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ダンスとか。

ダンスビエンナーレ TOKYO 2004 (Fプロ)

2004-11-28 | ダンスとか
青山劇場。
▼クリスティーナ・チュプケ 『リスウムリス(ライン/アウトライン)』
Christina Ciupke, rissumriss (line/outline)
ベルリンのアーティストによるソロ。大空間に照明で縦あるいは横の細い線を作り出し、その光で体の一部だけを見せながら動く。終始無音。闇の中に浮かび上がる、断片化した人体の一部が、単なるよくわからない抽象的な形態のように見えたり、やはり「人体の一部」であるように見えたりして、次第に網膜上の知覚と脳内での認識とがぶつかり合い主導権を争い始める。「形」なのか「人」なのか、ゲシュタルトが揺らぐ。目に映っているものを脳が修正したり、頭で思い描く像が網膜において否定されたりする(だけの)50分。あまりの退屈さにこんなことをボサーッと考えていたらプログラムにほとんど同じようなことが書かれてあって、良くいえば「コンセプトが周到かつ十全に実現されている」ということだが、「言葉で説明してしまえる以上のことが行われていない」ともいえるわけで、そもそも舞台空間をただの光学的な情報に還元してしまう作品コンセプト自体が貧しすぎないか。ちなみにDプロのミリアム・グルフィンクとは交流があるらしい。わかりやすい。
▼カルメン・ワーナー/プロビジョナル・ダンザ 『ピエル(スキン)』
Carmen Werner / PROVISIONAL DANZA, PIEL (skin)
スペインのカンパニー、一昨年に続く登板。ダンサーは女性2、男性3。ソファーやスタンドなどが置かれた室内空間で、黒いスーツを着た男が女を全裸にしたり、水を吹いたり、ユニゾンで踊り出したり、バロックのアリアとテクノがフェードでつながれたり、前回同様ありがちなピナ・バウシュ系タンツテアターの亜流。強いて挙げれば床に脚を伸ばして座った姿勢で髪を振り乱す大きな動きの振付が『ファイン・ロマンス』でも見受けられたもので、この人の特徴といえるのかもしれない。大きな転換なしにモザイク状にシーンが推移していく。63分。
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