WBCスーパーフェザー級タイトルマッチ
ファン・マヌエル・マルケス選手(Juan Manuel Marquez)とマニー・パッキャオ選手(Manny Pacquiao)との4年ぶりの注目の再戦は、前回同様のクロスした展開の末にパッキャオ選手がスプリットの判定を得て3階級制覇を達成しています。(体格比較)
実力拮抗の両者。最終回のゴングが鳴るまで緊張感が途切れない攻防の末に、今回もドローか!?とも思わせる際どい判定でアジアの至宝が久しぶりの世界タイトルを獲得しました。
どちらに振るか微妙なラウンドが続いた、ってのとは違いお互いにラウンドを取り合う一進一退の攻防が続いた末のクロスした採点結果。
最終的に結果を左右したのは、3回にパッキャオ選手がマルケス選手から奪ったダウンでした。
パッキャオ選手の左ストレートの打ち終わりに右を合わせるマルケス選手。パッキャオ選手の強いパンチを受けても必ず打ち返し勢いを遮断するマルケス選手の戦いは非常に有効で、2回終盤にはこの右からフォローした左フックでパッキャオ選手をよろめかせ、3回からは自ら踏み込む右も使いだしペースを完全に掌握したかに見えたマルケス選手。
しかしパッキャオ選手のパワーはやはり凄いものがありました。左ストレートをカウンターで決めて悪い流れを一気にひっくり返します。
前回の試合の初回に3度ダウンを奪った大きく踏み込んで放つ左ではなく、マルケス選手が出てくるところに小さく打ち抜いた素晴らしいカウンターブローでした。
ばったりと大の字に倒れたマルケス選手のダメージは浅くはないように見えたのですが、勇敢に応戦する事でピンチを乗り越えていったガッツはやはり見事なものでした。
6回にバッティングでマルケス選手の右の眉のあたり、8回にマルケス選手の右ストレートでパッキャオ選手の右瞼、9回にパッキャオ選手の左ストレートでマルケス選手の右瞼、が切り裂かれ流血戦となった試合。10回にはパッキャオ選手の左でマルケス選手が棒立ちになる場面を見せるも11回12回と奪い返すなど、最後まで激しいペース争いが続いた熱戦でした。
公式の採点結果は115-112でマルケス選手とパッキャオ選手それぞれの勝利、残るひとりが114-113でパッキャオ選手の勝利を支持していました。(公式スコアシート画像)
ノックダウンが無ければまたしてもドローとなっていたクロスファイト。
パッキャオ選手の試合はちょっと冷静に見れないわたくしなのですが、期待に違わぬ好ファイトだったように思います。シロート採点は114-113パック。
前日の計量時から16ポンド増量して来たパッキャオ選手(129→145)のパワーはやはりこの階級では際立っています。マルケス選手は(130→141)
3階級制覇に成功したフィリピンの英雄。今後の動向からまだまだ目が離せません。
CompuBox: Marquez-Pacquiao Full Punch Stats
Jabs、Powerpunches
パッキャオ選手は46勝(34KO)3敗2分。マルケス選手は48勝(35KO)4敗1分。
Pacquiao slips by Marquez!
Pacquiao Squeaks Past Marquez in Ballyhooed Rematch
Pacquiao vs. Marquez 2: Post Fight Quotes
Manny Pacquiao vs. David Diaz on June 28
Pacquiao-Marquez II: The Post-Fight Report Card
When Pacquiao and Marquez meet in the ring, boxing wins
CompuBox Post Analysis: Marquez-Pacquiao
Pacquiao-Marquez 2: A Closer Look At The Scores
この試合の採点についての考察がなされている興味深い記事です。
意見の分かれる6、9、12ラウンドについて特に詳細に分析し、その結果この試合の勝者はマルケス選手だと、この記事では結論付けています。
Of course, this is only the opinion of one writer.とも書いていますが。(3/26)
写真
PACQUIAO WINS SPLIT DECISION
Photos: Juan Manuel Marquez-Manny Pacquiao
Pacquiao W SD 12 Marquez II Photo Gallery
Pacquiao Defeats Marquez in Close War!
