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ダンスとか。

『インセプション』('10、クリストファー・ノーラン監督)

2010-08-14 | ダンスとか
Inception, dir. Christopher Nolan

ユナイテッドシネマ岸和田。
夢についての映画というより、映画についての映画だと、ディカプリオが飛行機内で目覚めた瞬間に思った。設定についての説明は最小限しかなく、リズミカルに緩急のついた刺激の連続で時間の流れに乗せられる。エキゾチシズムも、ノワール風味も、チラッと現れてはすぐ蒸発してしまい(こうも激しく行動している人たちの動機すら不明瞭)、文字通り引き伸ばされた形式的な時間だけが剥き出しになる。こんなに凝った前衛風のプロットが、商業ベースでやれてるってことに一番驚くが、それだけに、(夢の構造からして)上の層はどれも「時間稼ぎ」の機能しか果たさないので各層間のクロスカッティングが効果を挙げていない点は物足りなく感じた。各層での行動や出来事が他の層ともっと双方向的に関わるような構造になっていれば、よくあるタイムマシンもの、あるいはパラレルワールドもののようなダイナミックな同時進行性も加わり、さらにグチャグチャな興奮を味わえたことだろうと思う。ところで、一層目で車が横転して、二層目でその影響によって重力の向きが揺れている状態でのアクションシーンが面白かったけど、二層目に影響が出るんだったらどうして三層目以降には出ないのだろう。
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