新木場・夢の島公園(第五福竜丸展示館脇)。
Soul Power, dir. Jeffrey Levi=Hinte
渋谷・UPLINK X。
フェラ・クティの伝記を読んでいて、アメリカの「ブラックパワー」がアフリカ各国での民主化運動を鼓舞、という関係を知り、その流れでこの映画にも興味をもった。1974年、キンシャサにおけるモハメド・アリとジョージ・フォアマンの試合にジョイントして企画された「ザイール'74」というライヴの記録映画で、ずっとお蔵入りになっていたフィルムを編集したもの。JBのみ三曲の他はみんな一曲ずつというタイトな構成で、音楽映画として見るとちょっと食い足りない。でもディアスポラの「帰還」という歴史的ドラマがライヴという形に具象化されていて、音楽を聞きダンスを見る者の目や耳がそのまま歴史をトレースする想像力へと接続する、その意味ではとても複雑な内容をもっていると思った。一番印象的だったのは、アリが地元の少女とじゃれながら、自分たちは言葉を奪われてしまって、英語とフランス語では話もできやしないけど、もうすぐ言葉も通じるようになるんだぜ、みたいなことを言っているシーン。アフリカっていっても広大で言語も無数にあるんだから、アフリカ人同士なら言葉が通じるっていうイメージ自体が、ディアスポラや植民地化の前にはあり得なかったフィクションで、人と人がつながろうとしてつながりを見出したことの感動が空気として伝わって来た。
渋谷・UPLINK X。
フェラ・クティの伝記を読んでいて、アメリカの「ブラックパワー」がアフリカ各国での民主化運動を鼓舞、という関係を知り、その流れでこの映画にも興味をもった。1974年、キンシャサにおけるモハメド・アリとジョージ・フォアマンの試合にジョイントして企画された「ザイール'74」というライヴの記録映画で、ずっとお蔵入りになっていたフィルムを編集したもの。JBのみ三曲の他はみんな一曲ずつというタイトな構成で、音楽映画として見るとちょっと食い足りない。でもディアスポラの「帰還」という歴史的ドラマがライヴという形に具象化されていて、音楽を聞きダンスを見る者の目や耳がそのまま歴史をトレースする想像力へと接続する、その意味ではとても複雑な内容をもっていると思った。一番印象的だったのは、アリが地元の少女とじゃれながら、自分たちは言葉を奪われてしまって、英語とフランス語では話もできやしないけど、もうすぐ言葉も通じるようになるんだぜ、みたいなことを言っているシーン。アフリカっていっても広大で言語も無数にあるんだから、アフリカ人同士なら言葉が通じるっていうイメージ自体が、ディアスポラや植民地化の前にはあり得なかったフィクションで、人と人がつながろうとしてつながりを見出したことの感動が空気として伝わって来た。