渋谷・イメージフォーラム。
▼『ジャミン・ザ・ブルース Jammin' the Blues』(監督/ジョン・ミリ、出演/レスター・ヤング、ハリー・エディソン、マーロウ・モリス、シドニー・カーレット、イリノイ・ジャケット、バーニー・ケッセル、ジョー・ジョーンズ、マリー・ブライアント、ジョン・シモンズ、アーチー・サベージ他、1944年)
▼『ストーミー・ウェザー Stormy Weather』(ニコラス・ブラザーズ、監督/アンドルー・L・ストーン、1943年、抜粋)
▼『ハーレムは天国だ Harlem is Heaven』(ビル・ボージャングル・ロビンソン、監督/アーウィン・フランクリン、1932年、抜粋)
▼『ラプソディー・イン・ブラック・アンド・ブルー A Rhapsody in Black and Blue』(ルイ・アームストロング、監督/オーブリー・スコット、1932年)
▼『ブラック・アンド・タン・ファンタジー Black and Tan Fantasy』(デューク・エリントン、フレディ・ワシントン、ホール・ジョンソン合唱団、コットン・クラブ・オーケストラ、監督/ダドリー・マーフィー、1929年)
まず『ジャミン・ザ・ブルース』。ダンスよりもジャズメンたちのセッションが主ではあるが、こんなカッコいい映画があったのかと感動。真黒い背景に絶妙な照明で身体と楽器と紫煙が浮かび上がり、アングルと構図が次々と鋭角的に切り替わる。10分ほどの短編ながら強烈な世界観を感じる独特の映像表現。ニコラス・ブラザーズはアクロバティックなタップで、様々な段差を利用してダンサーおよびカメラが激しく上下移動したり、奥行きが活用されたりする辺り、アステアが激賞する所以かなと思った。それよりビル・ボージャングル・ロビンソン。左右に五段ずつの階段が付いた山型のオブジェ(どこへも通じてはいない階段、いわば純粋階段)を昇ったり降りたりしながらタップを踏むところを、真横からミディアムショットで映していたりするのがすごく面白い。なぜタップに階段が必要なのか?それは足が昇り・降りしようとする際、重力と筋力のバランスの変化、そしてもちろん「上下」に加え「前後」の足の移動が入ることで必然的にステップの「拍」が変化し、リズムに幅が生まれるからだ。さらにいえば昇りと降りでは重力の関係からリズム構造にも違いが出る。人間の筋肉のはたらきと、他ならぬ「音楽」とが、こんなにも生き生きと地続きになれて、しかもそれがこうも歴然と目に見えるというその事実に驚喜する。『黒と茶の幻想』は、エリントンの演奏で踊る踊り子がなぜか舞台袖で具合が悪くなって、一応踊ろうとするけどダメで、エリントンの部屋に担ぎ込まれ、ベッドの周りでバンドが『幻想』を演奏する祝祭的なムードに包まれながらそのまま昇天してしまう異様な筋書。病める舞姫。最後の『スピリット・ムーブス The Spirit Moves』はDVDで出てるやつなのでパスした。
▼『ジャミン・ザ・ブルース Jammin' the Blues』(監督/ジョン・ミリ、出演/レスター・ヤング、ハリー・エディソン、マーロウ・モリス、シドニー・カーレット、イリノイ・ジャケット、バーニー・ケッセル、ジョー・ジョーンズ、マリー・ブライアント、ジョン・シモンズ、アーチー・サベージ他、1944年)
▼『ストーミー・ウェザー Stormy Weather』(ニコラス・ブラザーズ、監督/アンドルー・L・ストーン、1943年、抜粋)
▼『ハーレムは天国だ Harlem is Heaven』(ビル・ボージャングル・ロビンソン、監督/アーウィン・フランクリン、1932年、抜粋)
▼『ラプソディー・イン・ブラック・アンド・ブルー A Rhapsody in Black and Blue』(ルイ・アームストロング、監督/オーブリー・スコット、1932年)
▼『ブラック・アンド・タン・ファンタジー Black and Tan Fantasy』(デューク・エリントン、フレディ・ワシントン、ホール・ジョンソン合唱団、コットン・クラブ・オーケストラ、監督/ダドリー・マーフィー、1929年)
まず『ジャミン・ザ・ブルース』。ダンスよりもジャズメンたちのセッションが主ではあるが、こんなカッコいい映画があったのかと感動。真黒い背景に絶妙な照明で身体と楽器と紫煙が浮かび上がり、アングルと構図が次々と鋭角的に切り替わる。10分ほどの短編ながら強烈な世界観を感じる独特の映像表現。ニコラス・ブラザーズはアクロバティックなタップで、様々な段差を利用してダンサーおよびカメラが激しく上下移動したり、奥行きが活用されたりする辺り、アステアが激賞する所以かなと思った。それよりビル・ボージャングル・ロビンソン。左右に五段ずつの階段が付いた山型のオブジェ(どこへも通じてはいない階段、いわば純粋階段)を昇ったり降りたりしながらタップを踏むところを、真横からミディアムショットで映していたりするのがすごく面白い。なぜタップに階段が必要なのか?それは足が昇り・降りしようとする際、重力と筋力のバランスの変化、そしてもちろん「上下」に加え「前後」の足の移動が入ることで必然的にステップの「拍」が変化し、リズムに幅が生まれるからだ。さらにいえば昇りと降りでは重力の関係からリズム構造にも違いが出る。人間の筋肉のはたらきと、他ならぬ「音楽」とが、こんなにも生き生きと地続きになれて、しかもそれがこうも歴然と目に見えるというその事実に驚喜する。『黒と茶の幻想』は、エリントンの演奏で踊る踊り子がなぜか舞台袖で具合が悪くなって、一応踊ろうとするけどダメで、エリントンの部屋に担ぎ込まれ、ベッドの周りでバンドが『幻想』を演奏する祝祭的なムードに包まれながらそのまま昇天してしまう異様な筋書。病める舞姫。最後の『スピリット・ムーブス The Spirit Moves』はDVDで出てるやつなのでパスした。