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徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

手足口病の妊婦感染で胎児異常の心配は?

2013年08月15日 06時25分20秒 | 小児科診療
 日本全国、手足口病が大流行中です。
 子どもを連れてきたお母さんから「実は私妊娠中なんですが、私が罹るとお腹の赤ちゃんに影響ありますか?」という質問を複数回受けました。風疹感染による先天性風疹症候群(CRS)と同様の病態があるのか心配になるのはうなづけます。
 現時点では、その可能性は確認されていませんのでご安心を。
 もっとも、手足口病を含めた夏風邪(ほかにヘルパンギーナ、プール熱)に関しては、ほとんどの人が子どもの頃に罹り、大人になっても免疫が残っているので子どもが罹ってももらわないのがふつうです。

手足口病の妊婦感染で医会声明 胎児異常の心配はないと説明
(2013年8月1日 日本産婦人科医会)
 日本産婦人科医会の木下勝之会長と先天異常担当常務理事の平原史樹氏は7月25日、手足口病の大流行を受け、妊婦が感染しても胎児異常を心配する必要はないと説明する声明文を発表した。手足口病は主に小児が罹患する感染症であり、妊婦に感染することはまれ。流死産や胎児水腫などの報告はわずかにあるものの、胎児異常との明らかな因果関係を証明した報告はない。もし妊婦が手足口病に罹患しても、対症療法と慎重な経過観察で問題ないと説明している。


 妊婦の感染による胎児感染が問題になるウイルスは、古くから「TORCH症候群」と呼ばれてきました。
T:Toxoplazma(トキソプラズマ)
O:Others(その他)
R:Rubella(風疹)
C:Cytomegalo(サイトメガロ)
H:Herpes Simplex(単純ヘルペス)
 現在話題の風疹も当然入っています。
 今朝のニュースで、またCRS例が増えたことが報道されました。

■ 先天性風疹症候群16例目 過去最多に
(2013年8月14日:NHK)
 風疹の流行の影響で、東京で新たに2人の赤ちゃんが母親が妊娠中に感染したことで障害が出る「先天性風疹症候群」と診断されました。風疹によって障害が出た赤ちゃんはことしに入って11人となり、現在の報告制度が始まってから最も多くなりました。
 風疹は妊娠中の母親が感染すると赤ちゃんの心臓や目、耳などに障害が出る「先天性風疹症候群」になるおそれがあり、去年の春以降、流行が続いています。
 東京都によりますと、先週、新たに2人の赤ちゃんが「先天性風疹症候群」と診断され、ことしに入ってからの人数は都内では6人、全国では11人となりました。
 現在の報告制度が始まった平成11年以降、全国で最も多かったのは平成16年の10人で、このうち都内は3人だったことから今回はいずれも上回り、最も多くなっています。また、去年から続く流行で「先天性風疹症候群」と診断された赤ちゃんは全国では合わせて16人となりました。
 風疹の流行はピークを過ぎていますが、ことしに入ってからの患者数は1万3000人を超え、首都圏や関西を中心に患者数が多い状態が続いています。多くの妊婦の相談に当たっている三井記念病院産婦人科の小島俊行部長は、「障害が出る赤ちゃんは、今後さらに増える恐れがある。風疹の流行はまだ続く可能性があるので、妊娠を希望する女性は今のうちにぜひ予防接種を受けてほしい」と話しています。


 これでも政府・厚生労働省は知らんぷりなのですね・・・怒りを通り越して呆れるばかりです。

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