エリック・モラレス対ダニー・ガルシア(2012/03/24)

WBCスーパーライト級王座決定戦

35歳の4階級制覇王者、エリック・モラレス選手(Erik Morales)に24歳のダニー・ガルシア選手(Danny Garcia)が挑むWBC戦は、試合前日の計量で2ポンドオーバーだった王者モラレス選手が王座を剥奪され、ガルシア選手が勝った場合のみ王者になる(モラレス選手が勝てば王座は空位)変則の王座決定戦として行われ、ガルシア選手が11回にノックダウンを奪った末に12回3-0判定を制して王座に就いた一戦でした。(体格比較)

将来の殿堂入りが約束されている生きる伝説モラレス選手。スタートから正確な左ジャブを当てて11歳年下のホープをコントロールしていきます。ガルシア選手はハンドスピードでは優っているように見えるものの、モラレス選手が上下に散らすジャブに悩まされる試合立ち上がりでした。
それでも3回には強い右を当ててモラレス選手を効かせる場面も見せたガルシア選手。6回にも右でモラレス選手をロープに詰める場面を作って徐々にペースを引き寄せて行きました。
いずれのラウンドでのガルシア選手のチャンスは、まず最初にガルシア選手の強いボディブローがあって、それがキッカケにも見えたのですが、ボディが効いてモラレス選手の動きが落ちたところに右を決めた、というよりもボディが強く当たる距離がガルシア選手にとってベストの距離、モラレス選手にとってはちょっと近い距離、みたいな感じに見えて、この局面ではガルシア選手の右のみならず左ジャブも非常に効果的にヒットしていました。
この6回以降ガルシア選手がボディブローや右ストレート、左フック、そして左ジャブをヒットさせてペースを握ったように見えた流れ。とはいうもののモラレス選手も変わらず正確にヒットする左ジャブ、そこから繋ぐワンツー左フックで対抗していて、僅かにガルシア選手がリードしているように見えるものの中盤以降はほぼ互角のペース争いが続いた接戦でした。
10回終盤にモラレス選手が右を当ててこのタイトなペース争いの均衡を破るのですが、11回に効いたガルシア選手を詰めに出た場面でカウンターの左フックを浴びてノックダウンを喫してしまったモラレス選手。自らのアッパーに対してアゴの先端を打ち抜かれたこの一打でのダメージは結構深く、以降最後までダメージが抜け切らない状態のモラレス選手がクロスファイトのラスト2ラウンズを失った末の明白な敗北でした。

CompuBox Stats: Danny Garcia Out-Powers Erik Morales

Powerpunches,Punchzone


公式のスコアは117-110、118-109、116-112の3-0ガルシア。シロート採点116-112ガルシア。
8回9回とモラレス選手が良いリズムで(ポイントはガルシアに振ったけれど)、10回に右を食って効き、さらに11回にも右でかなり追い詰められていたようにも見えたガルシア選手。ノックダウンを奪った左フックはまさに起死回生の一打でした。
(オフィシャルのスコアはちょっと開きすぎにも感じます)

ガルシア選手は23勝(14KO)。モラレス選手は52勝(36KO)8敗。

ボクシング エリック・モラレス vs ダニー・ガルシア

Danny Garcia Unseats Erik Morales, Grabs WBC Crown(BoxingScene)
Tijuana Sunset? Garcia Likely Closes Final Morales Chapter(Cliff Rold/BoxingScene)
Danny Garcia wins title by decision(Dan Rafael/ESPN)
写真
Photos: Erik Morales' Last Stand, Kirkland Wins By DQ(Boxing Scene)
Report/gallery: Garcia vs. Morales(Felipe Leon Photos by Scott Foster/Fight News)
Photo gallery: Kirkland vs. Molina(Ringtv)


複数階級制覇

エリック・モラレス対パブロ・セサール・カノ(2011/07/17)
マルコス・マイダナ対エリック・モラレス(2011/04/09)
エリック・モラレス対ホセ・アルファロ(2010/03/27)
デビッド・ディアス対エリック・モラレス(2007/08/04)
マニー・パッキャオ対エリック・モラレス(2006/11/18)

ダニー・ガルシア対ケンドール・ホルト(2011/10/15)
ダニー・ガルシア対アシュリー・セオフェン(2010/02/26)
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