し安全運転しては、今後も実力相応に客を沸かせる選手にはなれ無いでしょう。
マルケスも消化不良で、周囲の目ほどは「やられた」感じはしなかったと思います。
階級の壁を唯一打ち破れるボクサー、パッキャオが、小憎らしいメイウエザーに「歴史的一撃」を加えることを期待してやみません。
やっぱりメイウェザーは負けないボクサーだなって改めて思いました。
賛否両論あるスタイルですが(主に否)、勝ちに徹した素晴らしいボクシングだと思います。
面白味には欠けますが(-_-;)…。
メイウェザーに勝てる選手はやっぱりパッキャオぐらいしか思い浮かびません。
あの昔のような突貫スタイルからの異常に伸びる左ストレートならメイウェザーのディフェンスを崩すかもと想像します。
試合後モズリーとひと悶着あったようですが、両者の試合はぜひ実現してほしいものです。パッキャオとの試合よりも興味があります。
今回、12~15億ぐらいのファイトマネーのうち、約6億は税金の差し押さえで没収。金のための復帰故、パッキャオVSコットの勝者とやらなきゃ金稼げないですから、メイウェザーからするとこの勝者と対戦したいでしょうね。ただ、パッキャオとコットはアラム傘下。ファイトマネーの歩合で揉めそうですねー。アラムは事実、パッキャオがハットン倒した時のインタビューで「試合に勝っても何も学ばない選手がいるが、パッキャオは違うんだ~」とあ~だこ~だ発言してましたし、メイウェザー嫌いのアラムがネックですねー。メイウェザーも自分が不利な歩合の場合は譲らないでしょうし。
何やら、試合後モズリーと一悶着あったみたいですね・・。モズリーはゴールデンボーイプロモーション、金銭次第では対戦の可能性ありですね。
同じくこの日の試合を見てパックには、やはり難しいってのも違うと思います。(この日の試合を見てメイ有利と思い直すとの意)
戦前にも言ったように両者は戦うクラスが違う者同士だったというだけの話であり、メイのこの日のパフォーマンスは以前通りの超一流のものだったということに過ぎないと感じます。
メイのこの日の試合は勘を取り戻すためのリハビリというか試運転だったように私には見えました。
12ラウンズの戦いを確かめるためにあえて倒しに行かなかった、とすら思えるほどでした。
これで海外メディアも次に期待されているパックとの一戦の話題一色の様相ですが、その前にパックはコットとやることを忘れてはならないと思います。
パックがコットに惨敗を喫したとしても私は全く驚きません。
ボクシングの階級にはやはりそれなりの意味があったんだな、と
前回でさえ動きの重さやパワー不足を感じたのに、この”水増し”ウエイトでメイウエザーと戦った事はやはり無謀でした。
規格外の怪物パッキャオの出現で階級制の意義が問われつつあった昨今にあり、ある意味でボクシング界がホッと胸をなで下ろした結果だったのでは無いかと。
ところで、一部では「マルケスが人間サンドバッグのように打たれまくった一方的試合」のように認識してるファンもいるようですが(おそらく試合を見てないのでしょう)、マルケスは採点差ほどのパンチはもらって無かったように思えます。
肉体的ダメージにおいては、激戦続きだったマルケスにとっては「蚊に刺された程度」の試合だったかもしれません。むしろ精神的ダメージが心配です。
あのマルケスですら全くの格下扱い・・・。
才能というのは何と残酷なものかとおもいました。
現役チャンピオンであるパッキャオとのP4P対決是非見てみたいです。
ただ、パッキャオですらメイウェザーに黒星をつけれるというイメージが湧かないんですよね・・・。