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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

オペアンプを作ろう⑤ できあがり

2010-06-05 22:56:11 | 電子回路
では回路定数を入れて実際に動作するオペアンプを設計してみましょう。

トランジスタは最もポピュラーな2SC1815と2SA1015です。±両入力端が0Vの時の入力段のエミッタ電流を1mAとしました。よってエミッタ抵抗は15kΩ。このときQ2のIcは0.5mAであり、Q4Q5のVbeの電圧降下分1.4Vに等しくなるようにQ2のコレクタ抵抗を3.3kΩとしました。2段目のQ5のエミッタ抵抗を100Ω、コレクタ抵抗を10kΩとし、よってゲインは10k / 100=40dB、またコレクタ電圧は電源電圧内をほぼフルスイングします。Q8のベース電圧が-1.4Vとなる電流(15-1.4)/10kΩをQ5のニュートラル電流とし2.8Vのバイアス電圧が得られるよう2.2kΩを設定しました。

2つの100pのコンデンサは発振止めです。これは高周波に対する負帰還の道を作ったことに等しく、それによって高周波のゲインを下げて発振を防ごうとするものです。エミッタフォロワの100Ωはね、ちょっと説明が難しいけど安定化動作の目的とでも思っていてください。そう大きくは外れていません。暇のある人は抵抗無しのエミッタ直結で作ってみてください。もしかしたら問題なく動くかも知れません。

【ワンポイント】
発振は入力波形と帰還波形の位相差が0°(360°)で、ゲインが1以上の場合に生じます。

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