紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

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50年代中期のワンホーン、モダンジャズ傑作…ダディ・プレイズ・ザ・ホーン~デクスター・ゴードン

2007-09-21 23:24:02 | ジャズ・テナー・サックス
正統派のモダン・ジャズ、黄金の50年代の中でも屈指の名盤、このアルバムに形容詞を付ければ、枚挙に暇は無いでしょう。

セッションのリーダーは、テナーの「デクスター・ゴードン」。
バックを司るメンバーも、ピアニストに「ケニー・ドリュー」、ベースは「ルロイ・ヴィネガー」、そしてドラムスは、「ラリー・マラブル」と言う渋めだが、名人の好いメンツに恵まれている。

アルバムタイトル…ダディ・プレイズ・ザ・ホーン

パーソネル…リーダー;デクスター・ゴードン(ts)
      ケニー・ドリュー(p)
      ルロイ・ヴィネガー(b)
      ラリー・マラブル(ds)

曲目…1.ダディ・プレイズ・ザ・ホーン、2.コンファメーション、3.ダーン・ザット・ドリーム、4.ナンバー・フォー、5.ニューヨークの秋、6.ユー・キャン・ディペンデント・オン・ミー

1955年9月 LAにて録音

原盤…BETHLEHEM RECORDS BCP-36 発売…東芝EMI
CD番号…TOCJ-62026

演奏について…5曲目「ニューヨークの秋」…季節的には今日の残暑だと、もう一ヶ月後くらいに聴いてみたい気がするが、豪快&男の色香がぷんぷんで思い切り吹き切る「ゴードン」の名演に酔わされる。
また、このバラード曲には、繊細で哀愁タップリの「ドリュー」のシングルトーンを活かしたピアノ・アドリブはジャスト・フィット。
豪快な「ゴードン」を、繊細な「ドリュー」が喰ってしまうぐらい存在感あるピアノ演奏が最高!です。
しかしエンディングでの「ゴードン」の〆一発のフレーズが決まって、かっこいいです。
アルバム中、ベスト演奏に挙げたい、正にストレート・アヘッドな1曲です。

オープニングのアルバムタイトル曲「ダディ~」は、明るめのブルース曲で、「ゴードン」の自作曲。
「ゴードン」は、ユーモアと余裕を併せ持った、寛ぎのフレーズを吹く捲る。
大音量でぶいぶいベースを弾く「ヴィネガー」のハード・パフォーマンスも痺れます。
中盤からは、ブルージーな雰囲気一杯の「ドリュー」とハイハット・シンバルをメインに演奏する「マラブル」のマン・トゥー・マンの対決が面白い。
この「ゴードン」抜きのピアノ・トリオ演奏も、実はすごい実力で聴き所なんです。

2曲目「コンファメーション」は、「C・パーカー」作で有名な曲。
「ゴードン」は、ビ・バップとハード・バップの過渡期にあった、いかにもこの時代らしく、両方の良い部分を行き来する、豪快なアドリブをかましてくれる。
「ドリュー」のソロも「ゴードン」同様、一瞬「バド・パウエル」かな?って思えちゃう程、ビ・バップ・フィーリング充分なソロを弾いてくれます。
「ミラブル」の聴かせ所のあるソロパート部分も用意?されていて、曲が曲だけに、アルバム随一のビ・バッパー継承曲に仕上がっています。

6曲目「ユー・キャン~」では、ややアップテンポな曲調で、「ゴードン」が最初からエンジン全開で、ぶいぶい言わせてます。
「ドリュー」は、幾分遊び心の入った、ハズシ調のお洒落なソロで応戦して、その後をウォーキング・ベースの「ヴィネガー」が、大人し目ながら、存在感十分のベースを弾くんです。
最後は「マラブル」のチョイ派手なドラムアドリブと、「ゴードン」のバトル・チェイスの様な、掛け合いが最高の聴き物になってます。

3曲目「ダーン・ザット~」…男の背中に見せる哀愁を、「ゴードン」が幾分渋めに、そしてストレートにメロディをテナーで、最初から最後まで吹き通す、好トラック。
バックの3人は、極力音を排除して、「ゴードン」の吹くワン・ホーンを際立たせているのも、とても素敵!!

4曲目「ナンバー・フォー」では、リフを中心に「ゴードン」は豪快にテナーを鳴らす。
メンバー中では、淡々とブロックコードを刻む「ドリュー」と、おかず満載の派手ドラムを敲く「マラブル」が、好調です。

いずれにせよ、主役「ゴードン」と準主役「ドリュー」を見事にサポートする、バックス(脇役)二人、「ヴィネガー」「マラブル」の名人級演奏が、このアルバムの裏聴き所であるのは、間違い無いでしょう。

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