とうとう皮膚科学会も声明を発表しました。
今後「治療目的ではなく予防目的なら保険適応にならない」という考えのもと、保険外しされそうな雰囲気です。
■ 皮膚科用薬が美容アイテムに!? 一般誌で紹介された美容目的の処方に対する問題
(2017年10月17日:メディカル・トリビューン)
医療用ヘパリン類似物質製剤(商品名ヒルドイト、ヒルドイトソフト)が美容アイテムとして雑誌やウェブで紹介され、「乾燥肌(皮脂欠乏症)」などを訴えて皮膚科で同製剤を処方してもらうケースが問題となっている。これに対し、日本皮膚科学会は10月16日に公式サイトで適正処方を呼びかけた。この問題については、健康保険組合連合会(以下、健保連)が10月6日に政策提言を行っている。
医師に処方してもらう方法を説明する記事も
ヘパリン類似物質製剤は、血行促進と皮膚の保湿の作用を有する皮膚科用薬で、血栓性静脈炎(痔核を含む)、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結ならびに疼痛)、進行性指掌角皮症、皮脂欠乏症、外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎などに用いられている。
しかし、一般向けの雑誌やウェブでは、同製剤を美容アイテムとして使用する目的で入手することを勧める記事や処方してもらうための手順を紹介する記事が掲載されているという。
健保連が保湿剤処方の適正化で政策提言
健保連が取りまとめた2014年10月~16年9月の医科および調剤レセプトデータの分析結果によると、保湿剤のみの処方額は男性で約11億円、女性はそのおおよそ1.5倍に当たる約17億円であった。年代別に見ると、25~54歳の処方額は男性が1.2億円であるのに対し、女性はその5倍の5.9億円であったという。
こうした保湿剤の処方をめぐる問題に対し、健保連は10月6日に保湿剤処方の適正化に関する下記の政策提言を発表した。
①皮膚乾燥症に対しヘパリン類似物質または白色ワセリンなどの保湿剤が、他の皮膚科用薬や抗ヒスタミン薬と同時に処方されていない場合は、保湿剤を保険適用から除外する
②一般用医薬品の流通状況などを踏まえ、保湿剤そのものを保険適用外とすることも検討すべき
また、上記の政策を施行した場合に削減が見込まれる医療費についても言及。それによると、①は年間約93億円減、②では年間約1,200億円減と推計されるという。
日本皮膚科学会は、健保連の政策提言に対する見解を会理事会で検討中とし、同学会会員に対しては引き続きヒルドイトなどの医療用ヘパリン類似物質製剤の適正処方に努めるよう呼びかけている。
今後「治療目的ではなく予防目的なら保険適応にならない」という考えのもと、保険外しされそうな雰囲気です。
■ 皮膚科用薬が美容アイテムに!? 一般誌で紹介された美容目的の処方に対する問題
(2017年10月17日:メディカル・トリビューン)
医療用ヘパリン類似物質製剤(商品名ヒルドイト、ヒルドイトソフト)が美容アイテムとして雑誌やウェブで紹介され、「乾燥肌(皮脂欠乏症)」などを訴えて皮膚科で同製剤を処方してもらうケースが問題となっている。これに対し、日本皮膚科学会は10月16日に公式サイトで適正処方を呼びかけた。この問題については、健康保険組合連合会(以下、健保連)が10月6日に政策提言を行っている。
医師に処方してもらう方法を説明する記事も
ヘパリン類似物質製剤は、血行促進と皮膚の保湿の作用を有する皮膚科用薬で、血栓性静脈炎(痔核を含む)、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結ならびに疼痛)、進行性指掌角皮症、皮脂欠乏症、外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎などに用いられている。
しかし、一般向けの雑誌やウェブでは、同製剤を美容アイテムとして使用する目的で入手することを勧める記事や処方してもらうための手順を紹介する記事が掲載されているという。
健保連が保湿剤処方の適正化で政策提言
健保連が取りまとめた2014年10月~16年9月の医科および調剤レセプトデータの分析結果によると、保湿剤のみの処方額は男性で約11億円、女性はそのおおよそ1.5倍に当たる約17億円であった。年代別に見ると、25~54歳の処方額は男性が1.2億円であるのに対し、女性はその5倍の5.9億円であったという。
こうした保湿剤の処方をめぐる問題に対し、健保連は10月6日に保湿剤処方の適正化に関する下記の政策提言を発表した。
①皮膚乾燥症に対しヘパリン類似物質または白色ワセリンなどの保湿剤が、他の皮膚科用薬や抗ヒスタミン薬と同時に処方されていない場合は、保湿剤を保険適用から除外する
②一般用医薬品の流通状況などを踏まえ、保湿剤そのものを保険適用外とすることも検討すべき
また、上記の政策を施行した場合に削減が見込まれる医療費についても言及。それによると、①は年間約93億円減、②では年間約1,200億円減と推計されるという。
日本皮膚科学会は、健保連の政策提言に対する見解を会理事会で検討中とし、同学会会員に対しては引き続きヒルドイトなどの医療用ヘパリン類似物質製剤の適正処方に努めるよう呼びかけている。