WBC・WBAスーパーライト級タイトルマッチ
統一スーパーライト級王者ダニー・ガルシア選手(Danny Garcia)がマウリシオ・ヘレラ選手(Mauricio Herrera)の挑戦を受けた一戦はガルシア選手の地元プエルトリコで行われ、ガルシア選手が大いに苦しんだものの12回2-0判定で勝利して統一王座4度目の防衛に成功しています。(体格比較)
米国生まれで米国籍ながら両親がプエルトリカンのガルシア選手にとって地元プエルトリコで初の試合。スーパーライト級最強決戦の対マティセー戦をクリアした統一王者にとって、危険度の低い相手に派手な勝利を地元でとの思惑があった試合だと思うのですが、蓋を開けてみればガルシア選手にとって大苦戦を強いられた12ラウンズでした。
初回得意の左フックを狙うガルシア選手に対し、ボディへの左ジャブを当ててリズムを掴んだヘレラ選手。2回からは引き続き決めていたボディジャブに加えて上へのジャブも増やしてペースを完全に掌握していきます。ガルシア選手も左ジャブから組み立てを図った4回や、フットワークを大きく使ってリズムを掴みかけた7回など、ペースを引き寄せかける場面もあるのですが最終的にはヘレラ選手のコンスタントに出る左ジャブで出鼻を挫かれてリズムを狂わされます。中盤以降はジャブを突いて出てくるヘレラ選手のプレスに対して後退を続けた地元の王者。試合最終盤に入って意を決したプレスを敢行して強い左フックや右フックで攻勢を取ることができた局面も作ったものの、最終12回にはヘレラ選手の正確なショットを次々に浴びせられて鼻血を飛び散らされる苦しい状況の中最終ラウンド終了のゴングを聞いた一戦で、ガルシア選手にとっては敗北をも覚悟せざるを得ない大苦戦でした。
CompuBox: Herrera Had 3-1 Jab Edge on Danny Garcia
公式のスコアは116-112ガルシアが2人、114-114ドローが1人の2-0ガルシア。シロート採点116-112ヘレラ。
とにかくヘレラ選手のボディ・顔面へのジャブが正確にヒットし続けていた試合で、このジャブで自らのボクシングのリズムを完全に狂わされてしまってガルシア選手は最後まで打開策を見出せませんでした。ヘレラ選手の巧みなブロッキング、ボディワークでのディフェンスも光っていて、乗りに乗っているはずのガルシア選手が最後まで乗れなかった、という試合でした。
ガルシア選手は28勝(16KO)。ヘレラ選手は20勝(7KO)4敗。
Dougie’s Monday mailbag(Doug Fischer/RingTV):116-112ヘレラ
Danny Garcia Gets Win Over Mauricio Herrera on the Scorecards(Michael Woods/The Sweet Science):116-112ヘレラ
Steve Farhood(Showtime):116-112ヘレラ
Nigel Collins(ESPN):116-114ヘレラ
Danny Garcia gifted majority decision over Herrera(Rocky Esposito/BoxingNews24):116-113ヘレラ
Al Bernstein(Showtime):116-113ヘレラ
Paul Malignaggi(Showtime):116-113ヘレラ
Danny Garcia vs. Mauricio Herrera: Live Round-by-Round Results and Highlights(Kevin McRae/bleacher report):115-113ヘレラ
Danny Garcia vs. Mauricio Herrera: A "Swift" Unjust Decision(John Gatling/Examiner):115-113ヘレラ
Danny Garcia survives to retain title(Dan Rafael/ESPN):114-114
Danny Garcia survives Mauricio Herrera with debatable majority decision win(Scott Christ/Bad Left Hook):114-114
Danny Garcia’s homecoming almost spoiled by Mauricio Herrera(Tim Smith/RingTV):114-114
Danny Garcia MD 12 Mauricio Herrera live round-by-round updates(Lem Satterfield/RingTV):115-113ガルシア
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この選手がじゃあこの花形階級の中心になるかと聞かれれば僕はNOと言わざる得ない選手だと思いました
曲者ですが彼に苦戦を強いられるようではガルシアのキャリアも順風満帆とはいかない気がします
パンチを打つタイミングが独特と解説者が言ってました。
ネット動画で見た時はパンチの無い選手という印象だけでしたが
わかりやすい武器の無いボクサーが結果を出し続けている理由を知るのは面白いです。
プロボドニコフにも勝ってますし暫定王座にも就きました。今後まだまだトップシーンで顔を見せてくれる機会はあるでしょうから活躍に期待したいです。
>ゲートさん
この人の最新試合はまだ見ていません。見れる間にオンデマンドでチェックしておきます。
>aさん
この試合では試合序盤で非常に効果的に入りまくっていたボディジャブを、後半はそのイメージを利用するやり方でパンチを決めていたりもして(ように見えた)いて、なかなかの巧者だと感じました。実力者ですね。