Round by Round マルケス対パック2
マルケス対パッキャオ2・直前情報
ファン・マヌエル・マルケス対ロッキー・ファレス(2007/11/03)
マルコ・アントニオ・バレラ対ファン・マヌエル・マルケス(2007/03/17)
ファン・マヌエル・マルケス対ジムレックス・ハカ(2006/11/25)
マニー・パッキャオ対マルコ・アントニオ・バレラ(2007/10/06)
マニー・パッキャオ対ホルヘ・ソリス(2007/04/14)
マニー・パッキャオ対エリック・モラレス(2006/11/18)
第1戦の動画(HBO)
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パックらしいです。
どこまでも華がありますね。
関係ないですが、ケスラーVSミランダが行われるようですね。どちらにも思い入れがあり、楽しみです。
確かにパックマンはこれで漸く3階級制覇ですか。実質はしているような雰囲気なんですけどね。
パックマンの次の対戦相手は誰になるんでしょう。今回も半年空いていたので、もっと試合やって欲しいですね。個人的にはファン・グスマンのテクニックを破壊するところを見たいですね。バレロやソト、新鋭のユーリオルキス・ガンボアなどいるのでW級同様目が離せないですね
マルケス選手のカウンター作戦を前に思い切った踏み込みが出来なくなっている感じでパッキャオ選手は最後までやりにくそうにしていました。そんなペースの中一気に流れを引き寄せる強打を度々決めていて、パッキャオ選手の逞しさ、実力が感じられた良い試合でした。
>SSさん
マルケス選手はやっぱり一番の強敵だったと改めて感じさせる内容の試合でした。若くはないマルケス選手の今後が気になるところではあります。
ケスラーミランダですか。ミランダ選手はスーパーミドルだとちょっと体格負けしている感じがあるのでケスラー選手有利な気がしますね。
>Ike Quartyさん
パッキャオ選手の次は、この日の前座にも出ていたデビッド・ディアス選手の持つライト級王座への挑戦、てのが一番可能性高そうな感じです。
現在スーパーフェザー級にいる強豪たちもパッキャオ選手を追ってライト級へ上げる、てな展開もあるかもしれませんね。
やっぱりディアス選手のライト級王座がパック選手の次の標的になりそうです。
http://www.boxingscene.com/?m=show&id=13102
6月28日に今回と同じラスベガス、マンダレイベイ。
今回の試合で負ったカットがこの日付までに癒えない場合は7月にずれこむ可能性もアリ。次戦もHBOのペイパービューでの試合になりそう。
との事です。(boxrecのスケジュールにも既に載っていました。http://www.boxrec.com/list_bouts.php?human_id=6129&cat=boxer)
ホントにあのダウンが明暗を分けた感じでした。
パッキャオ選手はライト級に上げるそうですが、
ディアス選手相手ならあっさり4階級制覇
しちゃいそうです。
ここはナチュラルライトのプライドを見せて欲しいですが。ライト級となるとキャンベルやホープカーンもいます。パックのパワーも普通になっちゃうかもしれません。カーンなど180センチくらいあり大きく感じます。
両選手共に好きな選手だったので、どちらにも負けて欲しくない気持ちで全く冷静に見れなかった試合でしたw
接近した採点結果もフェアなものだったし試合後に良い気分になれる素晴らしい試合でした。
>プクーさん
ディアス選手は元々スーパーライト級の選手だけあって馬力はかなり感じさせるのが気がかりではありますが、パッキャオ選手のスピードには全くついていけないのではないでしょうか。
パッキャオ選手の4階級制覇は固いと見ます。
ただそれ以降ライト級(以上)のクラスでパッキャオ選手のパワーがどこまで通じるのかには興味ありますね。
減量苦から解放されてよりパワフルな姿が見れるかもしれません
パックマンが出血したあたり急に失速した様に感じてマルケスが持って行くのかなって思ったんですけどね。
試合終了後パックマンが歩み寄ってもマルケスが応じなかったのが残念、笑顔で抱き合うシーンがみたかったです。
その後もしきりにパックマンがマルケスに声をかけてましたしね。
モラレスもこんな感じだった様な・・・・。
こちらこそ、はじめましてウインキーさん。
>パックマンが出血したあたり急に失速した様に感じてマルケスが持って行くのかなって思ったんですけどね。
8ラウンドですね。
目が見えなくなって顔をしかめ、踏み込もうとして見えなくて慌てて退く。マルケス選手のボディブローで身体を曲げて後退する、あのシーンを見たときは本当にヤバイと思いました。
あんなに露骨に自らの窮地を相手、観客に見せつけなくても良いのにw、とも思うのですが、パッキャオ選手のそういう面もピュアに感じて好感が持てます。(単なるファン心理?)
マルケス選手の態度にはわたくしも気になりました。
試合終了後のシーンだけでなく、試合中頭がぶつかったり、パンチが低く入ったりした後の試合再開時にパッキャオ選手は必ずグローブタッチを求めるのですが、この日はマルケス選手に無視されるので途中からやらなくなってました。
このマルケス選手の態度も、試合に集中し闘争心の塊になっているがゆえ、であろうと私的には好意的に解釈しました。
判定結果が発表される前にマルケス選手に歩み寄ったパッキャオ選手の心中はどんなものだったのでしょうね?
敗北を覚悟していたようにも見えました。
この日のマルケス選手陣営の顔ぶれは、先日イスラエル・バスケス選手との死闘の末に際どい判定を落とした時のマルケス弟とほぼ同じ面々だったのですが、バスケス戦終了直後は興奮を隠せない様子で不満を露にしていた面々が、今回は無念さを滲ませながら静かに結果を受け入れていたように見えた表情がとても印象的でした。